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読書記録#102 千葉ジェッツの奇跡



紙のノートに読書記録を残そうと方針転換した矢先に良書に出会ってしまったので、すぐにでもnoteに載せたいと思い、投稿するに至った。


●目的

・何か学びがあればいいな程度に考えていて、特に狙いはなかった。とある著名な方がおすすめしていたので、気になって手に取った次第。


会社経営に関して述べられている本書だが、この会社を『転職と副業のかけ算』著者moto氏が仰る「自分株式会社」、つまり自分自身に置き換えて読んでいくと、「今自分は何を考え、どう行動すべきなのか」が見えてきて、非常に実りのある読書となって面白い。
その点で本書は非常に学びが多く、質も高い良書だと思った。

本書P191より

「法人」と呼ぶことからもわかるように、企業は「人格」を持った1つの形体だ。つまり、普遍的なプロセスをたどるものだと私は考えている。
どういう生き方(理念)をし、まずは何を成し遂げる(目標)なのか、そして達成するためには何を行い(ビジョン)、どのような日々の努力(プロセス管理)を重ねていくのか_____。成長するには、小さなビジョンを1つひとつ乗り越えることで自信を深め、さらに高い目標を設定し、それをクリアにすることが大切なのだ。

→会社はあくまで概念にすぎず、中身は人間であって、その点で会社と人間は同じような過程を経て成長していく同じ生き物なのである。


●読書メモ


経営とは、目標設定をし、現状を見極めてプロセス管理を行い、やるべきことを一つずつこなして成果を上げていくことだ。この連続で会社は成り立っている。

→人間も同じ。
ちなみに、本書著者である島田慎二氏が千葉ジェッツと関わり始めた当初は、フロント組織に目標も何もなく、スタッフ皆「バスケが好きだ」という曖昧な気持ちだけで、訳もわからないまま仕事を乱雑にこなしていた状態だったそうである。方針がなく、何もかもがバラバラ。


不確定要素が非常に多い中で、確定要素をできるだけ増やし、着実に利益を上げていく___。失敗を重ねながら会社を経営してきた私が、最終的に行き着いた考え方だ。いかなる事業も、スタートし始めた頃はふわふわした状態でかつつかみどころがなく、そのままにしておくと事業は次第に行き詰まっていく。この状態から少しずつ確定要素を増やしていき、安定した収入を確保していくことが社長の役目と言っていい。
そのために必要なのは、経営理念や経営目標を定めつつ、中長期戦略を立てたり、経営戦略を戦略を練ったりすることだ。それらを行う中で、うまく機能しないものは修正し、ダメなものからは撤退し、いいものは引き続き伸ばしていくのである。

→人生も同じ。方針・目標を立てて、それに向かって突き進む。何が必要なのか、どうすべきか、何を捨て、何を伸ばすか。
それと、経験を重ねまくると自分の哲学を手に入れることができるのか。やはり「現場・実務」の経験がなければ何も始まらない。


目標のためには何が何でもお金を集め、その後の活動につなげていかなくてはならない(この頃ジェッツは潰れてもおかしくない経営難の時期)。それを実行するのが経営者の役目であり、夢を語るのはすっと後でいい。経営者はこのことを自覚すべきなのだ。いくら調子のいいことを言ってみても、それが一銭にもならないのでは意味がない

→つまり、今の自分の状況や立場を把握した上で、「やりたいこと」ではなく、「やるべきこと」をやれということ。「やりたいこと」は「やるべきこと」を積み重ねて安定的な状況になるまでは手を出すことができない。


経営で大事なのは、優先順位をつけ、優先度の高いものから手をつけることだ。あれもこれもとなると責任がどうしても分散してしまう。

→上述の通り。「やりたいこと」ではなく優先度の高い「やるべきこと」から取り掛かること。そして、「やるべきこと」以外には手を出さない思い切り、勇気も大事。何かをやるには何かを捨てなければならない。トレードオフである。(エッセンシャル思考)


・bjリーグとNBLの分裂状態、NBLへの転籍という判断、葛藤、裏切り。

歓迎されていない雰囲気を感じた私は、試合で絶対に勝ってやると何度も自分に言い聞かせた。逆境に立たされたことで、心の中に新たな火が燃え上がった。
心持ちとしては威勢が良かったが、実際のところは本当につらかった。bjリーグからは裏切り者扱いされ、NBLからはよそ者扱いされ続けた1年だったからだ。
____会議に出席するたびに、冷ややかな視線を浴びることになる。
さらに9月末からシーズンが始まると、裏切り者のジェッツだけには絶対に負けられないとばかりに全チームが打倒ジェッツで挑みかかってくる。とにかく耐えて耐えて、耐え抜いた1年だった。

→人生、覚悟を持って挑戦すると必ず「荒波」が待っているのだなと。それに耐えられるかどうか力を試される。島田氏の勇気とメンタルの強さに感服。



川淵さんに最初に出会った時の印象は、「とにかく迫力がある人」という者だった。「怖そう」とか「怒られそう」というものではなく、私が感じたのは「私利私欲がない人が持つ圧倒的な強さ」である。

→これは当方、未体験である。そのような人に出会ってみたい。そしてそのような迫力を体感してみたい。「私利私欲に動かされない人間」の迫力とは。。
ただ、自己中心的な人間よりも、人のためを思い、自分の欲を犠牲にする「利他主義」の人間の方が強く、結果が出て、人も幸運も寄ってくるのは分かる。


___相手を思いやり、謙虚であることが求められる。法人であれば、お客様が喜ぶこと、周囲が喜ぶことを常に行わなければならない。
利己的ではなく、利他的な精神で行うことが、信用から信頼に広がり、ロイヤルカスタマー化に繋がっていく。この努力の連続が、収益増という経営の安定化にも直結し、儲かるビジネスの誕生となる。



●本書読了後にやること。


・今置かれている立場状況の再確認。
・目標、行動指針の設定。
・それに向けて何が必要か、何をすべきかの洗い出し。
・「利他主義」への転換。










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