ジェニロペ版『ノッティングヒルの恋人』だった『マリー・ミー』
【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:29/63
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★☆☆
【ジャンル】
ラブストーリー
【元になった出来事や原作・過去作など】
・グラフィックノベル
ボビー・クロスビー『マリー・ミー』(2012)
【あらすじ】
世界的歌姫のキャット(ジェニファー・ロペス)は、新曲『マリー・ミー』を携え、大観衆の前で音楽界の超新星バスティアン(マルーマ)と華々しく結婚式を挙げる予定だった。
しかしショーの直前、婚約者バスティアンの浮気がスクープされ、失意のままにステージに登場したキャットは、観客の男性に突然プロポーズするという驚きの行動に出る。
新たなお相手は、平凡な数学教師チャーリー(オーウェン・ウィルソン)とあって、前代未聞のギャップ婚に周囲は大混乱となるのだった。
キャットを取り巻くスタッフやマスコミ、ファンが大混乱に陥る中、互いを知るところから結婚生活を始める2人だったが……。
【感想】
世界的な歌姫と平凡な数学教師のギャップ婚という洋画らしいぶっ飛んだ設定が面白かったです。そこが、世界的な女優と平凡な本屋の店主のラブストーリーを描いた『ノッティングヒルの恋人』(1999)を彷彿とさせますね(笑)
<ジェニロペの圧倒的な存在感>
『ノッティングヒルの恋人』と似通ってはいるものの、映画の雰囲気は全然違います。あちらは牧歌的な空気が流れるややのどかな感じがしますが、こちらはもっとエンタメ!ショービズ!みたいな華やかな感じでした。その違いを生み出しているのが、キャットを演じたジェニファー・ロペスの存在です。あのダンス、歌、綺麗な肌、どこを取っても50代半ばとは思えない圧倒的なクオリティ。正直、ストーリー的には「まあそうなるよね」っていうオーソドックスなものではあるんですよ。もともと住んでる世界が違いすぎる2人ですからね。チャーリーが常に「彼女のいる場所はここじゃないんじゃないか」と疑心暗鬼になるのも頷けます。ただ、とにかくジェニファー・ロペスのセクシーさとかっこよさが抜きん出ていて、さすがショービズの本場、ハリウッドだと思いました。もう役とかじゃなくて、まんまジェニファー・ロペスですから。いや、すごい。彼女の姿を拝むだけでも一見の価値あります。
<変わりたいなら違うことをするべき>
今回のキャットの行動は、完全に当てつけ婚だろって思ったんですけど、筋は通ってるのがまた腹落ちしやすい流れでもあるんですよね。これまで3回結婚に失敗→そんな自分を変えたい→それならいつもと違うことをしなきゃ→からのライブでいきなりのプロポーズ。ぶっ飛んではいますけど、これぐらい普段と違うことをしなければ、極端な変化は訪れないというメッセージを感じましたさすがに、ここまでできる人はいないだろうから、まったく一般向けのアドバイスになりませんけど(笑)
<キャットの浮世離れ感>
キャットは世界的な歌姫ではありますが、それを鼻にかけることもなく、誠実でいい人な印象を受けます。とはいえ、やはりセレブなことに変わりはなく(笑)作中で、キャットはいつもスタッフさんなど多くの人に助けられてるってんで、そんな状況から脱却しようと、ひとりでいろいろやってみるシーンがあるんですけど、何かと金で解決しようとするところがちょいちょいあるのも笑えるポイントでした。
<子供のエピソードがちょっともったいない>
今作では、チャーリーの娘にもスポットが当たっています。数学クラブに入るものの、あがり症で本番で実力を出し切れないという役どころですね。それをいかに克服するかってエピソードもあるんですけど、この映画自体がキャットに寄りすぎていることもあって、けっこう無理矢理押し込んだなって思いました。そこはちょっともったいなかったかなーと。
<そんなわけで>
ストーリー的には王道な感じではありますけど、ジェニロペのパフォーマンスを観たければぜひって感じです。それにしても、日本版のポスターはもっといいのあっただろうって思います。オリジナル版の方が素敵。まあ、オリジナル版だとキャットが世界的歌姫ってのが伝わりづらいですけど。
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