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【データ分析】入社2~5年目研修(卸売業)

入社5年目までの若手向けに【データ分析】の研修を行いました。その時のコンテンツを後日振り替えられるように残します。

1.身近なデータ分析

どんな業種の企業に入社しても日々の業務で活用する【データ分析】。あなたが昨日行った【データ分析】は何ですか?思い出してみましょう。

予算未達の原因分析。単価下落の要因分析。業績好調がいつまで続くか将来予測。今月の着地申告。事業戦略の策定。市場分析。競合分析。自社分析。重点施策のPDCA。事業PL分析。同期のあいつは先月いくら売り上げていたんだ?なんていうのもデータ分析ですね。

ビジネスにおいて数字は無くてはならないものですね。では【データ分析】の前にビジネスについて少し考えてみましょう。皆さんが考える【ビジネスの本質】とは何だと思いますか?

社会貢献。利益の追求。SDGs。規模の経済。マーケティング。忖度。

どれも正解のように見えますが、私は【因果関係の発見】だと考えています。ビジネスでは期待される成果や目的があって(売上XX万円、利益XX万円、新規加入者XX万人)、それを実現するために日々いろいろなアクションを取っています。

例えば・・・テレアポ電話100件/一日、提案書作成、売れ筋商品の発注、タイムセール向けの手書きPOP作成、週末にむけた売価変更の準備、新製品の学習会、顧客へ課題ヒアリング、アンケート調査、などなど。

そんなアクションを取っているとき、あなたはどのようなアクションをとれば、効率的かつ効果的に成果が出せるのかに日々頭を悩ませている筈です。そして、期待される成果を出すためには、アクションと成果の間に因果関係が不可欠です。担当しているビジネスの因果関係を発見できれば、日々とるアクションが変わり、あなたは成果を手に出来ます。

だから私はビジネスの本質を【因果関係の発見】だと考えています。

2.データ分析の前にビジネスにおける【数字】ってなんだろう

今回はデータ分析の学習会なので、すこしマクロな視点で数字を考えてみましょう。そもそも経営にとって、数字はどのような意味があると思いますか?各界の経営者はこんなことを語っています。

会計の数字は飛行機の操縦席にあるメーターみたいなもの。実態を表していなければ、正しい方向に操縦はできない。京セラ・JAL・他 稲盛和夫
正確な日時や金額など、数字の入っていない会話はビジネスの会話ではありません。それは遊びです。ニトリ 似鳥昭雄
数字なき物語も、物語なき数字も意味はない。キヤノン 御手洗富士夫

経営=数字といっても過言ではありません。この考えがあるから、SRM、SFA、MAツールのsalesforceのような分析ツールが導入されるんですよね。ダッシュボードを開けば最新状況がグラフで表現されるし、商談状況もエクスポートできるし。営業担当としては、日々の業務の負荷増加、失注したとき上層部にメールが自動配信されて漏れなく死亡する、などなどネガティブな意見も耳にしますが・・・。

数字とは、経営・ビジネスにとっての羅針盤。私たちはビジネスの目的である利益の確保のために、商品やサービスの開発・製造・販売といった一連のアクションをとります。そのためには、どうしたらアクションが成果に結びつくのかを見極めなければなりません。「これをすると、こうなる」という因果関係が必要になるんです。その因果関係を発見する手助けになるのが【データ分析】です。

3.データ分析の基礎

では、【データ分析】の本質はなんだと思いますか?

Excel、グラフ化、比率、統計学、微積分、フレームワーク、ワークマン式。

いろいろごっちゃになっていますが、私は【比較】だと考えています。企業分析、相関分析、時系列分析、構造的分析、マトリクス分析、などなど基本的にデータ分析にはAとBの比較が根底にあります。そもそも一般社員でデータ分析をするハメになっている背景には、何かしらの問題にぶち当たっているからです。平穏無事な状況だったら、データ分析なんてものに時間をかけず、現状のアクションを突き詰めて利益の貢献にばく進中の筈だからです。

