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現場の体験から学んだプロジェクトマネジメントのコツ

<この記事は以下のような方にオススメです>
・絶対にプロジェクトを成功させたいプロマネ
・初めてプロジェクトを任された人
・日々の仕事で周りの人を上手く動かすことが出来ないと悩んでいる人

今後はプロジェクト的な働き方の市場価値が高まる時代

インターネットが登場してから、仕事の進め方は大きく変化してきました。
近年ではAIやRPAも発展してきており、仕事の業務効率化は日々進んでいます。

また、コロナによる強制的な働き方の変化によって、リモートワークも一般化しました。
中には、オフィスを手放したり、縮小させたりする会社も出てきており、本当の意味での働き方改革が始まってきているような気もします。

私も自粛期間の中で、世の中の変化の速さを感じる一方、今後、市場価値が高まる働き方とは何かについて考えていました。

そこでたどり着いた私なりの答えが、プロジェクト的な働き方です。

偶然にも私のキャリアはプロジェクト単位で問題解決をするという非定型的な仕事が多かったので、本記事ではプロジェクト的な働き方とは何か、上手くプロジェクトを回すコツは何かについてご説明していきます。


プロジェクト的な仕事の定義

まず、どんな仕事をプロジェクトと呼ぶのか、私なりの定義は以下です。

1、目的(ゴール)がある
2、独自のプロダクトやサービスを創造する
3、期限がある
4、複数部門が関与
5、メンバーにそれぞれ明確な役割がある

一番意識しておく必要があるのは、「1、目的(ゴール)がある」です。
この目線を持っていないプロマネは、プロジェクトのあらゆる面で苦労することになります。

そもそも何を持ってプロジェクトの完了とするのかがリーダーとメンバーの間で擦り合ってないので、当然プロジェクトはゴールのない暗中模索状態になっていきます。

笑い話のように見えますが、現実でも目的の定まっていないプロジェクトは多く、規模が大きくなればなるほど、目的浸透の難易度は上がります。

現在、プロジェクトに携わっている人は秒でプロジェクト目的を言えますか?
また、プロマネの方は自分が思っている目的とメンバーの考えている目的は一致していますか?

万が一、あなたの担当しているプロジェクトの目的がもやもやしていたら、早急に目的の再定義をすることをオススメします。

プロジェクトによっては、成果が売上に直結しないものや、定量的な目標が持ちにくいものもありますが、
それでも「目的(ゴール)」は、出来る限り定量化出来るようにしましょう。


プロジェクト進行中のコミュニケーションのコツ

プロジェクトの大半はコミュニケーションが中心です。
特にプロマネの役割を担う人は、タテヨコナナメ、全方位のコミュニケーションが求められます。
私がプロマネをする際には、以下のようなコミュニケーションの取り方を意識しています。

1、極力プロジェクト参加者の時間を奪わない(会議はオンスケ、依頼は完結に)
2、プロジェクト進捗の見える化(ゴールの共有、定期的な進捗の報連相)をする
3、品質・納期・コストは流動的という前提をプロジェクトオーナー(多くの場合は社長)に理解してもらう
4、関係者全員にコミュニケーションラインを理解させる
5、命令ではなく、約束する
6、言葉の定義に気を付ける

少し解説が必要なのは4と6でしょうか。
4のコミュニケーションラインとはオーナー(意思決定者)は誰か、プロマネ・メンバーの役割は何か、誰から誰に報告するのか、などの運営上の決まりのことです。
これは、特にプロジェクトに直接関わらない法務・財務・コンプラ部門に対して共有するのが大切です。

理由としては、誰依頼のプロジェクトなのかが理解できないと、管理側での優先度が付けれないから。

管理部の人たちも通常業務がありますので、突発的に発生するプロジェクト関連の依頼は煙たがられることが多いです。
しかし、プロジェクトマネージャーとしては、最短距離で進めたいため、ついついゴリ押ししてしまいます。
すると、次第に仲が険悪になり、協力を得られにくい状況になってしまうことも多々あります。

