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ロンドンで夢と希望に満ち溢れた少女が恐怖と絶望に陥る新感覚ファッショナブルホラー『ラストナイト・イン・ソーホー』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:18/264
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★★
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★★

【要素】

ホラー
スリラー
タイムリープ
ファッション

【元になった出来事や原作・過去作など】

なし

【あらすじ】

ファッションデザイナーを夢見るエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、ロンドンのデザイン学校に入学する。しかし、同級生たちとの寮生活に馴染めず、ソーホー地区の片隅で一人暮らしを始めることに。

新居のアパートで眠りに着くと、夢の中で60年代のソーホーにいた。そこで歌手を夢見る魅惑的なサンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)に出会うと、身体も感覚も彼女とシンクロしていく。夢の中の体験が現実にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズは、タイムリープを繰り返していく。

だがある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。その日を境に現実で謎の亡霊が現れ始め、徐々に精神を蝕まれるエロイーズ。そんな中、サンディを殺した殺人鬼が現代にも生きている可能性に気づき、エロイーズはたった1人で事件の真相を追いかけるのだが……。

果たして、殺人鬼は一体誰なのか?そして亡霊の目的とは-!?

【感想】

これまたすごいホラー映画の登場です。この前観た『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)に続き、メチャクチャ面白いホラー映画でした。最近の海外のホラー映画、僕の中できてます(笑)この映画は主に3つの点で非常に秀逸だと思ったので、簡単ではありますが書いてみたいと思います。

<予想できないストーリー>

いや、勘のいい人ならすぐにわかるのかもしれませんが、、、僕は話がどう転ぶのか最後までわからなくて、よく練られたストーリーだなって思いました。もともと、エロイーズには幻影を見る力はあったんですよね。まあそれが結局何だったのかは語られないので、その設定は無視しちゃいますけど(笑)

ファッションの勉強のために田舎からロンドンに出てきたエロイーズ。彼女は寮のルームメイトと折が合わず、ひとりでワンルームを借りることにします。そこでの生活が始まってから、就寝中に夢の中でサンディという艶やかな雰囲気を身にまとった少女に出会います。彼女は一体何者なのか、よくわからないまま、なぜかエロイーズとサンディは身体と感覚がシンクロしていきます。そして、夢の中の出来事のはずなのに、現実世界にも影響が出始めます。そこからがもう、サスペンスやスリラー感満載で、いろいろまさかすぎる展開が待ち受けています。こういう設定は他の作品にもありますけど、今回もいろいろびっくりでしたね。ネタバレになるので言えませんけど(笑)

<思わず見とれてしまうほどの煌びやかなソーホーの街並み>

エロイーズが夢の中で迷い込んだのは1960年代のソーホー。この街並みの再現がすごいんですよ。中でも一番目に焼きついたのは、夜なのに夜だと感じさせないぐらいの光の数々ですね。多くの街頭や照明に溢れていて、まさに夜のディズニーランドのワールドバザールかのような、暖色系の光が街を照らす姿が本当に美しかったです。ちなみに、劇中の映画館に『007/サンダーボール作戦』の看板があったのも、『007』ファンとしては感慨深いところです(笑)

また、街並みだけじゃなくて、衣装がかわいいのもポイントですね。エロイーズはファッションの勉強をしているだけあって、昼間着ている服はオシャレです。サンディのドレスも彼女にしか着こなせないぐらいにエロかわいくて、ホラーなのにファッショナブルというギャップもいいんですよ。

<圧倒的な美しさを放つ2人>

この映画の一番のポイントはここと言っても過言ではないかもしれません。とにかくメインの2人が美しすぎるのなんのって。『ジョジョ・ラビット』(2019)や『オールド』(2021)のトーマシン・マッケンジー。
スプリット』(2016)や『クイーンズ・ギャンビット』(2020)のアニャ・テイラー=ジョイ。この2人がとにかくオーラありまくりでした。

トーマシン・マッケンジーはまさに美少女そのもの。透き通るような白い肌に、整った目鼻立ちが本当に綺麗。一方、アニャ・テイラー=ジョイは艶やかな美女。どこかに闇を抱えてそうな雰囲気を醸し出しつつ、まわりの男を次々に魅了していくエロさを持っています。2人とも肌の色が白くて、ブロンドヘアがものすごく似合うんですよね。

さらに、ただかわいいだけじゃないのがこの2人のいいところです。精神が病んでいるときの死にそうな表情や、ピンチに陥るときの鬼気迫る表情なんかは特に印象的でした。美女と恐怖、美女と絶望、美女と狂気、美女ってだけで正の方向に振り切っているので、負の現象との対比がものすごく映えるなって思います。

<その他>

ホラーなのにファッショナブルだし、色使いは綺麗だし、そういう意味ではこれまでのホラー映画とはまた違った斬新さを感じますね。そんなに怖い話でもないし、いろんな意味で目の保養になるので、ぜひ映画館で観て欲しい作品です。


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