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SNS活用を試みる営利企業は一度立ち止まって考えたいこと

昨今、企業がマーケティングや広報をする上でSNSは必要不可欠な存在となっている事は周知の事実だ。やってないとしても、取り残された感を払拭することは難しく、不安を覚えることもあるだろう。

私自身も入りたてながら、自社の売上を伸ばすためにInstagramを開設することを考案した。経験的にも客観的にも一番「素人」が参入して「お金」を稼げそうだったからだ。一番収益化を想像しやすいYouTubeは、既に動画のバラエティが豊富だ。そしてそのイメージのせいかあまりにも群雄割拠が進んでいて選択肢になかった。では他のSNSはどうだろう。Instagramは「世界観」、Tiktokは「バズりやすい」「Z世代向け」、Twitterは「拡散性」といったとこだろうか。

そんな中、最近世間を席巻しているのは「ショート動画」だ。Instagramの「リール」、YouTubeの「YouTube shorts」、そしてTiktokの投稿だ。忙しくて、知性が低くてかつ集中力がない現代人に最適化されたシステムだ。

ビジネスで応用したいけど、刻々と変化するトレンドの中、企業はSNSとどう向き合うべきなのか?このようなことを考えていきたい。

検索エンジン化するSNS

あなたは料理のハウツーを調べる時、YouTubeじゃなくてGoogleにいきますか? 服のコーデの参考にInstagramじゃなくてGoogleにいきますか?少なくとも私なら行かない。SNSは用途によっては情報収集の選択肢の一つになっている。アメリカではTiktokすら情報収集の手段となっていて、若い人はエクセルなどの解説動画をTiktokで観るそうだ。

あなたが「コンテンツ」を見つけるのではない。「コンテンツ」があなたを見つけるのだ

消費者の行動プロセスはアルファベットの頭文字で表すことができる。一昔前は消費者がテレビCMなどで受動的に情報を取り入れることを「AIDMA」。最近までの行動プロセスで、消費者が自ら検索して情報をキャッチするのを「AISAS」となっていた。重要なのは前の2つの頭文字が「Attention」と「Interest」を表していることだ。そして、現在は「ALSAS」になっている。AとLは「Algorithm(アルゴリズム)」を意味している。お分かりだろうか。今はコンテンツがあなたを見つけているような行動プロセスに時代が移り変わっている。つまり、あなたが届けられたはずのコンテンツが時代のせいで届けられないこともある。このアルゴリズムの最たる例が、イントロで触れた「ショート動画」だ。

自社製品を持つ企業が気をつけるべきこと

仮に、とある企業が特定の商品を売るためにYouTubeに参入するとしよう。しかしこの発想は一般的にはプロダクトアウトの考えだ。YouTubeに来ているユーザーたちは、おそらく最初のうちは、企業の商品になんかこれっぽっちも興味がない。ほとんどのユーザーたちは今ある「悩み」や「課題」を解決したく、または「隙間時間」を埋めるべく訪れている。企業が何も考えずに商品を売るためのコンテンツをガシガシ生成したところでユーザーと求めているものと「ギャップ」が生じ、離脱につながる。

Youtubeもマーケットインの世界だ。まずはYouTubeという市場で何が求められているかを把握する必要がある。インフルエンサーマーケティングで有名な株式会社VAZの元代表の森さんは、チャンネルを伸ばす上で人気チャンネル500個の登録を推奨している。インスタグラム運用代行会社FinTの代表の大槻さんは新入社員に「伸びている」アカウントをひたすらみることを促している。SNSの最前線に立っている人たちが言うのだから、間違いない。SNSの世界でプロダクトアウトの視点は通用しない。

結局はコンテンツの質なのか

「良いコンテンツ」と定義できる一つの指標は「思わずシェアしたくなる」だ。これ関しては自分が書いた記事が複数あるので、ぜひ見てほしい。

あなたの企業はSNS云々の前に今の運用しているメディアを突き詰めているのか?これは自分に当てたメッセージだ。

参考資料


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