この手のコミュニケーションの失敗は事前共有不足が原因なので、
予め、コミュニケーションラインを共有しておくことで、回避できる確率が大幅に上がります。

続いて、6の用語の統一についてですが、特に中途入社の多い職場で意識する必要があります。
転職経験者なら肌感覚で分かるのですが、会社によって『受注』や『コンバージョン』などの用語の定義が異なる可能性があるのです。
大企業だとチーム間で用語が違うことさえあります。

ちなみに、私の経験で言うと、新卒で入社した会社の粗利の出し方は

粗利=売上高-製造原価

でしたが、他の会社では

粗利=売上高-販売管理費含めた経費全て

だったりと、会社のローカルルールが一般常識と異なることも普通にあります。

利用する言葉の定義のズレは、コミュニケーションのズレに直結します。
後々、認識のズレで怪我しないためにも、面倒ですが細かく定義の確認は実施しましょう。


応用編になりますが、ある程度の権限が与えられている人であれば、社長なりプロジェクトオーナーにプロジェクトメンバー選定から一任してもらいましょう。
前述の通り、プロジェクトの大半はコミュニケーションなので、一人でも意思疎通が上手くいかない人がいると、大きなリスクとなり得ます。

一つ例を挙げると、メンバーにしてはならない人にプライドが高くて質問できない属性の人がいます。
この手の人がプロジェクトメンバーにいると、意思疎通が取りにくくなり、失敗確率が大幅に上がってしまいます。

プロジェクト成功のためにはキックオフ前の人選から気を遣うようにしましょう。

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プロジェクトオーナーから信頼を受けるには

先に結論を言うと、最短で信頼を得るには質の高い報連相+確認を徹底することです。

意外かもしれませんが、年次は全く関係なく、新卒で信頼を構築できる人もいれば、年次を重ねても上から信頼されない人も存在するということです。

この差がどこから来るのか、どのような報連相+確認が必要なのか、信頼を得ている人の特徴を深掘りしていきながら少し解説してみましょう。

信頼を得ている人の印象を別の言葉で表すと、要領がいいとか、そつなくこなすイメージがあります。
このような人たちが多く持つ特性として、上司や部下が何を気にしていて、どんな情報が欲しいのかを把握している点にあります。

当然のことですが、報連相は相手によって使う言葉や内容を変更する必要があります。

特に経営者に対しては、大枠の進捗の報告だけで良い場合も多いですし、細かすぎる報告は時間を奪われたと思われて悪印象を与えます。

要領が良い人は相手の立場をイメージすることに長けており、雑多な情報を咀嚼して必要な分だけ相手に伝えることが自然と出来ているのです。

ここから逆説的に考えると、信頼されてない人は、相手目線に立つのが苦手で、自分の話したいことばかり話してしまいるように思います。

また、報連相が一気に完結する時間帯効果の高い方法が、キックオフミーティングの開催です。

プロジェクトを開始するにあたって、もしくは仕切り直すタイミングで、儀式的にキックオフミーティングを行うと、
プロジェクトオーナー、メンバーの目線合わせが一気にできる他、うやむやな点もプロジェクトオーナーに直接確認することができます。

