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MCA道場 #10「マーケティングと身体性を考える」開催レポート

マーケターとして生き抜いていくためのスキルを「発見」「習得」「研鑽」できる〈経験〉を提供するMCA道場。

今回は記念すべき第10回ということで、株式会社ABEJAの内海芳雄氏と、リテール業界でのマーケティング経験があるMCA理事の富永朋信氏にも加わってもらい、マーケティングの本質と身体性に関する特別トークセッションを開催しました。

このnoteでは当日の様子やハイライトをご紹介いたします。

MCA道場 第10回
「マーケティングと身体性を考える」
2024年5月21日(月) 19:00〜21:00

<師範>
内海 芳雄氏
株式会社ABEJA
デジタルプラットフォーム事業部
(株)西武百貨店に入社後、営業企画・販売促進分野を担当してプランナーから部門マネジメントを経て、(株)そごう・西武の販売促進部長などを歴任。※セブン&アイホールディングスへの出向時にグループ統合プロジェクトに参画。12年に(株)ロフトに転籍後、14年営業開発部長として新規事業開発を担当。法人外商部の立ち上げ・ロフトアプリの開発(14年)、グループ統合ECサイトと連携したロフトネットストア(15年)の立ち上げを主導。その後、取締役執行役員として営業企画部長、デジタル戦略部長を委嘱され情報システム部の管掌から「ロフト独自のDX戦略」を牽引・推進。24年4月から最先端のテクノロジーをベースにして企業のイノベーション創出に貢献する(株)ABEJAに参画し、各社のDXを活用した経営構造改革を支援。

富永 朋信氏
株式会社Preferred Networks
SVP 最高マーケティング責任者
早稲田大学法学部卒業後、コカ・コーラ等9社でマーケティング業務を歴任。うち西友・ドミノ・ピザジャパンなど直近4社では執行役員としてマーケティング部門責任者を務める。 同時に、マーケティングの核=人間理解という考え方に基づき、多数の企業・政府系機関にブランド、コミュニケーションから人事・組織戦略等多岐に渡るアドバイザリー業務を行う。 マーケティング系団体・カンファレンスの理事、議長など多数。 日経クロストレンド マーケター・オブ・ザ・イヤー審査員。 日経COMEMO キーオピニオンリーダー。 合同会社OFFICEしもふり代表。 著書に『「幸せ」をつかむ戦略』(日経BP・ダンアリエリー共著)、『デジタル時代の基礎知識「商品企画」』(翔泳社)など。


Chapter1:お二人のなれそめ

ーーお二人が最初に出会ったきっかけは何ですか?

富永氏「2015,16年頃のマーケティングカンファレンスで初めてお会いしました。内海さんには貴重なアドバイスをいただいたこともあり、内容はここでは言えないですが、気になる人はこの後の懇親会で聞きに来てください(笑)」

内海氏「強烈な印象でした。私は参加者側だったのですが、富永さんの講義を聞いて一目惚れして名刺交換に行ったことを覚えています。」

ーーかれこれ10年近くの付き合いになるのですね。

Chapter2:オーバープランニングの弊害とは

ーー(身体性の話題に入る前置きとして)オーバープランニングの弊害とは何でしょうか?

富永氏「パワポつくるの、好きな人?」

(会場の多くの手が挙がる)

富永氏「机に向かってPCを触り、色々考えて論理を組み上げ、1つの壮大な企画を組み上げる。嫌いじゃないですよね(笑) ただ、これをプランニングとした時にそればかりを頭の中だけでやっていると、失敗ポイントをなかなか見つけられずに修正が遅くなってしまいます。これがオーバーシンキング、オーバープランニングの弊害ということです。

富永氏「であれば、あまり考えすぎないで60点ぐらいの出来でやってみる。そして穴を早めに発見し、発見したら修正するということを繰り返す方が良いと考えています。」

内海氏「マーケターという立場でいると、プランニング重視になってしまいがちですよね。しかし、プランニングだけに注力してしまうと、決していい結果にはならないです。いわゆるPDCAを回していくことの重要性が、富永さんのおっしゃる内容からよく理解できます。

Chapter3:身体的に考えるとは

ーー今回のテーマ「身体的に考える」とは、どういう意味なのですか?

富永氏「身体的に考えるとは、すなわち、五感すべてを使って情報を捉えるということです。マーケターが陥りがちなオーバーシンキング、オーバープランニングの弊害に対しての問題意識が僕の中にあって、それらへのアンチテーゼとして"身体的"というキーワードを使っています。」

ーー「身体的に考える」を実践するときのポイントを教えてください。

富永氏「分かったつもりにならないということだと思うんですよね。何かを観察するときは、ぱっと見の印象や先入観による表面的な理解でとどめず、もっと違う見方ができないかとスキャンするように対象を見る。お客様が考えていること、感じていることをお客様と同じ視点で、五感すべてを使って感じ取る。そうして解像度の高い情報を増やしていくと、解決の糸口が見えたり、失敗ポイント(穴)が見つかったりということが起きます。」

内海氏「前職のロフトは究極の衝動買いビジネスで、"ロフトに行ったら欲しいものが見つかる"というのが価値の源泉でした。ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)を意識した売り場作りで足を止めてもらう、そこで商品を触ってもらい、素敵だと感じた方に試していただく。これらを極める上で、五感、六感から得られる気づきは重要だと感じていました。」

Chapter4:マーケターの仕事とは

ーーずばり、マーケターの仕事とは、何でしょうか?

富永氏「私は、働きかけたお客様の心が変わる、という行動はすべてマーケティングだと考えています。それをするためには、人間の心の仕組みや機序に精通している必要があると思います。」

富永氏「(中略)まとめると、マーケターの仕事とは人間理解とその応用であるということであり、それを極めていくとマーケティングの枠を超えて拡張していく、という回答になります。」

ーーマーケターでなくても、マーケティングを考えてよいってことなんですね。

<トークセッションの様子>

Chapter5:お客様に選ばれるための特別な体験とは

ーーお二人にとって、お客様に選ばれるための特別な体験とは何ですか?

内海氏「リアルでもデジタルでも、ブランドのフィロソフィーやMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)に合った特別なCXを設計することが顧客の心をつかむ鍵だと考えています。」

富永氏「リテールで言うと、お客さんが何も考えなくても欲しいものにたどり着けるようなお店っていうものが最高の体験だと思います。スーパーだと2万種類ぐらいの商品がありますが、認知的な負荷を感じさせず、直感的に買えるような陳列や動線、ナビゲーションを考え抜くことが大事だと思います。」

講義レポートはここまで)

<質疑応答の様子>

Chapter6:最後までお読みいただいた方へ

ここまでレポートをお読みいただき、ありがとうございました。詳細なレポート記事はExchangeWireでも公開されていますので、これまでのMCA道場のバックナンバーと合わせてご覧ください。https://www.exchangewire.jp/2024/07/18/news-mca-marketer-10/

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