【レンズ使ってみた。】LEICA Summicron 50mm F2 1st Collapsible

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はじめに
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みなさまはタイトルにも記載されている以下のレンズを知っているだろうか?
LEICA Summicron 50mm F2 1st

こちらのレンズは1951年から1969年まで生産されたレンズで現在も存在する名称であるSummicronを冠したレンズだ。

当モデルにはDR Summicron と呼ばれる派生がモデルが存在していたり、近年ではAPO-Summicronという超高解像に特化したレンズも登場している。

今回はそんなSummicronの初代モデルを散歩で使ってみたのでその写真を振り返ってみたい。

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使用機材
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カメラ
 →ソニー α7IV
マウントアダプター
 →TECHART LMEA7
レンズ
 →LEICA Summicron 50mm F2 1st


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作例
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解放で撮影した一枚。雨の日だからか落ち着いた描写になった。
中央はシャープだが、周辺減光が大きいことがわかる
ボケ味はかなり綺麗である。
後ろの光源がレモンの形のボケになったが円ボケにこだわりがなければ問題ではないだろう。
ピント面は綺麗だ。後ボケにざわつきを感じる。
絞り込んで一枚撮影。
最後は解放で。


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実際に使ってみて。
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解放からシャープであることがよくわかった。
天気もあるのか色味はあっさりな方であろう。
解放では周辺減光目立つ。

ボケ味
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前ボケは溶けるようなボケで綺麗。
後ボケは背景によるが綺麗なボケである。
枝や茎がある場合は線ボケ傾向あり
円ボケは周辺になるとレモンぼけになる。

では、同じロケーションで別のF値を使った場合はどうか。


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F値ごとの描写
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F2
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解放だと、F2という大口径故に背景はよくボケる。
ボケすぎて背景が判別できないレベルにボケることも。
ピント面は昔のレンズとは思えないくらいシャープなので問題なく使っていける。
解放だと周辺減光は結構きつめに出る。若干寒色より

F4
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解放から2段絞った状態であるが、ここまで絞ると周辺減光がかなり改善される。
ボケの大きさもなんとか背景がわかるかなといったところまで緩和される。
ボケの傾向はとけるようなボケできれい。

F8
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ここまで絞ると背景の判別は可能になる。
その時のボケ方も嫌味がなく綺麗なボケであり玉ボケの大きさも適度なサイズになる。
また強い光に対しては光条が現れてくる。周辺減光は感じない。

F16
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このレンズの最大の絞り。
これで撮影すると背景は僅かにぼける程度だが、変わらず溶けるようなボケである。
光条は派手ではないが綺麗に現れる。ピント面も大きくなり解像度もかなり高い。


 解放では若干寒色よりではあるがピント面はシャープである。やはり周辺減光がある。絞り込んでいくと、周辺減光については改善されF4の時点であまり目立たない。
 F値を上げて背景の判別ができるレベルになってもなおボケ味は綺麗である。ピント面が解放から鋭いので、被写界深度のコントロールとして絞りを活用できると感じた。

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まとめ
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 色は綺麗に出るが強く出る傾向ではないので、モノクロでも十分に活躍してくれると思われる。というか、登場した当時はモノクロフィルムしかなかっただろうから当然か。
 それにしては色が控えめではあるものの変な滲みもなくかなり綺麗に出るのが好印象。
 解放からはっきりとしたピント面なのでボケを生かした写真を撮る際にも全然解放から使っていける。
 ボケ味は前も後ろも綺麗なので問題ない。楽しくなるボケである。

 写真では特に作例はないが逆光には強くない。なのでフードは装着している方が良いだろう。天気のいい日に使ってみないとこればかりは判別し難い。

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雨の中での撮影だったが楽しく撮影することができた。
見た目も非常にカッコよくライカに装着して沈胴状態にすると持ち運びも有利である。
変形機構が好きな方にはもってこいなレンズであると思われる。

古いために状態のいいものを見つけるのは難しいかもしれないが是非とも使っていただきたいレンズだ。

P.S.
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楽しいレンズでした。
次は晴れでも撮ってみたいです。
被写界深度のコントロールに専念できるという部分からポートレート向きでないかと感じました。


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