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こんにちは。本日は、前回の続きからいきたいと思います。ここでは、いくつかの自治体を紹介し、そのユニークな政策などをみていきたいと思います。

①流山市

千葉県流山市は、東京都心から北西へ直線距離で約25kmに位置し、人口は約18万6000人の街です。交通の利便性としては、2005年8月に開通した「つくばエクスプレス」があります。

そのおかげで、流山おおたかの森駅を中心に高層マンションや大規模商業施設が続々誕生しました。また、流山市は子育て支援と教育環境の充実に市を挙げて力を入れています。保育園や幼稚園の充実だけでなく、市内2ヶ所に駅前保育送迎ステーションを設けて市内すべての保育園に送迎する制度を構築しました。

市内の小中学校すべての校舎を耐震化、エアコンを導入、さらに市内すべての中学校にネイティブALT(外国語指導助手)などをしている。その結果、2017年住民基本台帳人口移動報告(総務省)における転入超過数で流山市は全国8位を記録しました。

②長久手市

愛知県長久手市は、名古屋市東部の丘陵地帯に広がる人口約5万9800人の街です。市域は、東西に長く、西は名古屋市と東は豊田市に接しています。今、この街は全国で一番人口増加率の高い街として、自治体関係者の間で有名になっています。長久手市は名古屋と豊田どちらもアクセスの良好なベッドタウンとして発展する立地を確保しています。

人口増の担い手は、名古屋や豊田に通勤する働き世代。市の総人口に占める生産年齢人口(15歳~64歳までの人口)の割合は66.8%と全国平均を大幅に上回ります。また、若年人口(14歳以下人口)割合が17.7%と老年人口(65歳以上)の割合が15.5%を上回る。2040年には街の人口は7万人を超えると予測される。

しかし、住民の高齢化や代替わりができないといった問題もあります。街には基幹産業が見当たらず人々が働けるようなオフィスがないので、今後の行く末に注目です。

③白馬村

長野県白馬村といえば、スキーのメッカ。かつては、日本人のスキー客で賑わっていたが、現在スキーに訪れる観光客は激減している。代わって来るようになったのは、オーストラリア人やカナダ人といった外国人スキーヤーたちです。富裕層といってよい彼らは、日本のゲレンデにやってくると、一週間から10日ほど滞在します。しかし、彼らを受け入れるはずの日本のホテルや旅館はせいぜい2、3泊までの顧客対応しかできていません。

そのような中、一部の富裕層は、エリア内にコンドミニアムを所有して、自分たちが利用する期間以外は、他の客に自分の部屋を提供して運用するようになっています。これはコンドミニアムホテルともいわれ、最初から家具付きで作り上げ、オーナーは基本スタイルになっています。

白馬のあるコンドミニアムホテルは、全戸数わずか8戸ではあるものの、売り出したシーズンで完売したそうです。分譲価格は一戸あたり90平方メートル程度で約一億円強、坪当たりに換算すれば、300万円半ばになり、東京湾岸エリアの新築タワマンをしのぐ価格になっています。買い手はオーストラリア人やカナダ人に加え、最近は中国人の姿も目につくといいます。日本人からすると中々信じられませんが、このような不動産市場が外国人の手によって確実にその存在感を高めつつあります。

今回は3つの自治体を紹介しましたが、本書に書かれていた多くの自治体で課題となっていたのは【人口流出と住民の高齢化】でした。転出があっても、若手の転入者が多ければ街が若返りますし、代替わりが行えず住民が次第に高齢化すれば街は老いていきます。各自治体も、観光資産で誘致したり、インバウンド需要で補ったり、各市町村でユニークな政策を行って努力されています。

本書では、数多くの自治体が紹介されていますので、ぜひ確認していただきたいと思っています。


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