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あの頃好きだった曲⓬:明日があるさ

今週になって松本は一気に冷え込んで来ました。明日は、お世話になっている会社の臨時休業日なので、部屋で寛いでゆったりと晩酌しながら、秋(記憶的には晩秋)の風情を味わっています。

あの頃好きだった曲、十二回目の今回は、作詞:青島幸男、作曲・編曲:中村八大、歌唱:坂本九で1963年に発売された『明日があるさ』の、ウルフルズ、及びRe:Japanによるリバイバル版です。

心の支えにしていた曲

2000年8月頃から、缶コーヒーGEORGIAのCM~ジョージアでいきましょう~で流れ始め、翌年にはウルフルズと吉本芸人オールスタース(Re:Japan)によってリバイバルヒットしました。この曲は、SMAPの『世界で一つだけの花』とともに、私のピンチを救ってくれました。辛くて投げ出したい時、苦境に耐えようと自分に言い聞かせる時、理不尽な状況に悶々とする時、生きる目的を見失いそうになった時、などによく聴いていた懐かしい曲です。

明日がある、明日がある、明日があるさ

『明日があるさ』を多用していると、単細胞のお調子者、口先だけの無責任野郎、根拠なく自信満々の痛い奴、と思われそうです。でも、このことばには不思議な力があると信じてきました。このフレーズを口ずさみながら、満員の通勤電車や残業終わりの深夜タクシーで過ごした時間を思い出します。

明日を信じる

私の50年以上の人生経験で、頑固に守り続けている信念が、「明日を信じる」です。どんなに楽しくても、どんなに辛くても、どんなに悲しくても、どんなに寂しくても、どんなに虚しくても、明日はやって来る…… 今その瞬間にどんな心境であっても、僅かな希望を捨てずに明日を迎えよう…… 達観して明日迄待とう…… と言い聞かせながら、幾つもの夜を乗り越えてきました。私の勝負曲にしている、Journey『Don't Stop Believin'』は、自分を鼓舞する為の応援歌だと思って聴いてきました。

ただ、この『明日があるさ』の世界観は、『Don't Stop Believin'』のようにファイティングポーズを取るような感覚とは少し違い、すっぽりと優しく、やんわりと私を包み込んでくれるような気がしていました。歌詞を聴けば明らかなように、失敗続きの日々に苦しんでいる凡人が、「明日があるさ」と、時に自分を笑い飛ばし、時に自分を慰め、時に自分を勇気づけようとする曲です。『失われた10年』(当時)と言われ、閉塞感と虚無感がどんよりと世の中を覆いそうになっていた頃に再発売されたこの曲がリバイバル・ヒットしたのは、当時の時代の空気にも合っていたのでしょう。

私は、明日の可能性を信じられないのが、一番の不幸だと思うのです。そう頭ではわかっていても、お先真っ暗で、明るい可能性が微塵も感じられない夜もありますが、とにかく明日朝まで踏ん張ることが大事だと思うのです。どんな運命でもマネージメント(=なんとかする)のが、人間として生まれた者の義務だとも思っています。「明日があるさ=なんとかなるさ」と読み替えて、この曲から、勇気と希望を貰い続けています。

吉本興業の凄さ

この記事を書き下ろすにあたって、改めてRe:Japanバージョンの動画を見直しました。歌っているのは、2001年当時の吉本興業の新旧エース、実力派の中堅、前途有望な新鋭で、バランスの取れた見事な選抜だと思います。

● ダウンタウン(浜田雅功、松本人志)
● ココリコ(遠藤章造、田中直樹)
● 間寛平
● 藤井隆
● ロンドンブーツ1号2号(田村淳、田村亮)
● 山田花子
● 東野幸治
● 花紀京

僭越ですが、こういった企画を立ち上げられる(パクれる?)吉本興業は、凄味と底力とセンスがあるなあ、と感じます。20年後の今日も、次々とお笑いのスター、あるいはスター候補を生み出し続けています。

明日は、横浜の自宅へ帰ります。一週間ぶりに息子に再会するのが楽しみです。「明日がある」ので、いい気分で寝ます



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