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大切な時間を大切な人だけと共有しない方がいいと考えるのはなぜか?

私は以前に『大切な人と四六時中一緒にいるのは逆効果』というテーマでnoteを書きました。

この感覚は今でも正しいと確信しています。なぜ心から大切で、居心地の良い人と常に一緒にいると逆効果になると思うのか? もう一度、その根拠を整理して、考察してみたいと思います。

時間は大切だからこそ

有意義な人生を過ごす上で最も大切にすべきものは時間でしょう。人生=この世で活動するために自分に与えられた時間の集積体です。物理的な時間は、万人に平等に1日24時間、1年365日が与えられていて、これは変更することは出来ません。

なので、人生を愉しもうと考えた場合、自分が時間を費やすべき事項と優先順位を明確化し、お金・人・便利な道具といったあらゆる方法を活用して、時間が足りないという問題を解決しようと真剣に努力する必要があります。

自分の日常を充実した時間だけで満たしたいと考える人にとって、自分が不快に感じる人達と過ごしたり、快適感を得られない空間で過ごす時間は極力避けたいものになります。

〇 価値観がどうも合わない人、
〇 自分を見下しているいけ好かない人、
〇 義理や利害関係だけで繋がっていて、自分の方が気を遣いまくらないといけない人、
〇 付き合うことにメリットを見い出せないと感じる人、

たちとは同じ時間を過ごしたくない、と考えがちです。その結果、嫌な人のいる環境は極力避けて、居心地の良い人とばかり時間を共有することになります。しかし、ここに陥り易い落とし穴がある、とも思うのです。

大切な人には「甘え」が出てしまう

私にとっての最も大切な【家族】~妻と息子~について考えてみます。二人とも日々の生活を共にしている最も身近な存在であり、私が、利害関係を抜きにして無条件で支え合っていきたいと考えている唯一無二の存在です。

妻とは結婚して今年で19年になり、お互いの性格や価値観の違いを受け容れつつ、基本的には仲良く暮らし続けています。妻は、私の性格的欠点や気に入らない生活習慣に対しては容赦なく糾弾してくるので、イラっとさせられることも多いものの、日々家事全般を取り仕切ってくれていること、息子の母親として愛情を注いで育ててくれていること、について深く深く感謝しています。我が家を共に支えてくれる同志として心から信頼しています。

また、息子は私が無条件に愛情を注げる唯一の存在です。息子と入るお風呂の時間は最高に幸福を感じる時間の一つです。息子から学ぶことも多いです。息子の出来ることが日々増えていくのを発見する喜びもあります。

世の育メンパパたちと比較すると、私が父親として子育てに関与している時間と注いでいる情熱は少ないでしょう。妻からは、『息子に費やす絶対的な時間が少ないのは仕方がないが、付き合うべき時間での熱量が足りない』と言われます。この指摘には自覚症状があります。一緒に外出しても息子のわがままに付き合うのに辟易する時もありますし、進んで家族のイベントを企画する努力も怠りがちです。もっと自主的に関与する姿勢と行動が期待されているのだと反省はするのですが、なかなか行動に移せません。

家族が、身近すぎる存在だからこそ、つい「甘え」が出てしまいます。「依存心」と言い換えてもよいかもしれません。無理難題を平気でお願いしたり、伝えるべき感謝の気持ちを丁寧に伝えていなかったり、親しき仲にもの礼儀を欠いた態度を取っていたり、赤の他人に取れば一発で距離を置かれるような行動を、家族に対しては無意識のうちにやってしまっています。

「甘え」合うことが許される関係は、一歩間違うと「憎悪」の関係に変転する危険性があると考えています。絶対に喪いたくない距離が近過ぎる大切な相手だからこそ、適度な距離感を保って関係をブラッシュアップし続けないと、取り返しのつかない地雷を踏んでしまう怖さがあります。

時間配分は、20対60対20 くらいに

馴れ合いが通用する関係の人々と過ごす時間は、生きていく中で絶対に必要ですが、それは私に許された時間の20%くらいでいい、と思っています。このレベルにいる人達と過ごす時間は、長短ではなくて、中身が問題です。一緒にいる間、どんなに無駄に時間を過ごしてもそれは貴重なものです。それ故、その時間が長すぎると全体のバランスを崩してしまう危険があります。

大切な人と過ごす以外の80%の時間に、人生を豊かにするための秘訣が隠されていると思います。過酷な環境で心身の健康を損なってしまっては本末転倒ですが、緊張感のある時間や退屈な時間を乗り越えていくところに、人間としての成長があるのではないかと思っています。

私のイメージとしては、

✔ 60%が社会人として緊張感を持って過ごさなければいけない時間(=現状を適切に運営し、維持する為の時間)
✔ 20%が苦痛や退屈に耐えながら我慢して過ごす時間(=将来の成長に繋げる為の時間)
✔ 20%が大切な人と濃密に過ごす充実した時間(=至福の時間)

に充てるのが、バランスが取れていていいのではないかと思います。苦痛や退屈の時間もないと、人間が傲慢になっていくように思います。謙虚さを取り戻す時間は必要悪です。

人生のステージによって、時間配分は修正したらよいと思います。ただ、大切な人としか、大切な時間を共有したくない、という姿勢は、長い目でみると危険が大きい、と思います。

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