今さら聞けない「ESG投資」と、最近の投資家の動向(3)
投資家が深い対話で聞きたいテーマ、ESGが約半分
前回、前々回で、ESG投資の高まりをお話してきました(やや間が空いて恐縮です)。読まれた方で企業でIR(Investor Relations)活動に携わった経験のある方の中には、「私の会った機関投資家は、業績のことばかり質問していた。本当にESGに関心なんてあるの?」と思った方もいらっしゃるでしょう。
はい、あります。下の図は、機関投資家に対し「企業との深度ある”建設的な対話”を行う際の重要テーマ」について質問した回答をグラフにしたものです(生命保険協会アンケート)。「建設的対話」とは、スチュワードシップ・コード*でいう「目的のある対話」と近い意味と推察します。対話の目的は株主価値向上なので、直接的にESG投資や責任投資(PRI)とリンクしてはいません。ところが、対話のテーマとして回答されたトピックのうち、かなりの部分がESGとなりました。赤い実線枠で囲っているのが、ESGの要素。赤い点線枠で囲っているのが、ESGを一部含む要素です(私見)。
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IR(インベスター・リレーションズ)の経験などに基づいたテーマで記事を書いています。幅広い層のビジネスパーソンにも読んでもらえたら嬉しく思います!