冒頭のつかみからは想像できない感動作『ラスト・クリスマス』

2019年公開映画201本中75位。

これはやられたなあ。。。
コッテコテのアメリカらしいラブコメかと思いきや。
そこらへんのサスペンス以上に絶対ネタバレ禁止の
ヒューマンドラマ寄りのラブストーリーでした。
もうね、冒頭のつかみと後半のまさかすぎる展開が最高すぎです。

歌手を目指すケイトは、
自分勝手でドビッチなひどい生活をしていたものの、
偶然出会ったトム(ヘンリー・ゴールディング)に惹かれていくことで、
自らの行いを少しずつ改めていくという話。

まあ、あるっちゃある設定ダンだけれど、
これね、単なるクリスマスラブストーリーで終わらないのがいいんだよね。

なんていうのかな、
クリスマスだし、ここらへんでラブストーリー作ったらウケるやろ?
的な作られ方とは違って、
Wham!の“Last Christmas”に触発されて作られたっていう経緯があるから、
あくまでも歌をモチーフにしているだけなんだよね。

まあ、歌がクリスマスソングだから、当然クリスマス要素はあるんだけど、
その要素はたまたま付いていたって程度で、
映画としては人間誰しもが持つ悩みとそこからの脱却を表現していたから、
この映画はクリスマスシーズン限定のものではなく、
より普遍的な作品として楽しめると思うんだ。

歌をモチーフとしているから、
あの歌詞が映画の内容とリンクしていて感動的で。。。

ヒットソングをモチーフにした映画は日本でもあるけど、
個人的にはただ旬な若手俳優を使っているだけの微妙な作品が多い印象。

ところがどっこい、この映画はそれらとは一線を画すよ。
最初にカジュアルなラブコメだと思わせといて、
後半は感動的なヒューマンラブストーリーになるっていう
まさかの展開がよかったのと、
歌の解釈が「そうきたか!」というやられた感が
最大の面白いポイントです。

ネタバレマジでダメ!

あとは、トムのセリフが染みるんだよねー。
昔、とあることで特別扱いをされていて、
その後普通に戻ることが難しいと悩んでいるケイトに対して、
「“普通”という言葉は人の心を傷つけるだけ」となだめ、
「日々の小さな行いがその人の人格を形成していくんだ」
と諭すシーンが印象的だったなー。
その言葉のおかげでケイトは少しずつ変わっていけたのだから。

何をやってもうまくいかないときって、
普通に生活している中であると思うし、
そんな中でも腐らずに小さなことから始めていく大切さが、
すごくよく伝わってくる。
まあ、実際、そうやって何かを始めるのが難しかったりするんだけどね。
めんどくさかったり、恥ずかしかったりで。
そこを行動に移せるケイトがうらやましいなと思う人はきっといるはず。

ヒューマンドラマとして面白いので、ぜひ観ていただきたい!

そして、こんな白人メインの映画の中に、
きちんと存在感出してるヘンリー・ゴールディング好きだなー。
まさに、アジア人の誉れ!
『クレイジー・リッチ』から大活躍ですね。

それにしても、夏のTUBE、冬の広瀬香美は過去のものとなりつつあるけど、
クリスマスのWham!だけは生涯現役だな(笑)

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