しっかり考えてみる⑦:ソバー・キュリアス
本日は、『しっかり考えてみる』シリーズの第七回目で、最近知った"ソバー・キュリアス(Sober curious)"ということばを掘り下げてみます。
ソバー・キュリアスとは?
ソバー(sober=しらふの)、キュリアス(curious=好奇心が強い)を繋ぎ合わせた造語で、
ということのようです。記事によれば、英国出身のジャーナリスト、ルビー・ウォリントン氏の著作で広く知られるようになり、若い世代を中心に支持を集めているということです。断酒生活を実践している人を”ソバキュリアン"と呼ぶようです。
大酒飲みで知られていた、作家・評論家の町田康氏も2015年12月28日から一滴も飲んでいないという話をしています。「限りある人生に、酔っ払っている時間がもったいない」という発想のようです。
興味はあるが無理
最近ある人から、ソバー・キュリアスを実践しているという話を聞いて、どんなものなのだろうと興味を持っていました。
酒を飲むと、酔っ払っている時間をロスするのみならず、健康状態や生活習慣にも負のダメージがあることは、薄々理解していました。酒を飲まない方が体調は良く、思考もクリアで、持続力があるという実感もあります。
しかしながら私の場合、飲酒機会の制限(週1~2回程度)や飲酒量の抑制はできても、ライフワークであるバー飲みから完全に足を抜くことは、今の所考えられません。人生の醍醐味、生きている楽しみの一つを完全に諦めるのは、人生後半戦を生きる私としては残念過ぎます。
コロナが拍車
この風潮が支持されている背景には、新型コロナウイルス感染症対策として、飲酒店での酒類提供が禁止され、外飲み行動に制限がかかったことも影響しているかもしれません。
仲間と外で集まって酒を飲む機会が閉ざされた結果、元々自主的に飲酒をする習慣がなく、お付き合い程度に酒を飲む程度だった人にしてみれば、わざわざお酒を飲むことの意味がないことに気付くきっかけになったのかもしれません。毎日の飲酒生活が、確実に肉体の機能を弱らせ、アルコール依存症を起こしやすいことは、研究でも証明されています。
ビール味、ワイン風味のノンアルコール飲料の種類も増え、クオリティも急激に上がっていることも、脱・アルコールの流れに拍車をかけています。
なぜ酒を飲むのか……
ソバー・キュリアスを考えていくと、人はなぜ酒を飲むのか…… という根源的な問いにぶち当たるように思います。人類は太古の歴史から、アルコール飲料を飲み続けてきたのです。
歴史的には、アルコール飲料は水分を摂取するための飲み物として安全だったからだとされます。水質のよくない水は、微生物や細菌の温床であり、人体への害悪があったため、迂闊に水を飲むのは危険な行為だったわけです。そう考えると、水質コントロールされた水や、安全で美味なノンアルコール飲料で、本来の水分補給の代用が可能になったと言えそうです。衛生管理技術の向上、テクノロジー進化の賜物であり、アルコール飲料の領域を置き換えたと言えるかもしれません。
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