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酔っ払いによるカスハラをなくす方法

最近、自治体や企業のカスハラ対策が話題になっている。
合わせて、カスハラの事例が、中には動画入りで紹介されたりしている。

警察が対応してくれれば手っ取り早いのだけれども、実際にはそうはいかない。
僕の経験で言うと、物を壊したり、手を出してくれると、器物破損や傷害で連れて行ってくれるが、ただいつまでもグダグタと同じことを繰り返したり、なかなか帰らなかったりするだけでは、お巡りさんも話は聞いてくれるが、最終的には「よく話し合って」と帰ってしまうことが多い。
こちらも、悪質なクレーマーと直接会う時には、できるだけ割れやすい器でお茶を出したり、時には手を出したくなるように軽く挑発したりもするが、敵もさるもの。
これ以上やると、警察に突き出されるという限界は心得ている。
だから、民事不介入などと言わずに、悪質なクレーム、カスハラには警察が対応できるようにするのがいちばん手っ取り早いとは思う。

さて、ここからは半分冗談、でも半分は本気の話。

カスハラでも夜、深夜のカスハラのほとんどは酔っ払いからのものだ。
タクシーやバス、電車、飲食業、コンビニ、弁当屋など。
そう言ったところで深夜に受けるカスハラのほとんどは、酒に酔った客からのものだ。
特にデータはないが、間違っていないと思う。
酒に酔って気が大きくなって、日頃の憂さを晴らしてしまう、気が大きくなって暴言を吐いてしまう、子供のようにいつまでも聞き分けが悪くなる、ついには手や足を出してしまう。
だから昼間は普通の勤め人としてい働いている人がほとんどだろう。
時々、大企業に勤める役員やサラリーマンが酔って事件を起こしたりする。
有名人がタクシーの車内で暴力を振るったりもする。

酒に酔ってしまった人に対して、「あなた、それはカスハラですよ」などと言っててみても始まらない。
毅然と対処すればいいのだが、その職について新しい人であったり、例えば女性のタクシードライバーだったりすると、実際には難しいこともある。
それに、タクシーなどでは、「降りてください」と言っても、真冬の人通りもないところに放り出すのも、さすがに気が引ける。
下ろした客に何かあれば、下手をすると罪に問われかねない。

対策はひとつしかない。
お酒を禁止することだ。

禁酒と言えば、アメリカの禁酒法を思い出す。
あれももともとは、アルコールが健康被害や治安悪化をもたらすとして制定されたものらしい(それだけではなく、また諸説あるのかもしれないけれど)。
とは言え、今の日本で、飲酒を法律で禁止することは、現実には難しい。

そこで、僕は考えた。
飲酒を免許制にするのだ。
二十歳になってお酒を飲みたい人は、しかるべき施設に行って、決められた時間、講義を受ける。
それによって、あなたは飲酒をしてもいいですよと免許証を交付される。
もちろん、お酒を買う時、飲む時には、これを提示しなくてはならない。
また、お酒を販売、提供する側にも、免許証の確認を義務付ける。
そして、お酒によるトラブルを起こした場合には、その内容によって減点、反則金、時には罰金が課される。
そして、減点された点数の累計によって、短期、中期、長期と禁酒期間を課す。
最終的には、免許取り消しもありうる。
つまり、車の免許と同じような制度だ。
だから、数年おきに更新も必要とする。
これによって酔っ払いによるカスハラの、かなりの割合は解決されると思うのだがどうだろうか。

合わせて、アルコールのCMの規制だ。
朝から晩まで、アルコールを飲みましょうとCMを流している国は、先進国では珍しいらしい。
あれを見ていると、今夜も飲みに行かないと日本人じゃないような気がしてくる。
せめて、時間帯の規制くらいはすぐに取り組むべきだと思うのだけれども。
やらないのは、アルコール業界との何かがあるのだろう。
煙草にはあれだけ厳しく取り組んできたこの国が、アルコールに対してはなぜかアンタッチャブルだ。
昔から「酒は百薬の長」などと言われてきたが、最近では、アルコールには量に関係なく害しかないとする専門家の意見もある。
本人に対してもそうだし、周りへの害も、煙草の副流煙などに劣らず、アルコールによる迷惑は大きい。
カスハラともなると、それを受けた人の人生さえも左右しかねない。

別に、僕自身が酒に恨みがあるわけでもない。
逆に、僕もお酒は大好きだ。
今は健康上の理由で普段はノンアル派だけれども、娘夫婦に会った時には解禁しているお酒は楽しみだ。

ただ、いわゆる現役時代には、酔っ払いによるカスハラに散々対応してきた者としての意見だ。
大げさに言うと、人生の何分の一かは、本来ならもっと有意義なことに使える時間を、酔っ払いのカスハラのために費やしてきた者としての、意見だ。

そこまで飲むなと言っても、気がついた時にはそこまで飲んでしまっているのがお酒だ。
はなから飲ませなければ、社会に百害あって一利なしのカスハラの、少なくとも酔っ払いのカスハラは無くせる。
それだけでも、夜に働く人には大きな安心感になる。
タクシードライバーだって増えるかも知れない。

飲酒免許証、無理かなあ。

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