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withコロナ時代の居酒屋はどうあるべきかを考察してみた②

前回の記事で客単価を130%にし、最大客入りを50%にすることで安全に営業を続けられるのでは?という考察をしたが、それには前提として12%の新しい売り上げとそれに見合う新しいオペレーションが必要と書いた。
それについては詳しく書いてなかったので、そこを考察してみる。

一つは前回も書いたサブスクリプションモデルである。

私はVIP戦略と呼んでいるが、ロイヤルカスタマー向けのサブスクリプションが良いと思う。前回では平日絶対に入れるパスポートのようなものと書いたが、それもいいかもしれない。ロイヤルカスタマーは居場所を求めて来ているので居場所はとても大事だ。そこには付加価値がある。

クラウドファンディングのようなものもいいだろう。例えば限定の酒を仕入れ優先的に売る。珍しい食材を仕入れるために珍品仕入れの会を作り、会員には特別料金で提供する。ブランディングが進んでいる店ならTシャツでもいいし、オリジナル箸や皿も良いと思う。

テイクアウトも重要だ。居酒屋のテイクアウトは何でもできるようにせずに、お土産であることが前提だと考える。割とどこでも食べられる唐揚げやポテトフライをテイクアウトして帰るくらいならマックか総菜屋にいくだろう。お土産クラスのそこにしかない逸品をテイクアウトしてもらうことを考える。

例えば焼き鳥屋さんだったら、カウマンガイとかはどうだろう。居酒屋ではなかなか頼みづらいが、お土産に持って帰るにはちょうど良い。海鮮居酒屋ならイカ飯はいかがだろうか。これらは作り置きができるし、さっと包装してはいどうぞと渡せる。包装にもこだわればブランディングもできるだろう。

そもそもテイクアウトはキラー商品を1,2品で良い。弁当屋をやるならまだしも、居酒屋の機能はそもそも気軽なコミュニケーションなのだ。これから帰る家庭で、こんなお店に行ってきたよという紹介になればいいし、または次のお店でこんな店近くにあるんだけど知ってる?という会話につながる程度のアイテムとして働けばいいと考える。

よってテイクアウト商品は包装にこだわり、そして店の紹介になるようなコンセプトでメニューを開発するべきである。

例えば客単価4000円の店で30%の人が1500円のお土産を買って帰るとした場合、売り上げは12%上がる。
これで減った分の売り上げは補填できるのだ。

30%も買ってくれるわけがない、せいぜい5%だろうと予想もできるが、まずは人気のお土産メニューを作ってみて試すのも良いと思う。仮に5%だとしても、お土産は広告効果も十分にある。売り上げの10%を広告費としているお店にとってみれば少々乱暴だが、広告費を20%ほど削減できたことになる。

まだ別の儲け方はある。居酒屋はコミュニケーションの場だ。例えばオンライン飲み会を2名は居酒屋、3名は個々の家でやるというスタイルも今後は出てくると思う。居酒屋がシステムを用意し、課金式で参加してもらうというやり方は一般的になるかもしれない。個室があるところは簡単にできるだろう。例えばZoomが出来るタブレットを貸し出すのに500円/hとかでもいいし、店がチャンネルを用意して、そこにアクセスするのには数百円でアクセスできるなど。家から参加した人には次回来るときのクーポンを差し上げるなどすると更にファン化するかもしれない。

自前でタブレットなりスマホ持ってきて自分たちでやるのでは?と考えるかも知れないが、実際やってみると1対1はいいんだが複数はうまくいかないことが多い。複数名で参加してみるとわかるが、ただのスマホだとおそらくまともな会話にはならないだろう。それなりのスピーカーとマイクが必要になり、割と音響とモニターをきちんとしないといけないことに気づく。その環境を提供することで割といけるんじゃないかなと思う。

もうひとつ居酒屋の醍醐味の中に隣の客と仲良くなるというのもある。これは実は重要な要素だ。社交場とはそもそもそういう目的だし、酒の出会いというのは後腐れがなくとても心地が良い。

客間隔を空けて、自前のコミュニティーだけに閉じてしまうと、居酒屋が持つ社交場としての機能が失われてしまう。
それを解決するためのソリューションも欲しい。そこでその場限りのLINEグループみたいなものを店が準備すると面白いと思う。

客席にタブレットが置いてあり、自由に書き込めたりスタンプを押せるようなものだ。これは少し大きな箱の店かチェーン店じゃないと人数の問題で成立しないかもしれないが、他愛もない会話を書き込んで見知らぬ相手とコミュニケーションを取る。

このマネタイズは広告モデルでもいいし、いち早くやったらソリューションそのものを販売できると思う。

とまあ色々と居酒屋生き残り策を考えるので、コロナに負けずに営業をしてもらいたいと思います。

もしかしたらここまでソーシャルディスタンスを取る必要がなく、アルコール消毒するだけでいいのかもしれませんが、満席を何回も回して黒字になるスタイルはおそらくもう難しいでしょう。国民がしばらくは混雑を嫌うはずです。

自粛期間が終わっても、国民のマインド的に営業方針の変革は必要だと思います。そうなったときにいち早く、うちは安全な営業を心がけていますというブランディングしたところが勝てるのでは?と踏んでいます。








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