人間性の無駄遣いだった『テッド・バンディ』

2019年公開映画215本中88位。

「人間性の無駄遣い」。
そのたった一言のセリフがとても印象的な映画だった。

これはテッド・バンディという実在した連続殺人犯の話なのだけど、
最後まで本当に彼の犯行なのかどうかがわからなくなってしまうのが
面白いところである。

もちろん実際に起こったことだから、
彼が犯人であることは間違いないのだけど、
「殺人を犯すようには見えず」、
「本人は一貫して無実を主張し続け」、
そして、これが一番大きいのだけど、
「殺人やそれを匂わせるシーンが一切ない」から、
彼が本当に犯人なのかどうかの確証が持てず、
「あれ、これ冤罪の映画だっけ?」と思ってしまうほどなんだよね。

ある意味、見せ方が工夫されているとも言えるけど、
殺人犯の話だという事前情報だけを持っていると、
上記のように、ややわかりづらくなってしまうんだよね(笑)
(最後まで観ればわかるけど)

結局、テッド・バンディは裁判で有罪となるのだけど、
彼は頭が良く、自分で自分の弁護をできるほど優秀だったから、
裁判長が
「君が弁護士として法廷に立つ姿を見たかった。人間性の無駄遣いだよ」
と言っていたのはすごく心に残りました。

殺人犯といってもグロいシーンはほとんどないし、
彼が有罪になるまでの過程はとても興味深くて、
スクリーンに釘付けになるねー。

過去にもテッド・バンディを扱った作品はいくつかあるようなので、
興味がある人は観てもいいかも!

それにしても、ザック・エフロン、いい役者さんになったよね。
若い頃は「ザッ君」なんて呼ばれて、
日本でもアイドルのような扱いだったけど、
今は渋さも出てきていい感じになってる。

あと、ハーレイ・ジョエル・オスメント、
あの子役がデブヒゲのおっさん役だったのがウケる(笑)
ゆーても31歳か、もう。

しかし、本編では語られていないけど、
ウィキペディアで調べたらこのテッド・バンディって男、
マジでやべーやつだった。。。

殺した女性は判明しているだけで30名。
被害者は15歳から25歳までの女性で、
中には殺した後も死体を綺麗にして、
完全に腐敗しきるまで何度も屍姦したり、
切り取った首を自宅にコレクションしたりしていたとか。。。

しかも、彼はハンサムな上にカリスマ性もあるから、
被害者もすぐ騙されてしまうだけでなく、
公判中も多くの若い女性ファンがついてしまうというモテっぷり。
それに加えて頭もいいのだから、本当に人間性の無駄遣い感ハンパない。

なお、彼は現場に指紋などの証拠を一切残さないばかりか、
顔が無個性すぎるがゆえに、
ちょいと髪型や髭をいじるだけでまったく別人になれるため、
捜査もかなり難航したそうです。。。

恐ろしい。。。

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