キャッチャーは英語を勉強しろ
キャッチャーにはコミュニケーションスキルが必須であることは、「キャッチャーは読書をしろ」で供述したが、もう一つ、コミュニケーションスキルを向上させる方法がある。それが英語を勉強することだ。英語を勉強することでコミュニケーション能力が向上する理由は三つ。1つ目が、英語を勉強することで言語を多面的に捉えることができ、メタ的視点で物事を捉えることができるようになること。2つ目が、ノンバーバルコミュニケーションを取得できるようになること。そして3つ目が、外国人選手と直接コミュニケーションを取れるようになることだ。
メタ的視点で物事を捉える
日本人である私達の第一言語は当然日本語で、思考するときも感情を表すときも当然日本語を使用する。日本の野球チームに所属しているのであれば当然、周りのチームメイトや監督、コーチは日本語を話すだろう。チームでミーティングを行う際や、練習メニュー、試合の結果について議論し合う時に、日本語的思考で全員が議論をしていては革命的なアイデアや違う角度からの質問などは生まれない。その議論の中でキャッチャーは周りとは違う視点を持ち、俯瞰して物事を捉えなければいけない。そのメタ的視点を鍛えるためにキャッチャーは英語勉強するのだ。英語は日本語とは対極に位置する言語である。文法では、日本語は結論を最後に言うように構築されているのに対し、英語では結論を始めに言うように文法で決められている。当然、単語もほとんど違うものだし、発音やイントネーションも日本語とは異なる。英語を学ぶことによって言語を多面的に捉え、物事を俯瞰して捉えることができるようになる。
ノンバーバル・コミュニケーション
ノンバーバル・コミュニケーションとは、言葉を発する以外のコミュニケーション方法だ。「ノンバーバル」には、「言語を使わない」「非言語」といった意味がある。したがって、ノンバーバルコミュニケーションとは「言語以外で行うコミュニケーション方法」のことだ。具体的には、人の表情や声の調子、香りなど、人間が五感によって捉えることのできるコミュニケーションが該当する。キャッチャーにとってこのノンバーバルコミュニケーション術は必須である。キャッチャーは投手との18.44メートルの距離があり、その距離のなかでコミュニケーションを取らなければならない。身振り手振りを使って、感情や作戦を投手に伝えなければいけない。英語を話すとき、欧米の人はジェスチャーを会話のなかで頻繁に使う。日本人は傾向的にあまり話すときに大げさなジェスチャーは使わないが、キャッチャーに必要なのは、大きいジェスチャーなのである。英語を学び、話すことで自然にジェスチャーを使えるようになる。そのノンバーバルな表現こそキャッチャーにとってとても大事な部分である。
外国人と実際にコミュニケーションがとれる
英語を話せることの最大のメリットはやはり、外国人選手と直接コミュニェーションが取れることだ。チームに日本語を話せない外国人選手がいた場合、英語を話せえるキャッチャーはその選手にとって救世主になり得る。自分の立場になって考えてほしい。もしあなたが海外のチームでプレーすることになり、言葉も文化もわからない国で大きなストレスを抱える。そんな中、チームに一人日本語を話せるチームメイトがいたら?あなたは彼に絶大な信頼を置き、彼を頼るだろう。
さらに、英語を話せることによって自分自身の選択肢も拡大することができる。英語を話せるということで、海外のチームでプレーする機会を得たり、セカンドキャリアとして英語を話せることを武器にできるのだ。世界一のキャッチャーになりたいと思ったら一番最初にしなければならないことは英語を学ぶことである。MLBでキャッチャーとしてプレーするためには英語は必須である。
英語を話せるキャッチャーは、物事を俯瞰的に捉えることができ、感情表現も豊かになり、外国人選手と直接コミュニケーションを取れるだけでなく、自分も海外でプレーする可能性も高めることができる。これほどのメリットあってキャッチャーが英語を勉強しない手はない。キャッチャーは英語を勉強しろ!
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