リベラル・アーツの重要性が腹落ちした日
本日は、あるきっかけによって、リベラル・アーツの重要性が腹落ちした日になりました。その感動の薄れないうちに文章に残しておきます。
リベラル・アーツの自由七科
昨今、リベラル・アーツ教育の重要性が強調されます。リベラル・アーツの実体が何か? について、私はふわっとしか理解していません。漠然と大学の一般教養課程で学んだ「人文科学・社会科学・自然科学の基礎分野 」みたいなもので、文学とか芸術とか文系寄りのイメージを持っていました。
リベラル・アーツは、なぜ、この七つが自由七科として選定されているのか……、腹落ちする話に本日出会いました。
物語でしか世界を把握できない
Voicy『荒木博行のbook cafe』で、ゲストの東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授(メディア論)・柳瀬博一氏の話に腹落ちするものが多くありました。
上記の説明の流れを踏まえて、リベラル・アーツ=世界を掌握する方法と落とし込むと、なぜ上記の自由七科に集約されているのかが、腹落ちしました。
むすんでひらいて
その後外出して、映画『マスカレード・ナイト』を観て、帰りの電車に乗っている時に、リベラル・アーツをテーマに記事に書こうと決め、考えていた時に思い浮かんだのが、童謡『むすんでひらいて』でした。
この曲の作曲者は、ジュネーヴ生まれでフランスで活躍した思想家、ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau 1712/6/28-1778/7/2)です。現在広く知られている日本語の歌詞の作者は不詳で、第二次世大戦後に広まったようです。この歌詞が実は物凄く深いのではないかと思ったのです。
『むすんでひらいて』の振り付けでは、”むすんで connect”で、手を丸めてジャンケンのグーを作り、”ひらいて open”で指を広げて、ジャンケンのパーのポーズを作ります。この”むすんで”のポーズは、日常用語的には、おそらく"握る hold"と表現する方が妥当でしょう。
”ひらく open”の反対語で一般に連想するのは、”とじる close”で、国語のテストで”開く”の反対語に”結ぶ”と書いたらおそらくバッテンをもらうことでしょう。
冒頭の”むすぶ”を、”糸/紐を結ぶ"と解するなら、"ほどく””はずす”という表現もありかもしれません。”ひらく”もなくはないのかもしれませんが、ひらく/むすぶの対には、ちょっと違和感を持っていました。
しかしながら、今日の腹落ち感覚を当て嵌めてみると、ぱっと視界がクリアになりました。”むすぶ”とは、無数に散らばっているドットを瞬間的に結び合わせて、形や概念に形作る行為、”ひらく”ではそれをばらす行為と考えたらどうでしょう。一連の動きが、起承転結のようになっていると考えられたのです。
人間の脳は、物事の認知・理解に物語を必要とする、という柳瀬氏の解説を当て嵌めると、持ち合わせている思索の為の点を、「結んで/開いて」を何度も繰り返しながら、新境地に到達していくのが人間なのだという気がしました。点を結んで物語を作り、法則を見い出す。そして、点を繋いで設定した枠を開放し、より遠くの点を加えて領域を拡大したり、集約して狭めたり、思考の幅を柔軟に操れると強いなあと思います。
サポートして頂けると大変励みになります。自分の綴る文章が少しでも読んでいただける方の日々の潤いになれば嬉しいです。