【エッセイ】散歩の教え

僕は散歩が大好きだ。
晴天の中自分のペースで歩いて、景色を見ながら思索に耽るのがたまらなく心地良い。

冬晴れでとても気持ちが良い日、会社の最寄りの2つ手前の駅で降りた。
会社がある方角は理解してるから大丈夫だ。そう思って、普段歩かない道を歩き始めた。
仕事前に散歩ができるなんて、早起きは三文の徳だ。
歩き始めはそんな気持ちだった。

数十分歩いて、路地に入っていくと少し焦り始める。
本当にこの方向で合ってるかな?
始業時間までに会社着くかな?

広い道に出て見慣れた建物が見えると、少し安心した。
歩いてる方向は間違いない。
時間もきっと大丈夫だろう。
その時に、「なんか人生だな」って思った。
やり始めは期待一杯ですごくワクワクした気分だ。
だんだんゴールが分からなくなって、疑心暗鬼になってくる。
と思ったら少し兆しが見えてきて、まてワクワクする。間にあるゴールが見えない時期が一番辛いんだ。
けど、進んでれば何かしら見えてくる。

会社の近くまで来て時計を見た。
始業の30分前だった。
完全に安堵した。
次はもう少し寄り道してみよう。


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