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Come And Save Me Tonight... エアロスミスの思い出

エアロスミス(Aerosmith)の『エンジェル Angel』という曲が好きです。私よりも若い世代ならば、木村拓哉主演のドラマ『エンジン』のオープニングソングとして記憶されているかもしれません。今日は楽曲『エンジェル』とエアロスミスにまつわる思い出のお話です。

エアロスミスの豆知識

ボストンで結成されたエアロスミスは、アメリカンロックを代表する大御所中の大御所バンドです。風貌が似ていることから"ミック・ジャガーのコピー”とも評されたスティーブン・タイラーの独特の個性的なボーカルと、キース・リチャーズを彷彿とさせるジョー・ペリーのギタープレーがバンドの看板で、1970年代前半から活躍していました。

1970年代後半から1980年代前半はエアロスミスの暗黒期で、バンドは空中分解した形になっていました。1980年代半ばにオリジナルメンバーが再び結集し、バンドは第二の黄金時代を迎えます。

私とエアロスミスとの出会い

私が10代の頃は、”ブリティッシュ・ハードロック”にカテゴライズされるバンドを好んで聴いていて、当時のハードロックシーンを席捲していた「LAメタル」系のバンドは好きではありませんでした。東海岸を拠点とするエアロスミスには違和感がなく、特別な存在でした。

エアロスミスを特別視するようになったきっかけは、『熱く語れ!Let The Music Do Talking』を聴いたことです。1970年代後半からの長い停滞期を脱し、オリジナルメンバーが戻って制作された『ダン・ウィズ・ミラーズ Done With Mirrors』(1985年)のオープニングを飾るこの曲に一発でノックアウトされ、以降愛聴するバンドになりました。私の人生の節目節目でエアロスミスのアルバムに出会っており、不思議な縁を感じています。

『エンジェル』とは?

『エンジェル』は、1987年に発売したエアロスミス通算9枚目のアルバム『パーマネント・バケーション Permanent Vacation』の9曲目に収録されています。

このアルバムは、プロデューサーに数々の商業的成功アルバムを手掛けた売れっ子のブルース・フェアバーンを迎え、数々のヒット作を生み出したソングライター、デスモンド・チャイルドが、『エンジェル』を含む主要な収録曲に携わった意欲作でした。

昔からのエアロスミスファンの一部からは「商業主義にすり寄った!」という批判も浴びましたが、セールス的には成功を収め、世界中に“エアロスミス完全復活!“を印象づけた一枚だと言われています。

『エンジェル』の思い出

『エンジェル』は学生時代に下宿していた神戸の部屋で何度も聴いた思い出深い曲です。当時は楽しく自由なひとり暮らしを堪能していましたが、夜ひとりでいると、ふと寂しさが沁みる夜がありました。そんな時にこの曲を聴くと優しく包み込んでもらっている気がして、救われていました。

その後も、就職して上京して独身寮にいた時、結婚したばかりの妻を日本に残して単身アメリカに渡った時、出張先のホテルで時差ぼけで眠れない時、突然寂しい気持ちに襲われると精神安定剤的に聴いていました。

オープニングのジョー・ペリーのギターの音色を聴いた瞬間、脳から何かが出て、不思議と心が落ち着いていきます。一番好きなのが、曲後半の『Come And Save Me Tonight.. Come And Save Me Tonight... Come And Save Me Tonight..』と盛り上がっていく所で、いつ聴いてもぐっときます。

この曲に、救われた夜は数え切れません。私の魂を癒し、不甲斐ない自分を赦し、自己肯定感を奮い立たせてくれる勝負曲の一つです。心の整理がつかない時のざらつく気持ちを鎮める子守唄のような存在です。

2020年に『エンジェル』再び

自由な時間が増えて逆に、Come And Save Me Tonight... という気持ちによく襲われます。『エンジェル』には、またお世話になる機会が増えています。青春時代から勇気を貰ってきたこの曲に、50歳を超えた中年男が頼る日はまだまだ続きそうです。


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