マスコミとFBIに怒りがこみ上げる『リチャード・ジュエル』

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:6/9
胸糞悪い😡:★★★★☆
  怒り😡:★★★★☆
  感動😭:★★★☆☆

辛い映画でした。。。
いわゆる無実の罪系の話で、これまでにも同じような話はいくつか観たことあるけれど、実話ってこともあってかなり見ごたえありでした。

クリント・イーストウッドの作品は、実話を扱ったものも多いものの、けっこう淡々と話が進むから、個人的には感動や興奮があと一歩足りないなーって思うことがちょいちょいあったんです。

だけど、今回は設定が設定なだけに、物語の開始からずっとスクリーンに見入ってしまうほどには面白い内容でした。

【どんな映画?】

1996年アトランタオリンピック。
警備員だったリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)は、会場付近の公園で爆発物を発見・通報したことで多くの人々の命を救い、一躍英雄になるものの、第一発見者であったことや過去の爆破事件の犯人像と似た要素があることから、一気に容疑者となってしまうという話です。

【感想】

とにかく、リチャード・ジュエルの境遇がかわいそうでならないです。
彼は人一倍正義感が強く、警察などの法執行官に憧れを抱く純粋な人物なので、事件に関与しているわけがないんです。

なのに、"マスゴミ"って言いたくなるぐらいのマスメディアの報道や、FBIの違法な捜査が彼とその母親の生活を一変させてしまうのが胸糞悪い。

大した物証もないのに、彼がほぼ犯人だと決めつけて、彼のこれまでの言動やら何やらまですべて疑って、思い出しただけでも腹が立ってきます。

そりゃ疑うのがFBIの仕事だし、事実を伝えるのが記者の仕事ではあるけれど、同時に彼らは情報を黒にでも白にでもできるほどの力を持っており、人ひとりの人生を狂わすなんて造作もないこと。

だからこそ、正しく真実を追求する姿勢を持ち続けて欲しいのだけれど、、、本当に犯人が誰かわからない状況であれば、疑わしきはとことん追求せざるを得ないんだろうな。。。

リチャード・ジュエルの母親が、愛する我が子を守る術がわからず、途方に暮れている姿は心が痛むし、記者会見での彼女のスピーチには涙を禁じえません。。。

そんな中での弁護士役だったサム・ロックウェル、いい仕事してました。。。『ジョジョ・ラビット』に続いて、いい役どころ。彼が唯一の希望だったし、彼のおかげでリチャード・ジュエルも強い自分を出すことができたから。

東京オリンピックも近いし、そういった意味でもタイムリーな映画ですね。
東京でもあんな爆発事件あったらと思うと怖い。。。


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