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『すずめの戸締り』を観る

もう12月です。今日は寒い一日で、通勤中のクルマから中央アルプスの山頂付近に白い雪がうっすら積もっているのが見えるようになってきました。いよいよ信州にも厳しい冬がやって来るのだなあと身構えます。

今日は外食で済ませたい気分だったので、仕事を終えて部屋に帰ってから、徒歩で外出しました。松本市街地までは行かず、最近よく訪れている近所のお好み焼き屋さんで、夕食を摂りました。満腹になり、満足して部屋に戻る途中の映画館の前で、今日が映画の日であることを思い出しました。上映時間を確認して、気になっていた新海誠監督の新作『すずめの戸締り』を観ることにしました。本日は、鑑賞後ホヤホヤの感想文です。

すずめの戸締り

映画の日に映画を観るのはいい習慣

どの映画館でも毎月1日は、割引料金が設定されていますが、12月1日は年一度の公式な映画の日であり、1,000円の特別料金で鑑賞できます。映画館で映画を観るのはちょっとご無沙汰になっていて、夏以来でした。

映画館で観る映画は、年10本前後なので、熱心な映画マニアという程ではありませんが、50代男性の平均よりは観ている方かもしれません。映画は、amazon primeの見放題でも観られますが、映画館の大きなスクリーンで観た方が、感動はより大きいと思っています。1,000~1,800円で約2時間堪能させてくれる映画のコスパの良さは、魅力です。最近の映画館のクオリティ向上には、目覚ましいものがあります。椅子が格段によくなっているし、音響設備は自宅とは比べ物になりません。夏は冷房、冬は暖房完備です。気軽に連れ立って遊びにいける友だちがいない私のような人には、映画鑑賞は娯楽の王道だと思います。

観て損はさせない映画…… さすがの出来

本作の原作・脚本・監督を務めている新海誠(1973/2/9-)氏は、長野県の出身です。私が、新海作品に初めて触れたのは、2016年に大ヒットし、社会現象にもなった『君の名は。』でした。ヒットから半年後くらいに出張中の国際線の中で観ました。映像が美しいなあ……と思って、最初の30~40分はリラックスして観ていたものの、中盤から怒涛の展開を見せていき、最後は「巧いなあ……」と唸りました。

新海監督の作品の魅力は、ありふれた日常描写の中に、絶対にあり得ないSFストーリーを違和感なく融合させるところにあるように思います。本作については、事前に下調べはしておらず、おそらく今回もSF設定なのだろう……と想像しながら指定席に着きました。

冒頭、幻想的な展開から主人公が夢から覚めて、いつもの日常がはじまるのは王道です、観ている誰もが、これは後々の物語展開の伏線なのだろう…… と想像しながらストーリーに入っていけます。今回は割と前半から事件が勃発していくので、最後まで緊張感を切らさず、テンポよく観ることができました。

『君の名は。』との比較であれば、私はぎりぎり『君の名は。』の方に軍配を上げます。しかし本作も、エンターテイメントとしてのクオリティは完全に担保されており、観ておいて損のない映画です。おそらく観た人全てに5点満点で採点させれば、平均4.1~4.3にくらいにはなると思います。

日本各地が舞台

ネタ晴らしになりますが、この作品は日本各地が舞台になっています。主人公の岩戸鈴芽が、椅子に変えられてしまった宗像草太と、猫のダイジンを追って、宮崎➡愛媛➡神戸➡東京➡(フクシマ)➡宮城 と旅していきます。最後の宮城(気仙沼?)以外は、私も訪れたことのあるエリアです。モデルになった地域のご当地巡りをしてみたいなあ……と思いながら観ていました。

新海監督の理想の映像を盛り込んで商業映画化するには、多額の製作費が必要になるだろうと推測します。その為(なのかどうかは推測ですが…)この映画には、大量のスポンサーが登場します。JRやフェリー会社も、協力しているのは間違いありません。新海監督の世界観は好きです。映像クオリティの高さには脱帽です。

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