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壮大で感動的なのに複雑すぎてイマイチ乗り切れない『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:149/268
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】

アニメ
SF
巨大ロボット

【元になった出来事や原作・過去作など】

・テレビアニメ
 『交響詩篇エウレカセブン』(2005)
 『エウレカセブンAO』(2012)

・映画
 『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』(2009)
 『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』(2017)
 『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』(2018)

その他、漫画、ゲームなどなど。

【あらすじ】

エウレカが作り上げたスカブコーラル(珊瑚状の情報生命体)の中の仮想世界。その崩壊と共に、仮想世界の人々がこの地球に姿を現して10年が経過した。この“大融合”の結果、仮想世界の人類は「グリーンアース」を、旧来の地球人類は「ブルーアース」を名乗り、水面下でさまざまな衝突を繰り返すことになった。そして、グリーンアース軍の高官デューイ・ノヴァクは、自分たちの尊厳を守るため、仲間と共に決起し、大規模なテロ計画をついに実行へと移す。

混乱の元凶として世界中から憎まれるエウレカは、国連の独立師団無任所部隊A.C.I.D.(アシッド)の上級戦闘員となっていた。この世界を平和に保つために生きる。それがエウレカの選んだ贖罪の道だった。

そんなエウレカに、スカブコーラルを操る能力を持つ新たな“EUREKA”、少女アイリスを保護する命令が下る。最初は対立するばかりだった2人は、孤独な逃避行を通じて、次第に互いのことを理解していく。そして世界が危機に直面したとき、エウレカは極限まで自らの力を振り絞って戦う。「アイリスとこの世界を守りたい」。

エウレカの願いの果てに待つ未来とは――。

【感想】

16年にわたる『エウレカセブン』シリーズもついに完結。しかし、とても複雑な内容でした。。。

<メディアミックス展開されている『エウレカセブン』>

一応おさらいしておきますと、この『エウレカセブン』はいろんなメディアで展開しています。ただ、時系列や内容はけっこうバラバラで。大元は2005年に放送されたテレビアニメ版ですが、それと2017年から始まった『ハイエボリューション』シリーズは内容がまったく異なります。もちろん世界観は同じですが、ストーリー展開やキャラクター設定は別モノ。もはやマルチバースみたいな感じですね。

<内容の複雑さが感情移入を阻害する>

僕はかつてテレビアニメ版を観ずに、『ハイエボ』の2作品を観たんですが、、、何もわかりませんでした。その反省もあって、今回はテレビアニメ版の1期を全部観てから映画に臨んだのですが、それでもやっぱりよくわかりませんでした(笑)すべてのユニバースが1つに集約されているせいか、他の作品群も観ないと完璧には理解できないのかもしれません。

このエウレカは何?デューイって何であんな超人的な力があるの?レントンって何で死んでるんだっけ?などなど、いろんな疑問が沸いてきてしまい、観終わってから、あれこれ調べました。そのせいか、全体的に壮大で感動的っていうのは伝わってくるのに、イマイチピンとこなかったんですよね。。。もちろん、世界観やキャラクターのことはテレビアニメ版を観て知っています。さらに、本作の舞台は前作から10年後ということもあって、成長したみんなの姿が観れるのはエモいんですよ。エモいんですが、、、ストーリーとして頭にスッと入ってくるかと言うと、答えはNoですね。

<成長したエウレカが一番エモい>

とはいえ、今回の映画では、大人に成長したエウレカを観れたことが何よりも感慨深かったです。テレビアニメ版では守られる立場だった彼女が、今度はアイリスという少女を守る立場にあるというのが、一番の成長ポイントだと思います。少女だったときのような弱々しさや不安定さはなくなり、立派な戦士です。

<他の作品の要素が多い>

また、映画好きな人ならニヤリとしてしまうぐらい、他の作品の要素を取り入れているのも面白いところでした。アイリスを連れているエウレカの姿は、『レオン』(1994)の原型とも言われる『グロリア』(1980)を彷彿とさせますし、デューイ・ノヴァクとの戦闘では『ターミネーター2』(1991)のラストまんまのようなシーンも(笑)アイリスの表情はジブリ作品っぽさもあって親しみやすさがありましたね。

また、前作の『ANEMONE』から感じていたんですが、全体的に『エヴァ』っぽさが強いんですよ。ニルヴァーシュの形状やキャラクターの雰囲気、発するセリフなど、『エウレカ』のテレビアニメ版以上に『エヴァ』を彷彿とさせるところが多かったです。冒頭のニルヴァーシュZと巨大赤色移動体の戦いなんて、まるでエヴァ初号機 VS 使徒みたいでした(笑)

<その他>

まあ、一通り内容を知ってたから楽しめはしましたけど、この映画、『エウレカ』シリーズをまったく知らない状態で観るのは絶対にオススメできません(笑)この世界観をすべて理解できたら、また感じ方は変わるかもしれませんけど。それにしても、ポスターのエウレカが男前すぎて、最初エウレカだと思いませんでした(笑)


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