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親の存在意義について考えさせられる笑いと涙のファミリー映画『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:72/272
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】

フルCGアニメーション
ファミリー
赤ちゃん
子育て

【元になった出来事や原作・過去作など】

・絵本
 マーラ・フレイジー『あかちゃん社長がやってきた』(2010)

・映画
 『ボス・ベイビー』(2017)

【あらすじ】

ボス・ベイビーが、兄ティムと共に繰り広げた<赤ちゃんvs子犬>の死闘から25年―。大人になったボス・ベイビーは、世界中を飛び回るエリートビジネスマンとして大成功。一方ティムは、タビサとティナという娘を持つ幸せな専業主夫に。成長した兄弟2人はすっかり疎遠になっていた。

そんなある日、ベイビー社にある情報が入る。長女タビサが通う学校の校長アームストロング博士が、世界征服を企んでいるというのだ。世界を救うためには〈ボス・ベイビー〉の協力が不可欠と、彼らの元に〈ボス・レディ〉が派遣されるが、なんとそれはティムの次女ティナだった!

ボス・ベイビーとティムはスーパーミルクで赤ちゃん返りし、再びチームを組み、学校への潜入捜査に向かう。

果たして2人は、史上最大のミッションをクリアし、世界と家族を救うことができるのか!?

【感想】

おっさんなのに赤ちゃんのあの人が再びスクリーンにやって来ました!今回は家族愛というか、"親"の存在がひとつのテーマになっていて、子持ちの親御さんは観てもいいなあって思える内容でしたね~。

<焦点は兄弟よりも親子関係>

前作は、突然家にやって来たボス・ベイビーとティムのすったもんだの話でしたね。様々なトラブルに見舞われ、時に対立しながらも、最後はお互いに兄弟愛が芽生える感動作でした。この前復習のために観て、また涙が出ましたよ(笑)

あれから25年。ボス・ベイビーもティムいい大人になり、ティムに至っては2人の娘の父親になっています。ところが、年頃の長女タビサは、昔のようにパパに甘えなくなり、ティムはちょっぴり複雑な気持ち。子供の成長は親としてうれしいだろうけど、だんだんと自立していってしまうのは、やはり寂しさも感じるんでしょうね(僕はまだ未経験ですが(笑))。子供が子供でいる時間というのは思ったよりも短いようで、その限られた時間の中でどう接していくのか、いろいろ考える人も多そうな設定です。

そこで夢があるなあと思ったのが、赤ちゃん返りという設定ですよ。ティムはタビサと同じぐらいの年齢まで戻るんですが、潜入捜査のために、タビサのクラスメイトを演じます。そこで彼女の本心を知り、サポートしていくことになるのですが、ファンタジーながらも親と子のひとつの理想的な接し方だと思いました。どういう親子関係がいいかは、各家庭の方針があると思うので、正解なんかはないと思いますけど、個人的にはこういう仲のいい友達のような関係性には憧れがあります。

<両親不要論の是非>

今回の敵はアームストロング博士。今回初登場ですね。彼の目的は両親を失くすことです。彼はあることがきっかけで、あれこれ命令する親なんていらないという考えに至ります。これが、この映画のひとつのテーマで、「親は必要なのかどうか」ってことなんですよ。確かに優秀さでいったら親を超える子供なんて、世の中にはたくさんいると思うんですよね。結局、親が子供よりも勝っているのは、多く歳を取っている分、少し先に人生を歩んでいる分、いろんな経験値があることぐらい。とはいえ、この世のすべてを知っているわけではないですし、中には子供の方が詳しい分野もあるでしょう。だから、親という理由だけで、すべてが正しいわけではないと思います。それなのにあれこれ偉そうに言われたら、嫌になってしまう気持ちもわからなくはないんですよね。

でも、親が親であるがゆえに提供できるものがひとつだけあります。それが"無償の愛"。子供にとってそれは何よりも必要なものであり、それを与えられる親は決していらない存在じゃないよねっていうのが、この映画のメッセージなのかなあと思いました。あくまでも、この映画の中での話ですからね?そりゃ毒親みたいなのもいますし、親じゃなくても無償の愛を与えられる人はいるでしょうから。

<前作以上の過激アクション>

ストーリーとしては、そういう心温まる感じではあるんですが、アクションは前作以上のド派手さです。むしろ、メチャクチャすぎてついていけないぐらいのしっちゃかめっちゃかでした(笑)前半のカーアクション(?)や、
忍者ベイビーたちによるキュートながらも致死率抜群の攻撃は、なかなかに興奮できるところです。

<ストーリーは少しとっ散らかってる印象も>

今回は、ティムとタビサの親子関係の在り方と、アームストロング博士の野望を阻止するという2軸で話が進んでいきます。個人的には、そこがちょっと情報量が多いかなと感じる部分でもありました。そういう意味では、前作の方が話がスッキリしていてわかりやうしかもしれません。

<その他>

ハートフルな内容に加えて、過激なアクションや笑えるギャグもあり、さらに前作を観ていると涙したりもするので、総じて家族そろって楽しめる映画だと思います。個人的には、大人のティムの声は、前作と同じトビー・マグワイヤがよかったんですけど、今回はジェームズ・マースデンが演じています(どちらもマーベル作品にゆかりがありますね!)。


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