異例な映画化の早さ『THE CAVE ザ・ケイブ サッカー少年救出までの18日間』
【基本情報】
原題:Nang Non
英題:The Cave
製作年:2019年
製作国:タイ、アイルランド合作
配給:コムストック・グループ、WOWOW
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:90/172
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
【あらすじ】
2018年6月23日、練習を終えたサッカーチームの少年たちはチームメイトの誕生日を祝うため、チェンライのタムルアン洞窟に入る。しかし、豪雨で洞窟内の水位が急激に上昇し、身動きがとれなくなってしまう。
タイ国内外から集まった軍や経験豊富なダイバーたちが捜索にあたるが、
洞窟入口から4キロも離れた地点で少年たちを発見したのは、遭難から9日も経ってのことだった。彼らは洞窟の天井から滴る水を飲んで空腹をしのいでいたのだ。
一刻を争う救助が求められたが、洞窟内の経路は複雑かつ、数か所は水没したままで、それは困難を極めていた。次に雨が降る前に救出しなければ、少年の命は助からない瀬戸際で、ダイバーたちによる決死の救出劇が始まった。
【感想】
実話ベースの映画としては、今年観た中だと、一番直近の出来事を扱っているのではないでしょうか。日本でもニュースでやっていたから覚えている人もいるかもしれませんが、2018年にタイで起きたタムルアン洞窟の遭難事故のことです。
1年(本国公開は2019年)で映画化してしまうのは異例の早さだと思いましたが、ドキュメンタリーに近い映画でしたね。しかも、出演者の何人かは実際に救助活動に当たった人たちなので、演技で言えば素人のはずなんです。それでも面白いなと感じたのは、ちょっと不謹慎かもしれませんが、緊急を要する救助活動ということもあってか、緊迫感が強くて集中して観れたからですね。また、事故の全容を知る上では貴重な映画だと思います。
正直、地元でも危険で有名だった洞窟に入ってしまったのは不注意なのかなって思ってしまいますが、全員無事に生還できたのは本当によかったです。運び出す際、子供たちが途中でパニックに陥らないように、あらかじめ薬品を注射して眠らせていたっていうのはちょっとびっくりでしたが、パニックで暴れられると救助に来たダイバーにも影響が出てしまうので、身を守るための施策にもなっているんですね。
この映画を観て思ったのが、普通のダイビングと洞窟のダイビングは、事情がかなり違うのかなということです。洞窟ダイビングの専門家を海外から呼んでいたし、酸素ボンベも2つ持っていくことが定石らしいんですが、それほどまでに活動量が多いのかなって。現に、救助隊の一人は酸素の残量がなくなって亡くなっているので。。。ご冥福をお祈り申し上げます。
あと、子供たちを助けたい一心で強力な排水ポンプを持ってきた民間人が、
許可がなくて現場に入れないっていうのはもどかしかったですねー。一刻を争う状況においてもそうなってしまうのは、まあ仕方ないことではあるんですが、日本じゃなくてもそういうのは厳しいんだなって思いました。
そして、タイの信仰心の強さ。ただ「どうか無事に帰ってきますように」と個人が祈るレベルではなく、僧侶がやってきて、お供え物をして、洞窟の女神に祈るってのは、実際の救助活動において有益だったかは甚だ疑問ですが、そういう文化なんでしょう。
ちなみに、ネトフリでも映像化の話が出ているらしいですよ。
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