かつてピノッキオを演じたロベルト・ベニーニが今度はジェペットじいさんを演じているのが感慨深い『ほんとうのピノッキオ』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:123/235
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆
【要素】
ヒューマンドラマ
児童文学
童話
ピノッキオ
【元になった出来事や原作・過去作など】
・児童文学
カルロ・コッローディ『ピノッキオの冒険』(1883)
【あらすじ】
貧しい木工職人のジェペットじいさん(ロベルト・ベニーニ)が丸太から作った人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始めた。ピノッキオ(フェデリコ・エラピ)と名付けられたやんちゃな人形は、ジェペットのもとを飛び出して、森の奥深くへと誘われる。
道中、ターコイズ・ブルーの髪を持つ心優しき要請の言いつけにも、おしゃべりコオロギの忠告にもまったく耳を貸さない。
なおも命からがらの冒険を繰り広げるピノッキオは、果たして「人間の子どもになりたい」という願いを叶えられるのだろうか……。
【感想】
日本でも有名なキャラクター、ピノッキオ(ピノキオ)。僕も小さい頃にディズニー版を何度も観ました。大人になってから観るとまたいろんな発見があって面白いです。
<邦題と予告はちょっと、、、>
映画自体は決して悪くないんですが、正直言って、邦題と予告に詐欺感があったのは否めませんね。。。キャラクターの見た目が怖いし、「美しくも残酷な」とかって言うから、てっきり『本当は恐ろしいグリム童話』みたいな内容を想像してたんですよ。「ピノッキオはジェペットじいさんに恨みを抱き、最後は彼を殺して操り人形にしてしまいました……」みたいな。
でも、怖いところなんて一切なくて。もうね、普通の『ピノッキオ』ですよ。確かに、キャラクターデザインがリアル寄りなので、そこが気味悪いってのはありますけど、お話自体はディズニー版と大きくは変わらないです。小さい子が観るにはちょっとショッキングなシーンがあるかなってぐらいですかね。邦題も、何に対して「ほんとうの」って言ってるのかわかりませんが、、、ディズニー版に対してなのかな。。。
<2002年にも実写映画化されている>
この映画は2019年の映画(日本では2021年11月5日(金)に公開)ですけど、2002年にも実写映画化されているんですよね。今作もそれと内容はほぼ同じで、あくまでも原作である『ピノッキオの冒険』(1883)を元にしています。まあ、2002年版の方がもう少し陽気な世界観で、ピノッキオがやかましすぎるっていう違いはあるんですが(笑)
とはいえ、今も昔もシーンの移り変わりが多いせいか、ストーリー自体はけっこう淡々と進んで行くんですよね。なので、ディズニー版に慣れていると、その抑揚のなさにちょっと退屈に感じてしまうかもしれませんね。ディズニー版はやっぱり歌があるんで、それがいいスパイスになってたりもしますから。
ちなみに、2002年版でピノッキオを演じたのがロベルト・ベニーニなんですが、今作では彼がジェペットじいさんやってるっていうのがね、ものすごい感慨深くて。同じ映画で子供と親の両方を演じる人なんて、そうそういないでしょうから。
<教訓が最もわかりやすい物語>
大人になって久しぶりにピノキオの話を観て思ったんですけど、これメチャクチャ教訓のオンパレードですよね。小さい頃はまったく気にしていませんでしたが。けっこうピノキオって悪ガキなんですよ。約束は守らないし、ウソはつくし。あれだけやめとけって言われても人の話全然聞かないし。でも、そうやって悪いことをしたら、必ず自分に返ってくるっていうのが明確なんですよ。しかも、その後で心を入れ替えて徳を積めば、必ずいいこともあるっていう、人生には挽回できるチャンスがあるということも描いているのがいいなって。ジェペットじいさんを始め、妖精、コオロギ(ジミニー・クリケット)がみんなでピノキオを正そうとする、ある意味教育的な側面もあるなって、今さらながら感じます。子供ができたら見せたい映画ですね。見せるとしたらディズニー版のアニメおよび実写版だけど(笑)
<その他>
それにしても、この映画のピノッキオ、CGじゃなくて特殊メイクらしいんですよね。だからあんなに生々しい人形だったんだなって。撮影当時8歳の子役が、3ヶ月の撮影期間中、毎日4時間かけてそのメイクを施したらしいんだけど、、、そのプロ意識がすごい。。。
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