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【俳句】山桜 花散る 朧月 春驟雨

相続の手続き終えて山桜

昨年に父が亡くなった。
母に代わって少しずつその後の手続きを進めてきた。
役所関係の手続き、年金、公共料金の名義変更、等々。
最後に残った手続きが金融機関の変更。
それもようやく終わった。
遠くの山には、山桜。

花散るや清掃員のひとりごと

黙々と作業をする清掃員。
よく見ると、時々小さく口が動いている。
内容はわからないが、何かひとりごとを呟いている。
作業姿の隣で、桜が散っている。
あの花びらも、清掃員がきれいに掃除してくれる。

仕事場は丸の内なの朧月おぼろづき

丸の内で働いている。
そう言われると、田舎者は、ええとこで働いたはるなー、と思ってしまう。
それをあえて自分で話す女の子。
ちょっと強がって、鼻先がツンツンしている。
それはそれで可愛いものだ。
だから男はねー、と言われそうだけれど。
ほろ酔いで見上げた空に朧月。

この階の見渡す限り春驟雨しゅうう

突然に降り出した春のにわか雨。
もうすぐ上がるだろう。
見渡してみると、遠くまで雨雲は続いている。
まだもう少し降り続きそうだ。

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