『カフェ4分33秒』

そうだよな。
カフェってのはわかるよな。
日本人なら、喫茶店でいいじゃないかと思うんだが、まあ、時代の流れさ。
で、言いたいのはこれだろ、この「4分33秒」てのは何か。
これはだな、つまりこう言うことよ。

あんたが、一杯のコーヒーを何分で飲んでるかってことさ。
それが、平均すりゃ、この4分33秒ってことなのよ。
え、そんなことはないってのか。
じゃ、いいかい。
さあ、あんたがコーヒーをひと口飲んだとしよう。
もちろん、ホットだぜ。
アイスなんてのは、ガキの飲み物よ。
おっと失礼。
でだ、ひと口飲んでどうする。
その何十倍もの時間、おしゃべりしたり、本を読んだり、ぼうっとしたり。
で、忘れた頃に、またひと口だ。
どうだい、そうだろう。
あんたが、店に入って出て行くまでに、何十分、何時間かかろうったって、一杯のコーヒーを飲んでる時間は、たったの4分33秒なのさ。

別にそわそわしなくたっていいぜ。
あんたがやって来た時間なんて、誰も覚えちゃいねえよ。

（注）4分33秒は店主調べです。公式なデータではありません。また、この店主は、ジョン・ケージの遠い親戚と、何の関係もありません。