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人生の一コマ 第29話

今回は婚姻を必要とする先祖と私と子孫を書いてみた。


今日は亡き夫の誕生日だ。

そして

今日は 実家の 曾祖父の命日でもある。

なんと すごい偶然なのだ

私の曾祖父が この世からあの世に帰った日に

夫はあの世から この世にやって来たのだ。

(こんなに凄い偶然があるのに両家の親同士は仲が悪い。)


夫との縁は両家の先祖も一役かっている出来事がある。


私は 夫と お見合いをした日、

夫の祖父がお見合い相手に会いたいと言っている事を聞いた。

夫の祖父は近くの病院に入院していて容体が思わしくないと言う。

私は話の流れに身を任せる事にし 夫と二人でお見舞いに行く事にした。

私たちが病室に入ると 夫の祖父は 孫に(夫)

『OO (夫の名前) 嫁決まって良かったな。』と

か弱い声で言った。


お見合いの帰り道で まだ 結婚を承諾しあった訳では無いし

お互いお付き合いするかどうかの 意思の確認もしていなかった。


しかし 夫の祖父は 意識が薄れている中だからこそ

孫の未来を感じていたのだ。

       夫の祖父は 数日後 他界された。


    

      私の実家の先祖が この婚姻を

どう受け止めていたかを知る 出来事がある。

夫が生きてくれていた頃の話だ。

私は年に2回 、 お盆と お正月に 1泊2日の帰省を夫の両親から許されていた。

結婚生活も7年目を迎えた頃のお盆に帰省した時に

私は仏壇に手を合わせ ご先祖様に般若心経を唱えていた。

すると 電話(家の固定電話)が鳴った。

私は電話に出る事にした。すると 母方の叔母からの電話だった。

母は外出している事を伝えると

母に用事があって 電話して来た訳では無く

私に伝えたい事があるから電話しているのだと言うのだ。

叔母が私が帰省している事を知っているはずはないのだ。

なぜなら 母と叔母は子供の頃からそりが合わず 犬猿の仲なので交流は無かった。

私は不思議な事もあるものだと思いながらも

叔母に「私に何を伝えたいのですか」と聞いてみた。

すると 叔母の口調が変わったように感じた。

叔母が話しているが 話してる主は今 私がお仏壇に手を合わせていた

先祖の曽祖母からみた内容なのだ。

「これ以上 OOを(私の名前)いじめたら 容赦しない。」

(この頃の私は夫の両親からのさまざまな不快な行動に悩まされていた。)

この声の感じが私の祖母にそっくりなのだ 

しかし 祖母はこの頃 まだ元気だったので

祖母が叔母の体を借りる事はない

いつでも電話で話す事は出来たからだ。

曽祖母は 私が6歳頃まで一緒に暮らしていたので

私をよく知っている。

私は曽祖母が好きだった。

叔母が話す 口調が 曽祖母が話しているようなのだ。

叔母は何度も何度も

「これ以上 OOを(私の名前)いじめたら 容赦しない。」と

繰り返すので

私は 「どうしたら 話を終える事ができるのだろうか」と 思った。

その時 なぜか 仏壇が気になった。

やはり 「曽祖母からなのだ。」 そう感じた。

私は 叔母を曽祖母だと思って話しかける事にした。

「おばあちゃん 私は大丈夫だから心配しなくていいよ。」と

電話口の叔母に話した。

すると 叔母は 「OOちゃん(私)が大丈夫なら 良いんだが わしは心配だよ。」

私はこの言葉を聞いて

曽祖母は生前 自分のこと 『わし』 と 言っていた事を思い出した。

私は 叔母の声を借りて あの世の曽祖母と話しをしているのだ。

曽祖母は他にも いつも私を見ていた事を

うかがわせる出来事を叔母の声を借りて話してくれた。

私も 子供の頃 金縛りにあいながら 曽祖母の気配を感じていた事を思い出した。

しばらく懐かしい曽祖母の優しさに包まれていたが

私は 中継ぎをしてくれている 叔母に負担がかかってもいけないと気づき

曽祖母と話を終える事にした。

すると 叔母は 自分の声に戻っていた。

私は叔母に 「しっかりと 伝わったので ありがとうございます。」と言った。

叔母は 「それは 良かったね」 と 優しく言ってくれた。

不思議な形で先祖の思いを知った私は


受話器を置き 再び 仏壇に 手を合わせ

『こんなに大切に思ってもらえていた事を知っただけでも幸せ者です。

そして 今までは 一人で辛抱して辛かったけれど

これからは ご先祖さんがいつも一緒にいてくれると

分かったので心強いです。ありがとうございます。』と

思いを伝えた。

そして 私は しばらく涙が止まらなかった。


     私は 日常に戻ってから 先祖供養をしてくれるお寺さんを探し

両家の先祖供養をしてもらう事にした。

すると ある夜の 夢の中のことだが

大広間で 両家のご先祖様達が 大宴会をして

大笑いをしている様子を見た。

私は 寝ているのだが 嬉しくて 涙がながれた。


私は先祖代々として申し込んだのだが 夢の宴会場は はるか遠くまで広く

集まったご先祖様の数は数えきれないほどだった。

夢の世界のことだが 翌朝 目が覚めても 私はまだ大宴会が続いているのを感じていた。


(この大宴会の様子は一週間ぐらい続いていた。)


          時は 流れ

     この出来事から15年後

      我が子も成長し 人生の青写真を親子で 振り返っていた時の

      私と我が子の会話だ。


我が子

     「お母さんと  お父さんの子供として生まれるよう 上から見ていたんだよ。」

   私

          「お父さんとお母さんを選んでくれてありがとう。」

            











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