上手く仕切ることができれば、関係者から一気にプロマネへの信頼感を醸成できるといったメリットもあります。

効果的なキックオフミーティングの詳細については、説明すると長くなりますので、別の機会にまとめたいと思います。


メンバーをうまく動かせていないと思ったら

コミュニケーションのコツを押さえ、しっかりプロジェクトオーナーからの信頼を得たとしても、
今度は実際に推進していくメンバーをうまく動かせない場合があります。

そのような場合は以下のいずれかの言動をしている可能性があるので、
自分が当てはまっていないか確認してみましょう。

1、方向音痴タイプ (動かす方向性が決まっていない)
→目的の設定ができていない。自分の言葉で話せない。
2、青年の主張タイプ(相手に合わせず正論を言う)
→メンバーの動機付けができていない。
3、他責タイプ(動かない人間が悪いと思っている状態)
→プロマネ自身が当事者意識が持てていない。
4、不信任タイプ(信頼されてない、信頼を意識していない)
→信頼関係の構築を無視している。
5、認識違いタイプ(動かすところまでが責任だと思っていないタイプ)
→自分の役割が理解できていない。
6、空気読めないタイプ(人の気持ちが分からない、相手の立場に立てていない)
→コミュニケーションにおいて相手が嫌がっていることに気づかない、天性の空気が読めない人。

6以外は、自覚することで、改善可能な場合が多いので、まずは冷静に自己分析してみましょう。

私も大抵の失敗タイプは経験して手痛い思い出を積み重ねていますが、今までの経験や周りの経験者の話を聞くと、5で突っかかる場合が多くあるように思えます。


プロジェクト運用時の心構え

ここまで、目的志向の重要性とタテヨコナナメのコミュニケーションのコツについて説明してきましたが、最後にプロジェクトが動き始めてからの運用の心構えをお伝えします。

少し概念的な話になりますが、自分の言葉で説明すると、

・自身の熱量の維持
・メンバーの心理的安全性の担保

この二つを意識すると、上手く回る傾向があります。

心理的安全性について補足すると、「チームの中で自分の思ったことを自由に発言しても不利益を被らない」と感じられる状態」のことを指します。

この心理的安全性とプロマネの熱量を分かりやすく見せることには連続性があり、
まずはプロマネが誰よりもプロジェクトにコミットしている姿勢を見せることで、比例して心理的安全性が高まっていくように思えます。

理由は仮説ですが、プロマネのやる気が見られないと、このプロジェクトが失敗して、それに携わっている自分の評価も下がるのではないか、とネガティブな考えに繋がるからだと考えています。

また、勝手にプロジェクトの優先度を下げられてしまい、通常業務を優先されてしまうこともよくある失敗例です。

私はよく自分が台風の目となって、周りを巻き込みながらプロジェクトの存在感を社内で大きくするイメージで推進しているのですが、ある程度プロジェクトがうまく行って、社内でも認知度が上がってくると、メンバーのモチベーションが一気に上がるフェーズがきます。

ここまで来ると、プロジェクトを全員で楽しめるフロー状態に入ってくるので、ぜひこの状態を目指して欲しいと思います。

今後、プロジェクト的な働き方はますます増えますが、うまく回せる人材は非常に希少性が高いです。
希少性が高いと言うことは、市場価値が高まりやすい働き方とも言えるので、ぜひ、プロジェクトマネージメントのプロを目指していただければと思います。


もし、詳細にプロジェクトの話が聞きたい!などのご要望やお仕事のご要望があれば、TwitterのDMでご連絡ください。


<参考>今まで取り組んだプロジェクト一部紹介

制作、開発関連
・コーポレートサイト作成プロジェクト
・業務効率化ツール開発プロジェクト
・オリジナル画像大量作成プロジェクト
・アプリ開発プロジェクト
マーケティング関連
・LPのCVR最大化プロジェクト
・メルマガ開封率アッププロジェクト
・メール配信システム導入プロジェクト
・営業効率改善プロジェクト
・定例業務標準化プロジェクト
・インサイドセールス立ち上げプロジェクト
人事関連
・中途採用数増加プロジェクト
・社内教育制度導入プロジェクト
その他
・新規事業立ち上げプロジェクト
・個人情報管理徹底プロジェクト
・事業計画書作成プロジェクト
・外注化推進、フロー構築プロジェクト

10年以上事業会社でマーケティング/事業開発に携ってきました。昨年立ち上げた『BtoBマーケティング研究会』は参加人数700人規模まで成長。マーケター向け勉強会や懇親会を主宰し企業とマーケターの最適なマッチングやマーケターの繋がりを活発化させるべく奮闘中。