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英語ができないから留学するんだよ


「いやいや、君英語の成績悪いじゃん。留学なんてできっこないよ」

中高の英語の成績は五段階評価の二。高三で英検三級に落ちました。

高校の時、進路を海外に決めた僕は、周りからよくこの言葉を言われました。僕はその度にこう答えていました。

「うん。英語ができないから留学するんだよ


日本に住んでいた頃、僕は英語の必要性をまったく感じていませんでした。なぜなら話せなくても死なないから。話せなくてもストレスはかからないし、生活に支障もきたさない。周りにいる頭がいいって煽てられて英語の成績のいいあいつらだって成績は5のくせに英語は話しゃべれないんだから。ますます勉強をする意味がわからない。英語を勉強しろってガミガミ言ってくる教師だって英語は喋れない。じゃあなんのために英語を勉強するの?英語って言語で話すために、人とコミュニケーションを取るために勉強すんじゃないの?幼き頃 の自分の疑問。テストで100点取ろうが、英検二級に受かっても英語を話せないんじゃ意味ないじゃん。

僕は英語が”話せるように”なりたいんだよ。

野球をしにいったPLで気づいた、人は環境がすべてだということ。当たり前のレベルが高いとこに身を置いて野球をすれば、当然野球はうまくなる。自分は当たり前のレベルに追いつきたいだけだからそれを努力とは思わない。けどいつのまにか野球がうまくなってる。

なら英語だって同じじゃないの?そう思った。周りが英語を話すのが当たり前の環境にいけば自分だって英語が話せるようになる。確信めいたものがあった。自分が海外に行くイメージをした。英語が話せなくて、買い物すらろくにできない自分。道がわからなくても誰にも聞けない自分。生活をするにも英語が話せないからめちゃくちゃストレスがかかる。最悪の場合死ぬ。イメージをすればするほど英語を勉強する意義が湧いてきた。

海外に行くしかない。今は英語の勉強の仕方さえしらない。けど、海外にいけば勉強をせざるを得なくなる。がんばって勉強してアメリカの大学に入ってる頃には、日本の他の奴らより確実に英語はできるようになってる。それってめちゃくちゃかっこいいじゃん。英語が話せればMLBで働ける可能性だって開ける。考えてみたけど海外に出るデメリットは見つからない。死ぬことさえなければ。

19で海外に出た。当然だけど周りはみんな英語を話してる。予想通り生活することさえめちゃめちゃ大変。まずは生きるために英語を勉強した。語学学校で習った単語と文法だけが唯一の自分の武器。必死になってメモをとって、街で使う。銀行口座開設、スーパーで買い物、ホストファミリーとの会話。すべてアウトプットのためのインプット。

初めの三ヶ月は不安で押しつぶされそうだった。全然英語が聞こえない。勉強してるはずなのに言葉も出てこない。自分にはやっぱり勉強の才能はないんじゃないか。自問自答を繰り返した。僕はある結論に辿りついた。自分を含め、学生時代”バカ”と周りから言われていヤツらのことを思い出した。中にはとんでもないバカなヤツもいたが、彼らには共通点があった。それは、「全員、日本語が話せる」ことだ「僕は気づいた。日本語が話せるなら、絶対英語も話せる。だって同じ言語なんだから。英語は勉強じゃない。慣れること。何回聞いて、何回使うか。ただそれだけだ。

英語を勉強と捉えるのをやめて一年、アメリカの大学に合格した。厳密には勉強をしていたのだが、それを自分が勉強だとおもっていなかった。アメリカの大学で勉強したいんだから、英語をやるのは当然。

アメリカの大学にうかってまたどこかしらか声が聞こえてくる。「今まで勉強してこなかったのに、アメリカの大学でやっていけるわけないよ」

「勉強ができないから、大学に行くんだよ」







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