見出し画像

「息子は母にとっては、ちいさい恋人なのね」

未婚・未出産のワタクシですが、ちょっと思ったもので。
甲子園3回戦 今日は友人宅で観戦。
同い年くらいの友人と話題になるのは
「母親だったら心臓痛いだろうな~」て話。
ピンチ背負ったピッチャーとか、ここで打たなきゃラストバッターとかに置かれた選手の母親は生きた心地しないだろうなぁと。
注目してる子がいまして。青森代表 聖愛学院の木村君。
3年生ですがスタメンで出ることはなくて、基本はコーチャーか伝令の子。
でもチームのムードメーカー的な存在の子。
(情報源は熱闘甲子園ですが。。)
八重歯のかわいい、元気いっぱいの子で、インタビューでも
「伝令でみんなを元気にできれば」と笑顔で話してた。
今日の強豪延岡学園との試合。
沖縄尚学を抑え込んだ強打も、守備も光らず、
相手は二桁得点の敗戦濃厚な最終回。
2アウトでの代打コール 「木村」
地区予選でも1イニングしかでておらず、当然甲子園でもこれが初打席
「3年生だから記念に」との出番だとしても、この舞台は厳しい~!!
持ち前の笑顔も消えるか?とバッターボックスを見ると
とびきりの笑顔の木村君。
ベンチに向かって笑顔でなにか叫んだ。
「やるぜ」?「行ってくるぜ」?「打つぜ」?
音声は拾ってないけど、そのすべてがこもった一声に「聞こえた」
彼だけを見ていると勝ち越しした時のバッターのようだ。
9回2アウトとは思えない。
結果は、粘ったものの、弱く上がった10球目は内野のグラブに消えた。
ゲームセット。
木村君は能天気で明るい性格だから
肩を叩いて皆を慰めてるんだろうか?
敗北に涙する聖愛選手がテレビに映る。
一番大泣きしているのは、彼、木村君
笑顔のラストバッターから一転
しゃくりあげてる。
彼の失策で負けたわけじゃない。
多分みんな覚悟してたはず。
でも、彼はきっと、どんな時も全力で居たんだろうなぁ
だからあんな嫌な役周りのラストバッターボックスにも笑顔で立てたし、大泣きもしちゃう。
もう、わたくしは、人んちだから我慢したけど、泣きそうでした。
話がそれたようなんだけど、続いてます。
彼のお母さんだったらほんと、どんな想いだったかと
甲子園で打席に立てる喜びと、息子の受けてるプレッシャーとを想像してほんと心臓痛いはず。でも、これが娘の試合だった場合、それほどの事に想像できないんだよねえ、女の身の私でも。「悔いないようにがんばんな~」程度な気がしちゃう。
女親の、娘に対する思い入れと、息子への思い入れって、量じゃなく質が違うんだろうなあと。だって考えてみれば、愛しい恋人だった旦那の面影をやどして、自分の血肉で出来上がってる生物なんだもん。それはもう、小さな恋人だわ。
マダムの友人がFBで、旦那さんと、息子さんの同じようなアングルで撮った写真を二枚連続で上げて「どっちも大好き!」とコメント入れてたのが、私は実はとてもお気に入りなんだけど、まさに、そういうことなんだよね。
旦那に似てきた小さな恋人。
先日同じく甲子園をテレビ観戦してた友人も
「女親と娘ってさ、努力して連絡とりあわないと取らなくなるのよね? 女親と息子って、なんで?ってくらい絡んでくるけどさぁ」と旦那君の母親の訪問の多さを嘆いていた。それもきっと「ちいさな恋人」だからなんだろうねえ。
そんなこんなで、そこに立つ球児の数だけ、小さな恋人を見守る母親のドキドキと涙が甲子園には溢れてる。 そうしてその彼女らの祈りと「甲子園の魔物」のバトルが明日も繰り広げられるんだろう。

               2018年 夏

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?