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新旧キャスト勢ぞろいの構図とラストの締めくくり方が『ゴーストバスターズ』らしくてほっこりした『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:15/36
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:Ghostbusters: Frozen Empire
  製作年:2024年
  製作国:アメリカ
   配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
 上映時間:115分
 ジャンル:SF、コメディ
元ネタなど:映画『ゴーストバスターズ』シリーズ(1984-)

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
太陽が降り注ぐ真夏のニューヨーク。謎の男によって街角のオカルト鑑定店へ持ち込まれた、先祖代々伝わるという骨董品。ゴースト退治のプロである”ゴーストバスターズ”として活動するスペングラー家は、ゴースト研究所の調査チームと協力し、その正体が全てを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト<ガラッカ>を封印する”ゴーストオーブ”であることを突き止める。

しかし、手下のゴーストたちの策略によってガラッカが封印から解き放たれてしまう。氷のパワーでニューヨーク中を襲うガラッカ。人々が海水浴を楽しむビーチにも、突如として巨大な氷柱が大量出現!悲鳴を上げながら逃げ惑う人々をよそにその勢いはとどまらず、ニューヨークの街は氷河期さながらの氷の世界に―。

果たして、ガラッカの真の目的とは何なのか。謎の男とは一体何者なのか。そして、ゴーストバスターズはゴーストたちに奪われた夏を取り戻し、ニューヨーク、そして世界を救うことができるのか――。

【感想】

ゴーストバスターズ』シリーズ第5作目。2016年のリブート版とは今のところ繋がりがないため、正確にはこれが『ゴーストバスターズ4』って感じですね!シリーズのよさであるほどよいゆるさと、最強のゴースト「デス・チル」との戦いのガチ感の組み合わせがいいバランスでした。

<面白さで言えば前作の方がよかったかも>

今回の映画、総じて面白くはあったんですけど、個人的には前作の方が好きでしたねー。理由は3つあります。まず、前作は『ゴーストバスターズ2』(1989)から33年ぶりの正当な続編だったこと。次に、かつてのキャストが勢ぞろいする懐かしさと感慨深さがあったこと。そして何より、初代ゴーストバスターズのひとりであるイゴン・スペングラー博士を演じたハロルド・ライミスを、CGではあるものの感動的な形で蘇らせたこと(本人は2014年に病死)。そのスペングラー博士の孫を主人公にして、シリーズ1作目である『ゴーストバスターズ』の流れを踏襲したストーリーは、シリーズをずっと追ってきた身としてとても満足できる内容でした。なので、ちょっとズルいと言いますか、サプライズ的な要素が強すぎたってのありますね。

<シリーズの持ち味を生かした作りは好印象>

で、今回の映画なんですけど、上記のネタはすでに既出なので、前作で感じた懐かしさや感慨深さといった「下駄」がない分、グッとくるものがなかったのは事実です。さらに、前作ではスペングラー一家がバラバラの状態から団結していく流れがありましたけど、今回はそういうのもなく、ただ最強のゴーストを倒すだけだったので、ちょっとあっさりしている印象はありました。

とはいえ、ほどよくゆるっとしたコメディを軸にしつつ、デス・チルの存在がガチというかおふざけのないシリアスな感じで、最後の戦いがガッツリやり合っていたのは見どころです。そういえば、80年代のときはホラーコメディって感じでしたが、前作からはホラーの要素がなくなり、完全にSF寄りになりましたね。しかも、今回も旧作のメインキャストが全員出ているだけでなく、1作目で環境保護局局長だったウォルター・ペック(ウィリアム・アザートン)がついに市長へと出世して登場します。また、同じく1作目の冒頭で図書館員を演じたジョン・ロスマンも同じ役で再び出演しているのはシリーズのファンとしてはうれしいところです。このように、新作映画でありながらも、80年代のよさをきちんと残しているのがこの映画のいいところです。往年のファンを大切にして、作品に対する愛とリスペクトを感じますね。小さいマシュマロマンたちも相変わらずかわいいですし。

<ポスターはあれでいいのか(笑)>

今作のポスターには新旧キャストが描かれていて豪華な感じなんですが、センターがゲイリー(ポール・ラッド)なのはちょっと気になります。いや、この映画って前作もそうですけど、主人公はフィービー(マッケナ・グレイス)なんですよ。彼女がメインで話が進んでいくので、本来ならば彼女がセンターに来るべきだと思うんですよね~。ゲイリーは保護者的なポジションでフィービーをサポートする役目ですし、今回はそこまで大した活躍もないので、センターにいるのは果たして正しいのかなと。。。(笑)

<何十年かぶりに続編を作るなら早い方がよいのでは>

最近はハリウッド映画も70年代~90年代の人気シリーズの続編を作ることが増えてきましたね。そこで、当時のオリジナルキャストと新キャストによる新旧勢ぞろいっていうのは、ある意味パターン化しているとは言えますけど、人気シリーズとして長く続いてきたからこそ成せる業ですし、やっぱりファンとしてはそこに懐かしさと感慨深さを感じるのでうれしいですよ。直近では『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)もそうでしたよね。今回の映画に関しては、ビル・マーレイたちが自分の親より少し上ぐらいの年代なんですが、年齢的にはけっこういい歳ですよねー。なので、このシリーズに限らず、今後も昔の映画の続編を作るとするなら早い方がいいのかなと思います。不謹慎で恐縮ですが、キャストが亡くなっちゃうかもしれないので。。。

<そんなわけで>

幽霊は出てくるけど怖さはまったくなく、ゆるめのSFコメディとして楽しめる作品です。おなじみのテーマソングも聴くだけでテンション上がりますし、今後も作られ続けるならぜひ観たいです!ちなみに、過去作は観ておいた方がより楽しめると思うので、各配信サービスで事前に観ておくことをオススメしますー。


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