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脳内お花畑経営で利益は上がるのか?

お花畑経営というタイトルですが、実際にはこのような経営理論はありません(笑)。「脳内お花畑」といういわゆるネットスラングから、私自身の自らの経営スタイルを自虐的に表す言葉として使っている言葉です。
ネットスラングですから基本的には誰かを揶揄する言葉なので、人に対して使う言葉としては不適切ですが、自ら使う分には別に構わないかなと思ってたまに使っています。
今回はこの「お花畑経営」について思うところを書き綴ってみたいと思います。

脳内お花畑

辞書に載っている言葉ではないですが、検索してみるとそれなりに解説はでてきます。
ちなみによくみかけるピクシブ百科事典なるものによると次のように解説されています。

主におめでたい妄想空想幻想盲信している人達や、そういう人達の脳内を揶揄する蔑称で、『頭の中がお花畑』とか『お花畑』と言われることもある。
ピクシブ百科事典 お花畑

なるほど、おめでたい妄想、空想、幻想の持ち主ということです。私なりに言い換えると非現実的な理想論を掲げて現実的にはありもしない理論を主張することで、周囲から笑われている人、または考え方。といってもよさそうです。

私自身も何かの考え方や主張に触れた時に、お花畑みたいなことをいっているなあ、という感想を持つことはありますし、仲間内では言葉にすることもあります。
自分なりの解釈としては、現実を知らないというか、青臭いというか、そんな主張に対して思う場合に使っています。

誰もがムリなくラクしよう

私はこのnoteで、ムリなくラクして上手く行こう、ということを書いてきています。
もちろんこれは私の机上の話ではなく、実際に何年も会社経営をしてきて、それなりにやってきた現実の経験や取組みを文章にしています。
この考え方というのが、我ながら「お花畑」だよなあ、と思ってしまうところがあるのです。
なぜそう思うかと言うと、誰もがムリなくラクに仕事して、それでいて会社が成長して利益を出せるなんてことあるわけない。それが可能ならなぜ皆辛い思いをしてムリして頑張っているのか?という意見が来ることが予想できるからです。

具体的にムリなくラクできる「お花畑経営」とはどんな経営か?と聞かれるとそれもまた難しいのですが、このnoteで書いてきたのは、以下のような感じです。

  • 毎日基本定時で帰れて、有休は容易に取れる

  • 高すぎる目標に向けてがんばり過ぎない

  • 社内では過度な競争心を煽らない

  • 若いうちから権限も持たせる

  • 会社や上司から一方的な命令や無理難題を押し付けない

  • チャレンジ推奨。失敗してもOK

といったあたりは、ほかの人たちからは「お花畑」に見えるようです。

私は、社長である自分自身はもちろん、社員にとってもムリなくラクに!という環境風土作りを目指してきました。
この「誰もがムリなくラクに」というのも、「お花畑」と思われる所以かもしれません。

一方で私が目指してきた社風というのは、ネガティブに言い換えると次のようにも言えることは自覚しています。

  • 生っちょろい

  • ぬるま湯

  • なれ合い

  • 緊張感、危機感に乏しい組織

こんなイメージに見えていた方も多かったと思います。

実際、社員にもこのような違和感を感じて、もっと厳しい環境で働きたいといって転職した社員も少なからずいたのも事実です。

人にはそれぞれ自分にとって居心地のいい環境は異なりますから、誰にでも合うわけでないでしょう。もっと厳しい上司の元で厳しい目標にも敢然と立ち向かうことで、より大きな成功を成し遂げることで自分を成長させたいと思う人がいるのも当然です。

問題になるとすれば、こうした仕事に向き合う考え方が真逆な人の方針に従うことだったり、同じ職場で働くことだったりすることにあります。すくなくとも同じ方向のベクトルを持った人同士で集まった方が居心地は良いわけで、居心地がよく働き方もスムーズになるのだと思います。