昨日あなたがデータ分析を行っていた背景は、現状と欲しい成果になにかしらのギャップがあったからです。そのギャップを捉え、正しく問題認識するためデータ分析を行っていた筈です。もしくは、問題設定ができおり課題の抽出まで完了しており、課題解決するため実施した施策が求めている成果に結びついているかを分析していた筈です。

データ分析の目的は、アクションと成果を結びつける因果関係を発見すること。そのため【比較】を駆使して分析を進めます。【比較】を行う際持っておくと良い3つのフローがあります。それはプロセス・視点・アプローチです。プロセスは、問題・課題設定→仮説→データ収集→データ分析→結論考察といった一連の考え方です。この作業を何度か繰り返す場合もあるでしょう。視点は、影響度、ギャップ、トレンド、散らばり、パターンがないか探す鳥の目。アプローチは、比較した結果をどのように表現すればよいのか考える、グラフ化(可視化)、数字(代表値)、数式(モデル化、回帰分析)があります。

データ分析を進めるイメージは、ザックリ表現すると次の通りです。数値や文字データがあり、分析の目的を明確化し、定量分析や定性分析を行いアウトプットする。アウトプットを基に現状把握だったり問題の原因究明を経て、意思決定や戦略策定をおこなう。

データ分析で使うデータには大きく分けて4種類あります。①数字で表現できる量的データと②文字で表現される質的データです。量的データの具体例は、社内の基幹システムから吐き出される売上実績、公的機関が公表している統計データがあります。質的データの具体例は、アンケート結果やIRレポート、中期経営計画などがあります。量的データは統計的に分析したり比率をだしたりしやすく、質的データは対象者の深いニーズや考え方を把握するキッカケになり得ます。そして③生データである一次データと④第三者によって加工された二次データ。ググってヒットするデータの大半は、サイト運営者がデータ処理を施し、見やすく理解しやすくされた二次データです。すぐに消化吸収できるのが二次データのメリットですが、反面、分析者の意思がデータに反映されてしまっているので、真っ白な頭で考えたいと思ったら、一次データを触るのが良いでしょう。データにも複数の種類がある事、各々のメリデメを理解したうえでデータ分析を進めましょう。

以上、データ分析にまつわるビジネスの話し、分析の話し、データの話し、データ処理のイメージをお伝えしました。教科書的な内容をザっと流した感じですよね。

4.あなたがデータ分析をする理由

現実世界に戻り、あなたが昨日データ分析を始めるキッカケになった一言は、だいたいがこんな感じではないでしょうか?
 ・今月は予算達成するんだろうな?
 ・予算未達の理由わかってる?リカバリ策を17時までに出して
 ・競合他社の新製品、どのくらい脅威なの?対抗策はあるんでしょ?
 ・PLの荒利率が悪化してるけど、どうして?どこが悪いの?
 ・予算達成おめでとう。ところでどうして好調なの?いつまで続くの?
ネガティブ、ポジティブ関係なく飛び込んでくる上司・先輩からの質問たち。すべての質問の背景にあるのは、現実と理想の成果とのギャップです。日常生活においても、現実と理想のギャップなんてあちこちに落ちているので、比較を主とするデータ分析は思っている以上に身近なものかも知れませんね。皆さんむしろ、無意識潜在意識の中でデータ分析を行っているのではないでしょうか。
私がそう思った理由は、学習会講師に指名され【データ分析ってなに?】と考えたとき、言語化するのにとても苦労したからです。日々、様々な分析・報告をしている筈なのに、【データ分析とは何か】と考えたときシンプルな言葉が出てきませんでした。結果的にnoteに残した内容ができたので有意義だったなと思います。

さて、話を【データ分析を行う理由】に戻しましょう。上司からの指摘は先ほどど挙げましたが、次の3つが【データ分析を行う理由】になると考えています。
 A.問題の原因究明、及び課題達成をするため
 B.交渉相手を説得するため
 C.自分自身の思考を裏付けるため

