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男女関係よりも主人公の哀愁が大きい『ホテルローヤル』

【基本情報】

製作年:2020年
製作国:日本
 配給:ファントム・フィルム

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:166/170
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

北海道、釧路湿原を望む高台のラブホテル。雅代(波瑠)は美大受験に失敗し、家業であるホテルを手伝うことに。

アダルトグッズ会社の営業、宮川(松山ケンイチ)への恋心を秘めつつ黙々と仕事をこなす日々。甲斐性のない父、大吉(安田顕)に代わって半ばあきらめるように継いだホテルには、「非日常」を求めて様々な人が訪れる。

投稿ヌード写真の撮影をするカップル、子育てと親の介護に追われる夫婦、行き場を失った女子高生と妻に裏切られた高校教師。

そんな中、一室で心中事件が起こり、ホテルはマスコミの標的に。さらに大吉が病に倒れ、雅代はホテルと、そして「自分の人生」に初めて向き合っていく。

【感想】

これから観る人には申し訳ないですが、正直、個人的にはいまいちパッとしない映画でした。。。ちょっと"舞台負け"してる印象なんですよねー。

これ、ラブホテルが舞台の映画なんですけど、エロさは一切ないんですよ。まあ、別にそれを期待して観に行ったわけではないのですが、例えば、コメディならお客のぶっ飛んだ性癖を垣間見れたり、お客同士が変に絡みあったりで、爆笑できる気もするんですが、ヒューマンドラマなんです、この映画。

それぞれ事情がある客が訪れるも、エピソード自体は浅くて、内容は理解できるけど感情移入するポイントはなく、ラブホテルという場所にも関わらず、男女の情事も少ないです。

そこはまあいいとして、映画の設定からセックスを通じて男女の在り方や愛について考える内容かと期待するものの、実際は、たまたま実家がラブホテルを営んでいた雅代の成り行きの人生を淡々と描いた物語で、けっこう地味です。

最後の最後でようやく自分の人生は何だったのかってことに気づくものの、それもラブホテルや男女関係、セックスにほとんどリンクしていないんです。せめて、男女のあれやこれやをいろいろ見た上で自分の人生はああだったこうだったって言うなら、まだラブホテルの意味があると思うんですけど、、、ちょっとそこが弱かったかなっていう。もちろん、そういうところで働いてきたからこそ思うところがあるんでしょうけど、圧倒的に弱かった。別にラブホテルじゃなくてもよかったんじゃないかって思ってしまうほどには。

原作もこんな感じなんですかね?僕は読んでいないのでわからないのですが。

ただ、アダルトグッズの営業マンである宮川の言った「男と女は時に体を使って遊ばないといけないと思ってます。僕はそのお手伝いをしています」
ってセリフはいいなと思いました。仕事に誇りを持っている感じがして、好感持てました。


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