新しい時代の働き方の示唆『売上を、減らそう。』
今回ご紹介する本は佰食屋の中村朱美さんの『売上を、減らそう。』です。こちらの本でご紹介されているのは佰食屋の経営に関してです。中小企業の経営幹部陣やこれから何か店舗型ビジネスを考えられている方には、是非読んでいただきたい本です。なぜなら「時代に合った経営手法」が満載だからです。詳しくは下記をご覧ください。
佰食屋とは
佰食屋を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。佰食屋とは京都の右京区にある国産牛ステーキ丼専門店です。お店は下記のURLからご覧ください。私は東京にいるため行ったことがないですが、本に書いている内容や、グーグルマイビジネスの口コミなどを見ていると、かなり繁盛していそうです。京都に行った際は9:30の整理券配布と同時に行き、1回は食べてみたい。
なぜ佰食屋が本を出しているのか
佰食屋が本を出している理由ですが、取り組みがとってもユニークで面白いです。本のタイトルと、店舗の名前から分かる通り、「売上を追わず」「1日100食限定」で営業している飲食店なんです。
普通の飲食店であれば、売上を意識して、売れるだけ売って、お客様が入らないときは外に出てお客様の呼び込みをすると思います。ただ、佰食屋はそういうことはしません。売上を追わないのにも関わらず、社員の給与は、本によると百貨店のレストランと同じぐらいとのこと。
売上を無理に追わなくてもきちんと利益が出ており、さらにすごいのが、残業が無しということ。むしろ、売上を追わないことで、利益が出る様になり、残業が無くなったというのが正しい表現でしょう。
佰食屋の取り組み
佰食屋の取り組みはユニークで、ポイントは下記です。
①1日100食限定にしている
②100食分だけ仕入れ、仕込みをすればいいから廃棄が出ない
③100食売れたら早く帰れる
④販促物を使わずに口コミだけで集客する
詳しい内容は実際に本を読んでご確認ください。代わりに、本に書かれている内容を整理したものをご紹介させていただきます。
これから時代の経営
今回、『売上を、減らそう。』を読んで、とっても刺激的な話が豊富でした。ただ、その話をよく考えてみると、時代に合っている。とってもシンプルで、かつ、センターピンをついている。中小企業、もしくは個人で飲食経営、店舗経営をするのであれば、こちらの本に書かれている考え方で経営した方が、今後、経営者も社員も幸せになれる。
まずは今の時代の大きなトレンドを考えてみたいと思います。大きなトレンドで言うと、【働き方改革】【少子高齢化】【不景気】【AI,デジタル化】【趣向商品化】などがキーワードとして出てくるのではないでしょうか。
それぞれのトレンドをかみ砕いて、経営に反映させると下記が必要になります。
【働き方改革】残業しなくても良い仕組みづくり
【少子高齢化】定年退職、外国人、障がい者も働くダイバーシティ採用
【不景気】売上追求ではなく収益性追求
【AI,デジタル化】一手間をかけることの差別化
【趣向商品化】圧倒的商品力
上記に記載した5つを満たしているのが、佰食屋の経営です。すごくないですか?
経営者が考えないといけないこと
実際に周りに社会人として働いている人の話を聞いていると「残業が多くてやだ」「仕事が終わると、疲れて、帰って寝るだけ」「仕事は楽しくない」という声が大変多いです。ここに対して「それはその人のスタンスが悪い」「そんな仕事をさせている会社がいけない」など沢山意見はあるでしょう。
ただ、少し事実に向合っていただきたいです。圧倒的に「仕事が好きな人」よりも「できれば仕事したくない人」の方が多いのです。それなのに、前者の価値観に合わせようとするのは、かわいそうですし、少数派しかマネジメントができません。
つまり経営層が考えなくてはいけないのは「働きたくない人でも、自社で働きながら、幸せになるためにはどうしたらいいのか」ということです。
働きたくない人でも、何か趣味を持っている人は多いのではないでしょうか。そういう人にとっては、生活していくのに最低限の給料だけども、残業が一切0で、趣味に時間を割ける方が幸せなのではないでしょうか。さらに、経営者として、その趣味で稼ぐためにはどうしたらいいのか一緒に考えてあげたら、その人は、もう自社を好きになってくれますよね。
今までの時代は、とにかく売上・利益を追う経営をしていたとしても、これからは個にフォーカスして、個が幸せになれる経営を目指すべきです。
もちろん、売上・利益伸ばして、地域一番になる、日本一になる、オーナーとしてお金持ちになる姿を目指すのもいいです。
ただ、そのために”人財”は必要ですよね?その”人財”をどう採用するか、どう辞めない組織にするか、などの観点では、すごい参考になるのではないでしょうか。
少しでも気になったら『売上を、減らそう。』を読んでみてください。沢山気付きを得られる本です。
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