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こういう上司が身近にいたら仕事がスリリングになりそうな『騙し絵の牙』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:24/54
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ミステリー
ビジネス
出版社
雑誌存続の危機
騙し合いバトル

【あらすじ】

大手出版社「薫風社」に激震が走った。かねてからの出版不況に加えて創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発。専務・東松(佐藤浩市)が薦める大改革で、お荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)は、無理難題を押し付けられ、廃刊のピンチに立たされる。

速水は新人編集者・高野(松岡茉優)と共に、イケメン作家、大御所作家、人気モデルを軽妙なトークで口説きながら、ライバル誌、同僚、会社上層部など次々と現れるクセモノたちとスリリングな攻防を繰り広げていく。

嘘、裏切り、リーク、告発――クセモノたちの陰謀が渦巻く中、速水の生き残りをかけた"大逆転"の奇策とは!?

【感想】

ようやく公開されましたね。こういう上司がいたら仕事面白いだろうなって思える映画でした。雑誌を作る上で緻密な(?)計算でコンテンツを集めて、矢継ぎ早に世間に公表して、他を出し抜いていく様が痛快で。

タイトルにある「騙す」っていうと、大どんでん返しみたいなことを想定しがちですが、それよりは「先手を打ちまくる」っていう表現が的確かなと思いました。

それを、雑誌存続のためにみんなで協力して知恵を出し合うチームプレーっていうよりは、頭の回転が速く、相手の懐に飛び込むのが上手いひとりの編集長が、いろんな手はずや根回しを完了させ、あとはそれに沿って現場が動くって形で進めていくんです。

それを可能とさせる速水の情報取集力、行動力、そしてリスクを恐れず賭けに出る覚悟と度胸はビジネスマンとしてはうらやましい能力です。なかなか身につけようと思って簡単に身につけられるものじゃないですからね。ただ、それは彼がフリー気質だからってのもあると思います。「まあ、ここがダメでも次行けばいっか」っていう。ある意味、他人のことはあまり考えていないっていうふうにも捉えられますけど、本人はすごく楽しいと思いました。

実際にこういう人と仕事すると、振り回されることが多くて心労が絶えなそうな気はしますね(泣)

こういうビジネスが絡むストーリーの映画やドラマだと、「売れるかどうか」よりも、「面白いかどうか」って方が重視されますよね。それは、「面白ければ売れる」っていう考えが前提にあるからだと思います。実際は、面白くても売れないものいっぱいあるんですけど。また、実際の仕事だと、どこまでいってもKPIを求められることも多く、面白いかどうかは二の次になってしまうこともあるので、こういうジャンルのストーリーは、そういう人たちの理想というか、夢があって面白く感じるのかもしれません。

話のテンポもよかったし、とても観やすい映画でした。


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