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意外な日本人キャストも端役に出ている奇妙な雰囲気のミュージカル映画『アネット』(ネタバレあり)

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:43/55
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】

ミュージカル
ヒューマンドラマ

【原作・過去作、元になった出来事】

なし

【あらすじ】

舞台はロサンゼルス。攻撃的なユーモアセンスをもったスタンダップ・コメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)と、国際的に有名なオペラ歌手のアン(マリオン・コティヤール)。“美女と野人”とはやされるほどにかけ離れた2人が恋に落ち、やがて世間から注目されるようになる。

だが、2人の間にミステリアスで非凡な才能をもったアネットが生まれたことで、彼らの人生は狂い始める。

【感想】

かなり独特な世界観でした。ミュージカル映画ではありますけど、『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)や『イン・ザ・ハイツ』(2021)を期待すると、だいぶ違います。ああいう、街中で大勢の人が急に陽気な音楽に合わせて歌って踊るっていう感じではなかったので。オープニングはそれらしい雰囲気がしたのでちょっと期待したんですけどね。。。ちなみに、フランス・ドイツ・ベルギー・日本・メキシコの合作ってことで、かなり入り乱れてます(笑)

<本作の主軸となる2つのポイント>※ネタバレがあります

先にも書きましたが、けっこう奇妙な雰囲気なので、世界観に関しては好みが分かれそうな気がします。この映画の主軸となるのは、ヘンリーの狂気とアネットの存在の2つだと思いました。コメディアンとしてトップにまで登りつめたヘンリーが、だんだん人気なくなってきて、そんなときに娘のアネットの歌の才能に気づき、そこにまた人生の意義を見出すってのが大まかな流れです。これ言わないと書きづらいのでネタバレしちゃいますが、妻となったアンは事故で亡くなってしまうんですよね。アネットの歌の才能は彼女から引き継がれているんですけど、ヘンリーからしたら、その歌の才能を通じて、妻と娘の両方を感じ取っていたのかなと。いや、もしかしたら妻しか見えていなかった気さえします。

その理由は、アネットの表現方法にあります。彼女、パペットなんですよ。「子供が生まれたらパペットでした」みたいなファンタジー設定ではなく、どうやら監督の要望に応えられる生身の子役がいなかったからパペットにしたってことらしいんです。この制作背景を知らないと「???」ってなりますよね。ただ、そうは言ってもラストは人間のアネットが出てきてるんですよ。ヘンリーの視点から見たアネットの存在価値が変わったってことですかね?妻の亡霊のようにしか捉えていなかったからパペットの形をしていたものの、最後はちゃんとアネットを人として見たとか。劇中で明確なことは言われていないので憶測の域を出ませんが。

<わからなかった笑いのツボ>

ヘンリーはコメディアンなんですけど、彼のセンスが全然わからないんですよ。笑いのツボが外人と違うからなのか、劇中で行われる彼のパフォーマンス、どこが笑うポイントなのかまったく伝わってこずでして。だから、彼がコメディアンとして確固たる地位を築いているってところに気持ちがついていかなかったのは事実です。だから、そもそもヘンリーというキャラクターにあまり感情移入できなかったのかもしれません。

<まさかの日本人キャスト>

本編を観ていると、「あれ、どこかで見たことある顔が……」って思ったので、改めて注視してみると、まさかの古館寛治と水原希子。特にセリフがあるわけじゃないんですが、日本のドラマや映画を観ている身からしたら、ハッとする瞬間でした。

<そんなわけで>

歌自体は素晴らしかったんですけどね~、設定についていけないところもあったので、個人的にはハマれずでした。ただ、この世界観にドハマりしている人もいるので、これは実際に観ないと何とも言えません(笑)


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