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世の中のすべての母親に捧げたい『こんにちは、私のお母さん』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:2/3
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【ジャンル】

コメディ
感動
タイムスリップ

【原作・過去作、元になった出来事】

・李焕英(人物)
 本作の監督・脚本・主演を務めたジア・リンの母親

【あらすじ】

明るく元気な高校生ジア・シャオリン(ジア・リン)と優しい母リ・ホワンイン(チャン・シャオフェイ)は大の仲良し。ジアの大学合格祝賀会を終え、二人乗りした自転車で家に帰る途中、交通事故に巻き込まれてしまう。

病院で意識のない母を見てジアは泣き続け、そして気がつくと…20年前の1981年にタイムスリップしていた!独身の若かりし母と“再会”したジアは、最愛の母に苦労ばかりかけてきたことを心から悔やみ、今こそ親孝行するチャンスだと奮起。自分が生まれなくなっても構わない。母の夢を叶え、幸せな人生を築いてもらうことが、娘としてできる「贈り物」なのだ!

だが、やがてジアは“ある真実”に気づく……。

【感想】

泣きました。。。今年これを超える感動映画に出会えるのかってぐらい、体中の水分が全部目から出ちゃいました。監督のジア・リンが、自身の母との実話を元に脚本と主演も務めた本作。中国では2021年の最高興行収入かつ、女性単独監督の最高興行収入を記録したそうです。いや、わかります。それだけの感動作ですよ。すべての母親と娘に観て欲しいですね。

<いろんな要素が詰まったミックスジャンル>

この映画は母親との思い出と愛に満ちています。実際、監督の母親も48歳の若さで亡くなったそうなんですが、自分にとって母親がどれだけ大きい存在だったかを噛みしめて出来上がった映画だと感じました。

ただ、情報量は多いんですよ(笑)まず、交通事故をきっかけに突然のタイムスリップ。そこで出会う若かりし頃の母親。まさに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を彷彿とさせる展開に懐かしさを覚えます。

そして、母親の人生の分かれ道となった社内バレーボール大会。メンバー集めに奔走し、ライバルチームとのガチンコバトルは、まさに熱血スポ根ドラマ!さっきのタイムスリップからきたSF感からは想像もできない展開です。あまりにもバレーボール対決に真剣になりすぎて、「これ何の映画だったっけ?」と一瞬思ってしまうほど(笑)

そして、ジアと母親の親子愛。ジアはずっと母親に迷惑ばかりかけていたから、ここぞとばかりに親孝行しようとするんですよね。母親には幸せになって欲しい。別の男性と結婚して、自分が生まれなくなっても、今よりももっといい人生を歩んで欲しい。そう願うジアの健気さに心温まります。

<感動は万国共通でも、笑いはその国特有>

上記で書いたようなことを、コメディタッチで仕上げているのが、この映画の特徴ですね。とはいえ、笑いのツボが日本とはちょっと違うところもあります(笑)もちろん、面白いといえば面白いし、笑うところだなってのもわかるんですが、僕は爆笑とまではいかず。。。まわりでは爆笑していたお客さんもいたんですけど、もしかしたら中国の方かもしれないですね。まあ、笑いのツボが違うというのは、ハリウッド映画を観ていてもよくあることですけど。たまに映画館でありますよね。全然笑うところじゃないのに、メッチャ笑ってる外国人がいるところ。あんな感じです。だからか、間延びっていうわけじゃないんですけど、そこまで笑えないところに関しては、シーンの体感時間がちょっと長く感じられる部分もありました。笑いのツボが合う人なら、もっとハマるかもしれませんが。

でも、そういうコメディ要素があればあるほど、感動はより一層強くなるものです。終盤、"ある事実"を知ってからがもう、、、涙が洪水のように溢れてきちゃって。。。マスクびちゃびちゃですよ。ここはもう国の文化なんて関係なく、万国共通で泣けるところじゃないですかね。ふと思ったんですけど、結局、感動する要素は国によってあまり変わらない気がします。多いのは犠牲や死など、"別れ"の属性を持つ行為。これはどの国の映画でも泣けるテイストになっているんじゃないかと。

<母と子の2つの視点で楽しめる>

この映画を観て思ったのが、世界で最も偉大な女性は、母親なのかもしれないなということです。昨年、『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』を観たときも言ってたんですよ。「親が親であるがゆえに提供できるものは、
"無償の愛"だ」って。本作もそれを強く強く感じられる内容でした。だから、2つの視点で楽しめるんですよ。自分の母親のことを考えながらも観れますし、親として自分の子供のことを考えながらも観れます。誰もが誰かの子であるし、もし自分が親の立場になっているなら、両方の視点から観れるわけですから、その分もっと感動できるんじゃないかなって思いました。

<そんなわけで>

母と子の大きな愛情を感じられるこの映画。エンドクレジット前に、監督の母親の思い出が語られるのも、彼女の母に対する愛を感じられるところです。僕も母親をもっと大事にしようと思えましたし、子供がいる方は、子供に何を求めるかを改めて考える機会になるかもしれません。本当に観てよかったので、ぜひオススメしたいです。とりあえず、ハンカチは持って行った方がいいですよ。


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