結局は、ムリなくラクしてと考える人と、例えていえば厳しい環境で強く逞しくと考える人とでは、上手くやっていくのは難しいのです。これはどちらが優れているとか、どちらが普通という話ではありません。相性というか、仕事観、人生観かもしれません。であるならば、どちらも正解。どちらもあっていいということだと思うのです。

しかし正直に言えば考え方や行動パターンがあまりに違い過ぎると一緒に働くのはお互いストレスでしかなく、結果として成果も出ない。
だったら、中途半端に間を取るよりも、どちらかに特化すればいいのでは?ならば、私はムリなくラクなお花畑で行こうと考えたというわけです。

私は厳しい環境で厳しい上司の元、厳しい目標を果たせられて、上手く行かなければ怒鳴られて懲罰を受けて、というような環境では生きていけません。これはそういう気質だからで、努力で改善するものでもないし、改善したいとも思ってません。だからそうした逆境にポジティブに燃えて力を発揮できるわけでもない。
そんな私が自分が経営させてもらうチャンスを頂いたわけです。ならば自分が楽しく居心地がよい環境を目指し、その結果として、「お花畑」のような会社になってしまったというのが本当のところです。

そしてもうひとつ。ここからが大事なところです。
いざ「お花畑」を目指してみたら、結果としてその方が会社の空気が良くなっただけでなく、利益も出るようになったのです。
会社の空気を緩くしたら、むしろ会社は儲かる。
そしてさらに、社員も会社の利益を上げようと思うようになったというのが、実は大きかったりするのです。

お花畑に必要なこと

本当のお花畑をイメージしてください。
お花畑に花がたくさん咲き誇っている状態です。
畑でなくとも、自然の環境の中で多くの花が咲き誇っている野原とか草原でも構いません。
美しくて心が豊かになるような景色だと思います。

さて畑であれ野原であれ、花が咲き誇るところというのは基本的に豊かな土壌なのだと思います。栄養価のない痩せた土地には花はおろかぺんぺん草も生えないのが普通です。
(そうではないこともあるかと思いますが、植物学の話ではないのでそこはご理解のほど)

素人考えですが、一般的に考えればお花畑に必要なのは栄養豊富な土壌と、水と太陽です。

会社も同じで「お花畑」経営に必要なのは、仕事をする社員の働きやすさ(=居心地)、そして豊かな資金とそれを増やしてくれる利益です。

利益がない会社であれば、先に書いたような生っちょろいことは言えません。今日を乗り切らなければならない、明日を乗り越えなければならない、そんな経営状況では定時に帰って有休も自由に取るなんてことは言ってられません。社長はもちろんですが社員自身もそうなると思います。

お花畑経営を実現しそれを維持するためには、実は利益という名の豊かな土壌と水と太陽が常に満ちている必要があります。
そしてお花畑経営の風土が居心地の良さに繋がるという社員にとっては、常に高い利益を得なければならないということを理解します。なぜなら、利益を出さないとお花畑は成立しないからです。
自分の居心地のいい環境を維持するためには、会社の利益を出すということが、まさに自分事になります。

もし利益が出なくなると、お花畑経営は持続しない。逆にブラック体質な荒地経営にならざるを得ない。転職するにしてもそうした荒地経営の会社や、荒地を開拓していくフロンティア精神にあふれた厳しく高い成長意欲を求められる会社に行かなければならなくなるかもしれません。そんなのは嫌だ!
これって相当な自分事だと思うのです。

これは社員だけでなく、なにより私自身がそうだったということが言えます。
私自身が自分の居心地の良さを求めて作った社風です。この社風を失いたくない。そのためには利益はきちんと出すということを肝に命じる大きな理由になったのです。

同じようにお花畑経営をよしとする社員は、その畑を維持するために会社の利益を自分事として考えるようになっていったのではないかと分析しています。

これが私が分析した「お花畑」経営が上手く行った理由です。

そして利益を出すためには、お客様に満足してもらうことがなによりですから、そのために努力して工夫をして頭を使って、その期待と信頼に応える商品サービスを提供し続けることを忘れてはならないということも付記しておきます。


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