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サチュレーションカーブの最適ポイントとは? 〜マーケティングの話〜

広告出稿を検討する際にちょくちょく出てくるサチュレーションカーブ。いくら投資するとどの程度の効果が見込めるかというアレです。

投資額を決める上で非常に有効な手段となりますが、徐々になだらかになっていくカーブを眺めながら、このポイントがいいのではないか、いやもっと手前で止めてもいいのではないか、なんていう議論をしていませんでしょうか?
だとしたら、そもそもにサチュレーションカーブの見方が間違っています。

例えば下図のカーブでサチュレーションポイントはどこでしょうか?

図1

投資コスト600万円くらいでなだらかになっているようにも見えますし、見方によっては300万円くらいが適切とも思えます。

では何が正しいのか?答えはありません。


サチュレーションカーブの特性上、コストが少ないほど縦軸の伸びは高く、明確な曲がり角も出ないため、この情報だけで適切なポイントを判断することはできないのです。

ではどうすれば良いのか?単体の情報で判断できないのであれば、他の情報を組み合わせるというのが正解です。

先ほどのグラフに線を一本追加した以下の図2ではいかがでしょうか?

図2

やはり各カーブ単体では判断できませんが、100万円程度までは施策①の伸びが良く、その後は施策②の100万円程度まで、そしてまた施策①…と、それぞれの施策効率は傾きを見ることで判断できますよね。
これを施策別の予算配分を決める際に使えばロジックに基づいた決定が行えるわけです。
(細かい話ですが、実際は予算配分を1円単位で調整し、傾きがどちらも同じになるポイントが最適となります。)

このように、

複数の候補を組み合わせる際にサチュレーションカーブを用いる

ことで最適なポイントは明確化されます。

また、仮に施策候補が単一でカーブが1つしか作れない場合ですが、獲得単価の許容範囲を設定するという方法もあります。
図1で、販売1件あたりにかけられるコストが1,000円の場合、投資コスト300万円での販売見込みが3,000件で、ちょうど獲得単価が1,000円。これ以上は単価が許容範囲を超えてしまうため、最大で投資できる金額は300万円までという判断ができます。

他にも方法はありますが、いずれにしても

カーブ単体ではなく何か別の情報を追加することで最適ポイントが明確化される

というのがサチュレーションカーブの特徴です。

少し複雑なところもありますが、この記事が何かしら皆さまの業務の助けになれば幸いです。

※分かりづらい点があればコメントいただきましたら可能な限りお答えさせていただきます。

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