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男としてファイターとして戦い続けるロッキーを生み出したシルヴェスター・スタローンのすごさに改めて打ちのめされた『ロッキーVSドラゴ ROCKY IV』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:18/122
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:Rocky IV: Rocky Vs. Drago
  製作年:2021年
  製作国:アメリカ
   配給:カルチャヴィル、ガイエ
 上映時間:94分
 ジャンル:ヒューマンドラマ、スポーツ
元ネタなど:映画『ロッキー』シリーズ(1976-)

【あらすじ】

王者アポロ・クリード(カール・ウェザース)との戦いを制し、チャンピオンとなったロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)。彼の前に、ソ連から“殺人マシーン”イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)が現れる。

ドラゴとの激戦によって、ライバルであり親友のアポロを失ったロッキーは、対ドラゴ戦のため、ソ連へ乗り込むが……。

【感想】

ロッキー』シリーズ第4作目。シリーズで最大のヒットを出した4作目を再構築して生まれ変わったのが本作です。僕の身のまわりにも映画好きはいるんですが、なかなか『ロッキー』シリーズまで語れる人はそうはいないんですよね。。。ちょっと寂しいですが。。。まあ世代じゃないってのいうのが大きいんですけど(笑)でもですよ、これはボクシング映画の金字塔であり、『トップガン』シリーズのトム・クルーズと同じぐらい、どうすれば観客が楽しんでくれるか、どう撮れば自分がかっこよく映るか、シルヴェスター・スタローンがわかっているシリーズだと思うので、ぜひオススメしまくりたいです。

<シリーズを軽くおさらい>

ちょっと感想とは逸れちゃうんですけど、せっかくなので『4』までの作品について、一言ずつ触れてみたいと思います。
第1作目の『ロッキー』(1976)で、ゴロツキまがいだったロッキーがヘビー級チャンピオンのアポロ・クリードと対戦し、彼をギリギリまで追い詰める偉業を成し遂げます。これはロッキーと、そして恋人のエイドリアンが共に自分の殻を破る成長物語ですね。

ロッキー2』(1979)で、そのアポロとリターンマッチをします。死闘の行方は本編を観ていただくとして、そのラストシーンがメチャクチャ泣けました。

ロッキー3』(1982)で、ロッキーは大切な恩師を亡くし、失意のどん底に陥りますが、新たな敵と戦うために、なんとかつて死闘を繰り広げたアポロと手を組みます。この週刊少年ジャンプみたいな展開がアツいんですよ!

そして、今回の元になった『ロッキー4/炎の友情』(1986)です。親友アポロを倒したドラゴと戦うべく、引退した身であるにも関わらず、再び戦いに身を投じるロッキーの運命やいかに!?

なお、シリーズとしては『ロッキー5/最後のドラマ』(1990)、『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)もあり、その後にアポロの子供クリードを主人公にしたスピンオフ作品、『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)と『クリード 炎の宿敵』(2018)も公開されており、さらに続編の噂も。

<尺はほぼ同じなのにドラマ性が増した構成>

さて、ようやく本題なんですが、今回の映画、個人的にすごくよかったです!先にも書きましたが、もともとは1985年に公開された映画です。シリーズで最大のヒットを出したけど、監督・脚本・主演を務めたシルヴェスター・スタローンは、長い間、自分が理想とする作品にしたいと思っていたらしく。未使用シーンや音声トラックなど、何白時間もかけて徹底的に見直し、新たに生まれ変わったのが本作です。

オリジナル版は尺も91分と短めで、それまで公開されていたシリーズの中では一番短かったんですよ。その分観やすくはあったんですが、ストーリーやキャラクターがあっさりしていた印象を受けました。ちなみに、本来は『ロッキー3』で完結する予定だったみたいです。そのためか、『ロッキー3』はいろいろ区切りをつけるエピソードが見受けられます。

今回の映画、強いて言うならば"ディレクターズ・カット"とも言うべきでしょうか。でも、けっこう構成が変わってるんで、それよりは新作寄りな感じもします。不要な箇所を削り、当時撮ったけど使われなかったシーンに差し替え、よりストーリーやキャラクターに深みが出ていました。なぜアポロがドラゴと戦いたいと思ったのか、なぜロッキーも再び戦いに身を投じたのか、もっと自然でわかりやすい形になっていましたね。そこには、人々に忘れられたくないという承認欲求や、ファイターとしてやらなければならないときがあるという覚悟があったからです。それらの要素を加えても尺が94分!オリジナル版と3分しか違わないんですよ。闇雲に尺を伸ばさずに中身をさらにブラッシュアップされていたのも好感度高いですね。

<圧巻のファイトシーン>

実は僕、『ロッキー』シリーズそのものを映画館で観たことがなかったんですよ。この映画のおかげでようやくそのチャンスにありつけたわけですが、映画館で観て初めて知りました。ボクシングの試合のシーンがメチャクチャかっこいいことに。臨場感と迫力にまみれたパンチの応酬に圧倒されちゃって。家で観たときもすごいなとは思っていましたが、映画館で観て本当にすごいシーンだと思いました。CGも特撮も一切なしのガチンコバトル。これ、過去作も映画館で観たらすごいんでしょうね。このシリーズを70年代から続けてるシルヴェスター・スタローンを改めて尊敬します。

<そんなわけで>

ロッキー』シリーズのファンは絶対観るべきです。オリジナル版を超える感動と興奮が再びスクリーンに蘇りますから!!過去作を観てない人にはちょっとわからないかもしれませんが、ロッキーとドラゴの戦いの凄まじさは伝わると思うので、ガチンコバトルを観たい人はぜひ!なお、過去作についてはアマプラで全シリーズ観れるので、これを機に触れてみて欲しいですね。どうせなら、全シリーズ映画館で観たいな~。


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