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"ゾンビ×マッド・マックス"な『新 感染半島 ファイナル・ステージ』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:1/1👑
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】

アクション
サバイバル
ゾンビ
銃撃戦
カーチェイス
マッド・マックス

【あらすじ】

韓国をたった1日で壊滅させた感染爆発が起きてから4年。家族を守れなかった元軍人のジョンソク(カン・ドンウォン)は、亡命先の香港で廃人のような暮らしを送っていた。

そんな彼のもとに、ロックダウンされたソウルに戻り、大金を積んだトラックを見つけ、3日以内に帰還するという仕事が舞い込む。

潜入に成功したジョンソクだったが、彼のチームを待っていたのは、さらに増殖した感染者たちと、この世の地獄を楽しむ狂気の民兵集団631部隊。

両者に追い詰められたジョンソクを助けてくれたのは、ミンジョン(イ・ジョンヒョン)と2人の娘の家族だった。

大金を奪えばこの国を出られるという最後の希望にかけて、手を結ぶことにした彼らの行く末は……。

【感想】

あけましておめでとうございます。元旦だからといって油断はしません。今日も今日とて映画館に足を運び、2021年一発目の映画を堪能してきました。

本作は日本でも話題になった『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)の続編となります。が、話のつながりはほぼなく、「感染爆発があった」という設定だけしか引き継いでいないので、前作を観ていなくても問題ありません。

総じて面白かったんですけど、個人的には、前作の方が圧倒的によかったと思いました。前作は、新幹線という限られた空間内で増殖するゾンビの恐怖だけでなく、醜い人間同士の争いや、愛する者を守るために戦う人たちの人間ドラマがあって、スリルと涙の両方を存分に味わえる秀逸な作品でした。ゾンビ映画なのにね。まさか泣くなんて思わなくて。。。それだけで、もう評価爆上がりですよ。

一方、今作は完全にアクション寄りになっています。タイトルにも書いた通り、まさに“ゾンビ × マッド・マックス”といった感じで、前作とは作風がまるっきり異なります。

激しい銃撃戦や大迫力のカーチェイス、大量のゾンビをボーリングのピンのように車で跳ね飛ばしていくシーンは、目を見張るほどの映像クオリティでした。まるでハリウッド映画を観ているかのようで、「韓国映画もついにここまできたのか。。。」と圧倒させられました。

しかし、、、

ややCG感が強くなっているように見えたので、ちょっと作り物感が出ちゃっている印象を受けたのと、よくも悪くもゾンビと戦うためにドンパチするだけの話になっているため、前作の秀逸さからくる期待感を踏まえると、ちょっと残念というか物足りない感じはありましたね。

登場人物に関してもそうで、前作の方が「極限状態に陥ったときの人間の本音」が垣間見れて見ごたえがあったんですが、今回の映画だとゾンビがいることが当たり前になった世界でのサバイバルになっているので、そこまで深い人間ドラマみたいなのが感じられなかったんですよね。

なんか、『バトル・ロワイアル』に衝撃を受けて、『バトル・ロワイアルⅡ』を観たら、「あれ?」って思った感覚と似ているかもしれません(あそこまでひどくはありませんがw)。

とはいえ、敵対するのってゾンビもそうなんですが、人間同士で争いが起こるのも前作と変わらない部分でもありました。それは、人間に「欲」があるから起こることだと思うので、ゾンビという極限状態を通じて人間の欲を表出させるっていう点においては、一貫したスタイルなのかなとも思います。

とにかく、映像自体はものすごいので、そういう意味では、“観る”という選択をするのであれば、間違いなく映画館の方がこの映画の魅力を最大限に味わえるでしょう。なので、観るなら映画館で!

ちなみに、前作と今作をつなぐ『新感染半島 ファイナル・ステージ アナザーストーリー』がピッコマで配信されているので、興味があれば読んでみてはいかがでしょう。


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