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読書記録#98 東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方


●読む目的

思考力の向上を図る。


●読書メモ


・大学の研究や社会で成果を生む人に共通するキーワード
「考える力」「諦めない力」

本書で議論する「考える力」とは問題の本質を見極める力であり、「創造する力」とはそれをあなた独自の方法で解決に至るまでやり遂げることができる能力です。

→「考える力」は、高校までの学校のお勉強、答えがあらかじめ決まっている問題を解く力「学力」のことではない。


・「自ら考え、創造する能力」は、大きく3つの力に分解することができる

①「問題を見つける力」
②「解く力」
③「諦めない力」

→意識的な努力により習得可能。


・成功体験

あの興奮は、今でもはっきり覚えています。解かなければならない問題は煮詰まっていたのですが、それをどうとけば良いのかが分からず、試行錯誤を繰り返す日々が続いていました。ところがある夜、夢の中でアイデアが生まれ、ハッと気づいて、飛び起きて計算をしました。そこで初めて最終的に到達したのです。数限りない試行錯誤を重ねた末にたどり着いた喜びは、本当に大きなものでした。
この感動が、その後の研究人生でさらに困難な問題に取り組む勇気と自信を私に与えてくれたといっても過言ではありません。

→行き詰まりを感じても「諦めない力」を発揮した末の勝利体験があるかないか、その差がその後の人生の格差を広げる。周囲と差をつける。


・問題を見つける能力

ビジネス、学問、いずれも成功の鍵を握っているのは、「問題を見つける能力」なのです。


・大学入学まで→「問題を解く」能力/大学を出た途端→「問題を見つける能力」が評価される。このギャップを埋めるためには

その第一歩は、日頃から疑問を大切にする習慣の大切さを理解し、それを身につけることです。

→考えること。あらゆる人々や物事に対して「好奇心」「興味」を持つことが大事だと改めて思うに至った。これらがなければ何も始まらない。0に何をかけても0。何も生まれない。

「問題を見つける能力」を身につける極意は、人との対話、そして、自分との対話の積み重ねを通じて問題意識を煮詰めていくことなのです。


・思考に行き詰まった時の対処法

思考に行き詰まった時には、「私は何を、何のために考えているのか」を意識することが肝心です。


・「分からない」とは具体的にどういう状態か

私たちが直面する「分からない」は、その問題の性質や思考の段階によって、だいたい次の3つのパターンに分けられます。
・事実が分からない
・答えがわからない
・何がわからないのか、分かっていない

⬇︎

・事実を知らない→答えの調べ方を考える
・答えがわからない→自分の頭で考え始める
・何が分からないか分からない→何が分からないかを明確にする

この「何が分からないのかを明確に意識する」という過程こそが、「問題を見つける力」の最も肝心な部分


・コミュニケーション「聞く力」

学生の話を聞くときの注意点は、学生が言いたいことを明確に理解するまではこちらの意見を言わないということです。意見を言うと、学生がその影響を受けてしまうからです。話をじっくりと聴きながら、学生が何を言おうとしているのかを理解しようと努め、学生が考えていることを引き出すような質問(「それはこのように理解していいですか」とか「別な言い方をするとどうなりますか」など)をするように努めるのです。そうすることで、学生はぼんやりと抱いていたイメージを明確な形へと、自分の力で発展させることができるのです。

→今回の読書の趣旨とは少し逸れるかもだが、コミュニケーションにおける「聞く」場面に関して有益な文章だと感じたのでメモ。
ビジネスでの対話で何かアウトプットする際や、プライベートで誰かの相談に乗ってあげる際の話の聞き方において参考になるかと思われる。


・良いアウトプットを引き出す対話。

企画会議の場
新人がまだ形にならないぼんやりとしたアイデアを出したときに、「何を言っているか分からない!」と叱りつけたことはありませんか?そうすると、たいていの社員は口をつぐんで何も言わなくなります。恐ろしいのは、何も言わなくなるだけでなく、何も考えなくなるのです。
ところが、同じ状況で「君が考えていることはこういうことじゃないか」と助け船を出してやり、そのようなやり取りを通じてよいアイデアができたときに「素晴らしいじゃないか」とほめてあげると、その社員はますます一生懸命に考えるようになり、よい企画が生まれる可能性も高まります。