A.の問題の原因究明、及び課題達成するためは、例で挙げた上司・先輩からの一言からスタートするデータ分析です。問題提起した際の「なぜ?Why?」に答えるため、現状と理想像との比較を行います。何が問題なのか。なぜ問題といえるのか。どの程度影響があるのか。この分析の時は、比較的数値データを扱うケースが多いです。予実管理や単価下落などの予兆を察知し、数字で状況把握する場合がこれに当たります。更に、課題達成にむけた対応策を検討する際もデータ分析が活躍します。ロジックツリーやイシューツリー、DAシートなどを駆使して、数理モデルを構築し、一番効果のある施策が何なのか、なぜ高効率なのかをロジカルに説明することを求められます。最後に、施策をやりっぱなしではいけません。意思決定に基づくアクションの結果「どうなったのか?」、効果測定が必要です。施策のPDCAを回し、想定と異なる結果に遭遇したらチャンスです。データ分析のプロセスである、問題・課題設定→仮説→データ収集→データ分析→結論考察の中で認識違いがなかったか、打ち手として決めた施策の効果が出ていない場合、どこに問題があるのかを深堀することでPDCAを加速し、最終目的である理想の成果にむけアクションを継続していきましょう。

B.交渉相手を説得するためは、来期の予算交渉を行うケースを想定するとイメージしやすいかと思います。
「営業本部長、対前年比103%の伸びを実現しましょう!」
というトークよりも
「営業本部長が目指す”営業利益率15%”を達成するためには、以下施策が必要です。
 ・新製品による販売増10%
 ・低価格帯のB商品群の人員を20%削減
 ・商品入れ替え時の単価下落率を▲2ポイント以内に抑える
加えて、現在の平均売価から変動3%以内の前提条件で算出すると、対前年103%の伸び率で営業本部長の目標値は実現できます。」
と分析資料と共に説明したほうが相手を動かせる確率が高いです。データ分析の客観性を武器に応戦すれば、例えあなたの入社年次が低くても、説得力の高いプレゼンができます。
私が営業部門と予算交渉をはじめて担当したのは28歳。相手は40代後半の脂ののったベテラン社員。経験も勘も弱い自分が相手を納得させるには客観的データしかありませんでした。様々なデータを集め、分析・加工し予算交渉に臨んだ経験が今の自分を作っています。それから10年弱立ちますが久方ぶりに当時の先輩方に会うと、「あの時のお前は生意気でズケズケ突っ込んでくるタイプだったけど、今は丸くなったんじゃないのか?丸くなるにはまだ早い。尖がってろ」と言われ当時とは違った冷や汗をかいています。

C.自分自身の思考を裏付けるためは、Bにも通じますが、少なくとも自分が確信している内容でなければ相手を動かくことは出来ません。言葉や態度に熱量が乗らないからです。自分の仮説の裏付けデータが得られれば、相手が誰であれ臆することなく熱いプレゼンが出来ます。

5.データ分析がもたらすあなたへのお土産

【データ分析を行う3つ理由】
 A.問題の原因究明、及び課題達成をするため
 B.交渉相手を説得するため
 C.自分自身の思考を裏付けるため
を継続すると思わぬ副産物が得られます。そんなお土産を3つご紹介します。
一つ目は、仕事をより深く理解しあなたの遂行力がアップします。データ分析には「問題・課題の設定」が含まれています。自分の担当業務の「問題・課題」を考えることで、自分の職務職責の一段上の立場から物事を俯瞰する癖がつきます。一つ上の立場から自分の仕事を客観視することで、より深く仕事やビジネスの仕組みを理解する助けとなります。俗にいう、一般職なら主任の目線で、主任なら課長の目線で、課長なら部長の目線で・・・というやつがデータ分析でも生きてきます、という話しです。

二つ目は、視点が多角化し1つのデータから複数の情報が引き出せるようになります。データ分析には、「データの整理、並び替え、加工」が頻繁に発生します。また、時系列に売り上げをみたり、商品ごとの売上の関係を調べたりします。この様に、交渉相手を説得しようと思ったら、日常的にデータを複数の視点で見ることが習慣化し、自然と視点が多角化するようになります。もちろん、言われた事だけを淡々とこなしていたら視点の多角化は起きませんが。

