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中国映画を思わせるほどのアクションが見ものだった『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:64/119
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

アクション
殺し屋
ブラジリアン柔術

【あらすじ】

どんな相手も6秒以内に仕留める伝説の殺し屋"ファブル"(岡田准一)。
ある日、ボス(佐藤浩市)から「1年間、誰も殺すな。一般人として"普通"に生きろ」と命じられ、佐藤アキラという偽名で、相棒・ヨウコ(木村文乃)と共に、一般人のフリをして暮らし始める。

猫舌で変わり者のアキラは、今日もバイト先の社長(佐藤二朗)と同僚のミサキ(山本美月)と関わりながら、<プロの普通>を極めるため奮闘中。

一方この街では、表向きは子供を守るNPO代表だが、裏では緻密な計画で若者を殺す最狂の男・宇津帆(堤真一)が暗躍。凄腕の殺し屋・鈴木(安藤政信)と共に、かつて弟を殺した因縁の敵・ファブルへの復讐に燃えていた。

同じ頃、アキラは4年前のある事件で自分が救えなかった車椅子の少女・ヒナコ(平手友梨奈)と偶然再会し、これが後に大騒動へと発展する。

【感想】

個人的には、前作より面白かったと思います。そのときは、ファブルの導入だったこともあったせいか、変わり者の殺し屋が主人公のアクション映画っていうだけで、普段から海外のアクション映画を観慣れている身としては、正直あまりハマらなかったんです。。。でも、今回は違いました。

<敵キャラの濃さとアクション壮絶さがウリ>

今回の敵はファブルに因縁を持つ宇津帆です。演じたのは堤真一さんですが、そのサイコっぷりと人の怒りを煽るキャラが最高にムカついていい味出してたんですよ。しかも、彼は『砕け散るところを見せてあげる』でもヤバい父親役を演じていましたから、悪役が連続するのもめずらしいなって。『やまとなでしこ』で欧介さんを演じていた頃が懐かしいですねぇ。

アクションは、後半の団地での戦闘が特に秀逸でした。所狭しと駆けめぐるファブルの素早い身のこなしと、工事現場の足場が崩壊していく中ダッシュをかますシーンが、まるで中国のアクション映画のようでメチャクチャ興奮するんです。

木村文乃さんが演じるヨウコの格闘シーンも可憐にして最強な感じがかっこいいですし、アクションに関しては明らかに前作よりパワーアップしています。

<事前に情報出しすぎ問題>

ただ、そのアクションがですね、のひとつひとつは派手でいいんですけど、頻度が少ないんです。だから、アクションから次のアクションに移るまでの
ドラマパートが冗長に感じられてしまって、テンポはよくないかなあと感じました。派手じゃなくてもいいので、もっと連続して欲しかったですね、アクション好きな身からすると。

しかも、そのアクションが予告でほとんど出ちゃってるんですよ。だから、本編でのお楽しみがあまりなく。。。それでも、映画館の大スクリーンで観ると迫力があることに間違いはないんですよ?ただ、事前に見せ場となるシーンを観ちゃうと、本編を観ても新鮮味がないので、ちょっと残念ではありました。これは昔、『ラッシュアワー2』(2001)のときにも感じましたね。予告でほとんど流れちゃうっていうのは。

<その他>

殺し屋っていうと、誰かからの依頼を受けて、ターゲットとなる人物を殺す人だと思うんですが、今回のファブルって誰かからの依頼があるわけでもなく、自らトラブルに首を突っ込んでいるので、もはや殺し屋じゃない気もしますね。まあ、今回の宇津帆はかつて標的だったっていう因縁はありますけどね。

何にせよ、今年の実写の邦画の中では『るろ剣』に次いでアクションがすごいというのは間違いないじゃないかなーって思うので、アクションが好きなら観てもいいかもしれません。ちなみに、個人的には、この映画の笑うシーンがあんまり刺さらないんですよね。。。作り手の「おもろいやろ?」っていうドヤ感を感じてしまって。。。(笑)


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