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もはや推理モノではなくヒューマンドラマに寄ってた『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:73/87
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【ジャンル】

ミステリー
ヒューマンドラマ

【元になった出来事や原作・過去作など】

・小説
 アーサー・コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』(1901)

・映画
 『バスカヴィル家の犬』(1959)

・テレビドラマ
 『シャーロック アントールドストーリーズ』(2019)

【あらすじ】

真相を探るため、ある閉ざされた島に降り立つ獅子雄(ディーン・フジオカ)と若宮。2人を待ち受けていたのは、異様な佇まいの洋館と、犬の遠吠え。容疑者は、奇妙で華麗な一族の面々と、うそを重ねる怪しき関係者たち。

やがて島に伝わる呪いが囁かれると、新たな事件が連鎖し、1人、また1人と消えてゆく。底なし沼のような罠におちいる若宮。謎解きを後悔する獅子雄。これは開けてはいけない“パンドラの箱”だったのか?その屋敷に、足を踏み入れてはいけない―― 。

終わらない謎へ、ようこそ。

【感想】

原作小説は未読ですが、2019年のテレビドラマはリアルタイムで観ていたので、今回の映画も鑑賞させていただきました。可もなく不可もなくというのが正直なところです(笑)

<この映画が初見でも問題なし>

テレビドラマの映画化っていうと、そもそもテレビドラマを観ていないと楽しめないんじゃないかって懸念がありますよね。僕の場合はテレビドラマ版を観ていたからよかったですけど、安心してください。結論、今回の映画はこれが初めてでもまったく問題ありません。話は全然リンクしていませんし、過去の事件について言及するシーンもないですから。まあ、登場人物に対する愛着みたいなのは、テレビドラマ版を観ている分、初見の人よりはあるとは思いますけど。どうせなら、もうちょっと過去の要素を入れてもよかったんじゃないかなとは思います。クスッと笑えるレベルの。

<ミステリーよりもヒューマンドラマ>

この映画、いわゆる探偵モノ・推理モノなので、ジャンルとしてはミステリーやサスペンスに該当すると思うんですけど、その色は薄かったように感じられます。というのも、テレビドラマ版もそうでしたが、特にトリックらしいトリックもなく、推理というよりは獅子雄がほぼ勘を言ったら当たってしまったという、客観的な根拠に乏しい感じなんですよね。まあ、小難しい要素がない分、観やすいってのはありますけど。また、犯人側の事情が複雑で、犯行の動機を含めてかなりヒューマンドラマに寄った作りでした。まあ、最後に犯人自らの口から経緯が語られないと何もわからないので、そういう意味では後付けでどうとでもなる印象はあるんですけどね(笑)

<変わってきてる推理モノ>

本作に限らず、最近の推理モノって一昔前とはだいぶ変わってきてるって感じませんか?『金田一少年の事件簿』なんかはトリック全開なイメージですけど、『名探偵コナン』なんかは劇場版はもはやアクション映画ですし。日本のテレビドラマでも小難しい推理はほぼなく、設定がコミカルになっていたり、あとは犯人の動機のヒューマンドラマっぷりに感動するという、もはや推理モノというジャンルから一歩外に出た気さえします。もう昔からあるジャンルですしね、手を変え品を変えってやってきた結果、そういうのに行き着いたっていうことなんだと思います。

<気になるところ>

ネタバレはできないので、詳しくは書きませんが、今回の映画でちょっと気になるところがありまして、、、それはやっぱりラストなんですよね。ストーリー的にも、オチ的にも、「それありかいな」っていう。あと、小泉孝太郎の意味。。。もうちょっと活躍させてもよかったのでは。。。(笑)

<そんなわけで>

ガチガチの推理モノを期待していくと面食らうかもしれません。むしろ、ヒューマンドラマを観たい人の方が向いてる気がします。あとは、常にクールな獅子雄と、彼に翻弄される若宮のコンビの活躍を大きなスクリーンで観たいファンにはうれしい作品かと。どうせなら、テレビドラマが終わってあまり時間が経たないうちに公開して欲しかったですね。だいぶ時間が経ってるんで、人間関係やら人物像やらがうろ覚えでした(笑)


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