・正しい情報収集

情報を収集する際には「確かな事実」と「正しいと確信できないノウハウ」をはっきりと峻別し、前者を重視するようにしましょう。
事実に基づいて、自分の頭で自分なりのノウハウを編み出すことこそが、問題解決への王道なのです。



・暗闇に飛び込む勇気

今はできないと思うことでも、ひとたびやり始めると試行錯誤の過程でよきせぬ新しい物の考え方や方法が見えてきて、ある期間がたつとできてしまっていたということもあります。これは私がこれまでの研究生活で何度も体験したことです。最初はどう取り組めば良いか皆目見当もつかない問題も、あれこれと試行錯誤をしているうちに次第にとっかかりがつかめて、数年後にはすんなりと解けてしまっているという経験です。

→飛び込んで始めてしまうこと。精神的肉体的な死のリスクを負い、試行錯誤、苦悩を重ねなければ、ひらめきや良い成果物、新たな自分の可能性を見つけるなど人生を豊かにするイベントは発生しないのか。
「圧倒的勝利」か「死」か?

いや

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絶対に失敗しないと断言はできませんが、リスクを最小限に抑えることはできます。それは、始める前に事実関係を徹底的に調べることです。それをしないでリスクを冒すことを無謀と言いますが、事実関係を調べ尽くすことによってリスクは最小化され、その過程で新たな可能性も見えてくるものです。

→「敵を知り己を知れば百戦危うからず。」
ただ「飛び込んで」しまうのは、阪神が優勝した時に道頓堀の川に飛び込む人と同レベルのバカである。「戦略的に飛び込む」ことを意識すべきか。「頭脳」と「勇気」という盾と矛を持つことが重要だと私は読解した。
まあ、当たり前のことではあるが、改めて心に刻んでおく。

ただ、優等生タイプすぎる人や臆病すぎる人は、道頓堀飛び込みの輩を見習ってバカになって飛び込んでしまうのが荒治療になって効果的になるかもしれないかと。


・人生=創造的な問題

創造的な問題とは、答えがあるかどうかも分からず、解き方さえも存在しないのもなのです。あなた自身が解き方を編み出していくしかありません。



・答え、目標(ゴール)までの2通りのアプローチ

①ゴール・オリエンテッド
目標(ゴール)を明確に定め、そこに向かって最短距離を一直線に進んでいこうとする目的思考型のアプローチ
②キュリオシティ・ドリブン
ゴールとは一見関係なさそうな方向に、好奇心のおもむくままに進む
→一見、非合理・非効率に見えるが、ゴール・オリエンテッドとはまったく違う、当初の目的に縛られない自由な発想を得ることができる。


・知っているつもり、分かっているつもりからの回避

「なぜそうあるべきなのか」「どんな場合にそうなるのか」を絶えず考え、検証しながらマニュアルを発展させていくことが大切です。


・忍耐力、諦めない力

分からないこと、成果が出ない時間を「ムダ」だと考えるべきではありません。



●その他メモ、読後に見えた個人的課題

・「興味」を持つこと。

物事に対して興味を持つ→①思考力向上 ②趣味の増加→人間としての幅、魅力向上

人に対しての興味→より話を聞こうとする姿勢に→コミュニケーション能力の向上


・最後まで諦めない、やり抜くことの重要性

小学生の頃から散々周囲に言われてきたこと。ここ10年近くこのような「精神論」は嫌悪される傾向にあるが、人生を豊かにできる人とできない人の差は、結局!やっぱり!ここにあると実感。


・メモの重要性

ひらめきは突如として現れ、一瞬にして消える。線香花火のようなものかも知れない。その輝きを逃さぬようにカメラを片時も手元から離さない。そんな感覚でメモを常備しておき、何かひらめいた時などメモして保存しておく。


・思考に行き詰まりを感じたらスタート地点に戻る。人生も行き詰まったら原点に戻ってみる???


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