最後の三つ目は、KKD(勘・経験・度胸)に磨きがかかります。データ分析の学習会なのに、KKDのアップと伝えても「えっ・・・」と感じるかもしれません。しかし、実際データ分析を続けると、問題・課題にぶつかった際、分析を進めるためには、どんなデータが必要なのか?あらかじめ”あたり”をつけて効率的に進められるようになります。ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」のファストの能力がアップします。

日々の業務の中で様々はデータ分析を行っているのであれば、是非この3つのお土産は獲得していただき、業務効率アップ、生産性向上につなげていただければと思います。

6.データ分析の立ち位置

データ分析の基礎から、データ分析を行う理由、データ分析で得られる3つのメリットとお話をしてきました。では、データ分析の立ち位置がどこなのか?について、簡単にご紹介します。データ分析は、【仮説を検証する】ものです。データ分析の一歩目は、問題・課題について【仮説を立てる】ことから始まります。売上未達の要因は、どのチャネルなのか・どの地域なのか・どの製品群なのか・市況なのか・競合他社の攻勢なのか・・・。業務時間は一日8時間です。(残業時間がある、と言っても一日の最長は24時間です)時間に限りがあるため、私たちはすべてのデータを収集し、正確なデータ分析を行い、正しい答えを出すという事が不可能です。IotやらAWSやらでデータなんて阿保のように集まります。更にWEBに目を向ければ、様々な情報が溢れかえっています。時間に制限があり、データが無制限な世界にいる私たちが、業務時間内に尤もらしいアウトプットを出すためには、【仮説を立てる】ことが重要になります。データ分析はあくまで、立てた仮説がどの程度合っているのか・違っているのかを検証する作業です。

ではこの【仮説を立てる】作業に役立つ知識は何だと思いますか?それは先月の研修で学んだ【マーケティング知識】です。どのような研修内容だったのかは分かりませんが、基本をおさえる内容であれば、マーケティングの4Pとマーケティングの3Cは習ったでしょう。例えば、
・販売促進
・流通
・価格
・製品
のマーケティングの4Pを軸に問題・課題の仮説を立てることは比較的容易です。打ち出した施策が刺さっていない。商材の販売は好調なものの、狙っていたエンタープライス市場での販売がイマイチ、競合他社と比較すると割高に見える価格設定が間違っているのでは、商材で選んだ商品が価格重視で選択したためXXXの機能が劣っていたのでは・・・。
仮説が立てられれば、仮説の検証に必要なデータを洗い出し、収集、整理・加工といった一連のデータ分析が可能になります。限られた時間の中でアウトプットを出すことを求められている皆さんは、データ分析の学習だけでなくマーケティングの知識もアップデートして、生産性の高い人材を一緒に目指しましょう。

7.小噺(目的意識をもって分析をおこなっていますか?)

所属している企業規模や組織間のつながりの強さによって一概には言えませんが、日系企業は業務をパーツに分けて割り振る傾向があります。これはデータ分析でも当てはまり、分析の指示の受け方もパーツ単位であるケースが多々あります。
・A商品の単価推移を調べて
・地域別の売上推移を調べて
・販促策のランディングページのPV調べて
・競合A社の営業利益率を調べて
一つひとつの作業は全体像を掴んでいなくても進められます。ですが、一歩先をいくデータ分析者を目指すならば大局的な目をもつことが求められます。第5パラグラフでお伝えした、自分の職務職責の一段上の立場から物事を俯瞰する癖に通ずる考えです。指示した上司は、何を見て・何を考え・その分析指示をだしたのか。上司の思考を想像することで、分析作業にもプラスαを生み出しやすくなります。更に、上司の思考を想像し続けると、分析パターンが見えてきて、自分一人で精度の高い仮説思考を立てられるようになります。

いきなり大局的な目をもて、と言われても困ってしまうと思うので分析パターンを5つ紹介します。いま行っているデータ分析がどれにあたるか考えながら聞いてもらえると、イメージしやすいと思います。

