見出し画像

サスペンスというより人の死について考えさせられる『ドクター・デスの遺産ーBLACK FILEー』

【基本情報】

製作年:2020年
製作国:日本
 配給:ワーナー・ブラザース映画

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:166/169
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

「苦しむことなく殺してさしあげます」。ある闇サイトで依頼を受け、
人を安楽死させる連続殺人犯ドクター・デス。その人物の存在が明らかになったのは、「お父さんが殺された」という少年からの通報がきっかけだった。

警視庁捜査一課のNo.1コンビである犬養(綾野剛)と高千穂(北川景子)は、さっそく捜査を開始。すると似たような事件が次々と浮上する。

捜査チームのリーダー麻生(石黒賢)をはじめ、新米刑事の沢田(岡田健史)、室岡(前野朋哉)、青木(青山美郷)と共に事件の解明を急ぐが、被害者遺族たちの証言は、どれも犯人を擁護するものばかり。

ドクター・デスは本当に殺人犯といえるのか?それとも救いの神なのか?そして、驚愕の事実と更なる悲劇が犬養と高千穂に降りかかる。

【感想】

これは、、、サスペンスだったのでしょうか、、、?だいぶ僕が思っているのとは違う印象というか、、、正直微妙でした。

いや、もちろん雰囲気はサスペンスなんですけど、、、こういう映画って、犯人が誰かわからず、いろんな憶測を立てながら観ていくのが楽しかったりするんですけど、あんまり犯人を隠そうとしていないというか、それすぐにわかってしまうのでは、、、?っていう流れで(笑)

で、犯人がわかった後の展開も、ちょっと都合がいいというか釈然としないというか。。。なんで、犯人は犬飼の娘の居場所がわかったのかっていうのも謎のまま。

それと、面白いサスペンスだと話に波があるんですよね。で、情報を小出しにして、パズルのピースが埋まっていく過程が興味をひいて、最後まで興味を持って鑑賞できるんですが、今作はこれといった波をあまり感じられず、けっこう淡々と進んでいって、犬飼と高千穂が怒号を上げているだけっていう。。。

だから、個人的にはサスペンス映画としてはだいぶ微妙だったんですよ。ドキドキやハラハラが一切なくて。。。。なんですが、犯人の"死こそ救済"っていう、まるで『ファイナルファンタジー』のラスボスがよく口にするような思想については、どう考えるかっていうのは興味深いところかなと思いました。

犯人の行っていることは殺人なのか救済なのか。これはもう本当に難しいところですよね。人を殺しているから殺人にはなるんでしょうけど、それによって救われている人もいることを考えると、単純に悪いことであると決めつけることは早計だと思います。

僕は安楽死そのものについて否定はしません。回復の見込みがないのに苦しみの中で延命措置を取るぐらいなら、楽にしてしまった方が患者も家族も救われるっていうのはあるでしょうし。その場合、患者がもう自分の意志表示ができない可能性があるから、元気なうちに家族で話し合っておくことは大事だと思いますけど。

とはいえ、安楽死を合法化したら、それに見せかけた殺人や短絡的な考えでの死が横行して問題になるから、日本ではそうならなそうですよね。世界的に見ればいくつかの国で合法化されているようですが。

なので、なんか死について考えるきっかけにはなるものの、、、この映画の持つサスペンスな雰囲気から得られる期待を踏まえると、うーん、映画じゃなくてスペシャルドラマとかでよかったんじゃないかなーって思いました。

あと、小説と差別化するためか、映画になると変な副題付くこと多くないですか?(笑)「BLACK FILE」の意味がちょっとわからないので、これなくてもいいよなっていう。。。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?