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大迫傑氏の現役復帰について

何とも嬉しいニュースが飛び込んで来ました。2021年8月8日、東京2020男子マラソンで6位入賞を果たし、現役引退を発表した大迫傑選手が、6か月後の昨日、プロランナーとして現役復帰することを発表しました。これについて、私の思いを綴ります。

最も華のある長距離ランナー

大迫選手はここ数十年で一番”華のある”長距離ランナーだと思います。高校~大学~社会人と、常に日本のトップレベルで活躍を続け、日本長距離界の象徴的な存在に君臨してきました。

佐久長聖高校時代、同校が全国高校駅伝で初優勝を飾った2008年に、2年生アンカーとして優勝テープを切りました(区間賞)。翌年は、高校長距離界のエースが揃う華の1区を走り、堂々の区間賞を獲得しています。

早稲田大学に進学してからは、渡辺康行監督の指導の下、世界で勝負することを見据え、トレーニングを積んできました。トラック・駅伝でも結果を残し、着実に進化を遂げていきました。1年生時の箱根駅伝(2011年)の1区で、序盤から飛び出して独走で獲得した区間賞は衝撃的でしたし、2012ロンドン五輪代表を目指した2012年日本選手権10000mでの佐藤悠基選手とのラスト1周のデッドヒートも印象深いレースです。

2016リオ五輪に5000m・10000mの日本代表で出場した後は、マラソンへと転向し、二度にわたる日本新記録をマークしました。一年延期された2020東京五輪のマラソン6位入賞で、彼の陸上人生は完全燃焼したものと思っていました。

「走ることが好き」って清々しい

正直、今回の現役復帰宣言は、私には意外な決断でした。彼は脚光を浴びて走ることに、少々疲れているように見えたし、プロランナーとして以外の活動にも興味があって、今後は裏方として陸上界を牽引していくのだろうと信じていました。実際、現役引退後の活動は活発で、各種レースのゲスト解説にも引っ張りだこになっていました。

今回現役復帰する決断を下したのは、休んでいる間に、また走る情熱が沸き上がってきたから、ということなのでしょう。実際、引退後も変わらずトレーニングは続けていたようです。心境の変化で一皮向けた走りにまた注目したいものです。

似たようなケースでは、フィギュアスケートの高橋大輔選手も一度現役引退後に、復帰を果たしています。今回の2022北京五輪では、アイスダンスで日本代表を目指しました。出場こそ叶いませんでしたが、今も精力的に活動し続けています。

大迫選手は、2024パリ、2028ロサンゼルスの五輪代表も狙いたいと語っているようなので、今後の活動状況を注視していきたいと思います。



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