1.大まかな状況分析
2.戦略を構築するための分析
3.実行計画へと落とし込むための分析
4.提案・企画するための分析
5.計画を実行し続けるための分析
それぞれの分析パターンについて、よく使われるフレームワークに当てはめて紹介します。
1.大まかな状況分析で求められる分析には、環境分析に係る内容が多いです。問題の全体像を漏れなくダブりなく可視化するロジックツリー。企業が置かれているマクロ環境(Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4軸)について整理するPEST分析。事業計画やマーケティング戦略を立案するとき、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3軸で環境分析をおこなう3C分析。事業を主活動と支援活動に分類し、どの工程で付加価値(バリュー)を出しているかを調べる、バリューチェーン分析。
2.戦略を構築するための分析には、マーケティング戦略検討プロセスの環境分析で使われるSWOT分析があります。SWOT=強み、弱み、機会、脅威の4つを組み合わせて分析することで、自社にとっての、市場機会や事業課題を発見しマーケティング戦略の目標に落とし込みます。SWOT分析でつかう材料が、PEST分析、3C分析で、まとめたマーケティング環境情報です。SWOT分析で、「事実情報を解釈」し、「戦略目標」を設定する流れが一般的です。
3.実行計画へ落とし込むための分析には、製品の売上と利益の変遷を4つの段階で説明するプロダクトライフサイクルが有効です。導入期、成長期、成熟期、衰退期それぞれの市場環境と基本戦略を提示する理論です。ここでは担当商品がどの時期になるのかを意識し、その時期にあった戦略を選択するようにしましょう。
4.提案・企画するための分析には、マーケティングでよく使われるAIDMAや4C/4P分析が活用されます。
5.計画を実行し続けるための分析には、日々の業務でも活用されるPDCAがあります。計画に対して成果に繋がったのか?エラーが出た場合はどこに問題があったのか。どのように計画を見直せば狙った成果が得られるのか?を見極めていきましょう。

8.仕事でつかうデータ分析

アウトプットにつながるツールとしては、エクセルの次の四つのツールを使います。①グラフ②PIVOTテーブル③関数④分析ツール
異常値の発見に役立つグラフ「散布図」
まとめる/分解する、PIVOTテーブル
比率/定量化する関数&分析ツール
では、実務で私がどんなデータ分析を行っているのか、いくつかサンプルを使ってみてみましょう。どれも実際に依頼された内容ですので、ひょっとすると同じような質問をみなさんも受けたことがあるかもしれませんね。

平均売価が急落!?要因はナニ
2030年の市場規模を推定せよ
売上急増の要因を調査せよ
着地申告の精度を向上させよ
既存機入れ替え時期を新任営業に連携せよ
販促策の効果測定を提示せよ
顧客の利用環境を分析せよ

上記内容の深堀は、実際の学習会で見ていきましょう。

9.最後に・・・・(非線形思考を忘れずに)

ここまでデータ分析の学習会を進めてきました。最後にデータ分析思考の落とし穴、というか人間の思考のクセを紹介します。

人間は線形思考がまず一番に思い浮かびます。具体的に言うと、今日起こったことが明日も起こるだろうと考えて行動してしまいます。日本昔話かなにかでもありましたが、二匹目のドジョウは同じ切り株の根元には入らない、というやつです。しかし、たとえ数年続いたことがその先も同じように起こるとは限らないのです。この辺の思考のクセがあるから、熟年離婚を切り出された旦那様が慌てふためく、的なことが起こるんでしょうね。今ある日常がいつまでも続くと、漠然と考えているから・・・。

世の中は、むしろ次第に変化する非線形な現象に支配されています。それなのに、いつまでの過去から脱却できないで、線形思考で将来を考えて行動するから、得てして判断を見誤ります。

データ分析を行う考え方はとても大切です。問題・課題について【仮説を立てる】こと。仮説思考を支える【マーケティング知識】。そして集めたデータをまとめ・分解し仮説を立証する情報にするエクセルツールたち。

ぜひこの学習会に参加された皆さんは、過去から未来を予測する方法、原因と結果の関係性を確認する方法を身に付けつつ、私たちが陥りやすい線形的な思考があること、現実世界の非線形的な現象、この二つの間にあるギャップを認識して、日々のデータ分析を深めていってください。

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