フリーノート-11

プレーヤーとして仕事できる人ほどマネジメントが下手という現象の考察

「上司に恵まれなかったら…」みたいなCMが昔ありました。
検索しても「上司 嫌い」「上司 合わない」などとサジェストで出てきますし、上司ガチャに失敗するとリセマラも出来ず人生というゲームに詰む場合もあるので社会で生きるのって大変ですね。

そこで今回は「リーダーシップ」について、ちょっと考えてみようと思います。

20代後半、やる気に満ち溢れまくってた僕は、当時勤めてた会社で最優秀社員賞を受賞し入社最速で部長職(マネージャー)に就任しました。
しかし、ここでマネジメントという海の荒波に揉まれ、トム・ハンクスばりにキャストアウェイしてしまい、しばらくチームマネジメントすることに恐怖を感じるようになりました。ウィルソーン!

そこから十余年、「Tribal Professional Academy(TPA)」で組織論を学び、それなりに経験も積んだ昨今。考えてることがあるのですが、それは


プレーヤーとして仕事できる人ほど、チームマネジメントが下手くそなのでは?

というお話です。今の自分の立場も考えつつ、自戒の念を込めて書いてみようと思います。


そもそも要因は組織構造なんだけど…

組織において生産性を高めることを目的としたピラミッド型組織で分業化し年功序列制度を元に人員配置していくと権力を得たいボス型人材がマネジメント適正低いのにリーダー職に就いたりして不幸を招いたりしてるんですが今回はとりあえずそのあたりは置いといて、

統計とったわけでもないし、両立できてる人もたくさん居ると思うんですが、「あの人はめっちゃ仕事はできるのに上司としては●●●(汚い言葉)」みたいな人、身近にいませんか?w

プレーヤーとして優秀な人って、業務を「タスク」としてバリバリこなせるので成果を上げられるのですが、そういう人ってメンバーからの人生相談とかも「タスク」として処理してしまうので、メンバーからすると「あ、何か冷たくね?」って感じちゃうんですよね。

マネージャー側はそんなつもりなく一生懸命対応してるんですけど、この「感覚のズレ」がけっこうデカいです。
(よくある嫁と旦那のコミュニケーションのズレもこれに近いような気がする)


「マネジリアルグリッド」で考えてみる

リーダーシップ論のひとつに「マネジリアル・グリッド」(言いにくい)というものがあります。

こんな図↓

上記のような人って、マネジリアルグリッドにおける9・1型「人間を犠牲にしても生産への関心が高い」リーダーシップスタイルなので、昔の「安定・権力・金」をモチベーションとした終身雇用・年功序列社会においては重宝されるのですが、モチベーションが多様化した「自己実現社会」と言われる現代にはフィットしなくなってきてると感じます。

(ちなみに僕はたぶん1・9型です)

なので、これからは人間への関心も高い9・9型、「チームマネジメント型リーダー」であることが理想としたいところですが、

「生産への関心」いわゆる成果を出すのって、努力や勉強でなんとかなりそうなんですが、「人間への関心」って、本人の資質による部分が多いので、そんな簡単に移動できないような気がするんですよね…

だから「プレーヤーとして仕事できる人」は、自分の成果よりメンバーの成果に加えて、人間性やプロフィールに興味を持つ努力をしないといけないと思います。

そして、プレーヤーとして仕事ができて他人に興味の無い人ほど、自分の尺度でものを考えるクセが強いので、「出来ない心理」を理解しようとせず、「何でできない?」「何でわからない?」という詰め方をしがちです。


チームマネジメントの際に気をつけるべきポイント


本来プレーヤーとして優秀な人ってリーダーとしても優秀なハズなんですよ。でもちょっと掛け違いがあったり、優秀がゆえに見えてない領域があると思うんですよね。

僕はマネジメントにおいてトラウマになる程の失敗を経験したため、気づいたことがたくさんあります。そんな経験を元に考えた「チームマネジメントの際に気をつけるべきポイント」をピックアップしてみました。

・メンバーにもっと興味を持つ(どこに住んでるとか、何が好きとか)
・自分のモノサシをメンバー達に当てない
・本とか他人の引用をなるべく使わず、自分の言葉と解釈で話す
・出来ない心理を理解する
・なるべく略語や専門用語を使わない(使っても説明する)
・相談事を「タスク」として処理しない
・本音を言ってくれないのはリーダー側に問題があると思うこと
・「なんで出来ないの?」は言っちゃダメ

かなと。

「仕事はできるんだけどなぁ・・・」ってタイプのリーダーは、上記のようなことが出来てないケースが多いです。

他に「相性」も、かなり重要です。いくら頑張っても、相性の壁を超えられないことが多い…

その場合は「相性が悪い」ということをメンバーに伝えた上で、お互いに歩み寄れるようコミュニケーションした方がいいです。
相性が悪いことを変に隠してメンバーとコミュニケーションするほうがコジれるような気がします。

なんだかんだ最終的にはコンティンジェンシー理論に落ち着きそうですが、自分の考えに固執しない「主体変容」な考え方が重要ってことですね。

あといくら言ったところで、組織構成上「上司に向いてないけどそこしかポジションが無い、その人しかいない」っていう大宇宙の法則には逆らえないこともありますが、その場合はとっとと転職しちゃいましょう。僕も昔そうしましたw

上司に恵まれてない人は、オー人事じゃなくて、弊社にぜひ。
社長含め、こういうことをちゃんと考えるリーダーが揃ってますよ。

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