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山の見える生活

本日は、『山の見える生活』というテーマで、松本生活をはじめてからの心境変化について掘り下げておこうと思います。


歩かない生活の反動

本日は勤労感謝の日で社休です。平日は自宅と会社をクルマで往復し、職場ではデスクワーク中心に過ごしています。せいぜい帰りにスーパーに立ち寄って、夕飯の食材を仕入れるくらいなので、歩く距離が極端に少なく、運動不足気味です。横浜時代は1日1万歩を目安にしていたのに、今ではスマホの歩数計で300歩を切るような日もある由々しき事態です。

それをカバーするため、休みの日のWalkingでは、一度に歩く距離を以前の7~8kmから11~12kmに延ばしています。また、週に一度は松本市内で夜に酒を飲むと決めていて、片道約5kmの道のりを徒歩で通っています。

最近は徐々に寒くなってきたものの、360度山を遠くに拝みながら、大きな空に見守られて歩くのはなかなか爽快な気分で、どんどん距離を稼いでいけます。いい感じで汗をかき、家に戻ってシャワーを浴びると、心も身体もリセットされる感じに整います。

山のある風景

山のある景色を見慣れて育った人にとっては、もはや感慨は薄いのだと思いますが、私には、山が身近にある風景はすこぶる新鮮です。厳密に言えば、神戸にも六甲山系がありましたが、港や海のイメージの方が強い街です。

社会人になってからの活動範囲であった首都圏や、今住んでいる横浜市も、山は遠い存在です。アメリカのフィンレーやデトロイトも見渡す限りの平原でしたから、山を身近に感じながら暮らす体験は人生初なのです。

心なしかリズムがゆっくりで、静寂な感じがします。活気がないという意味ではないものの、松本市内の繁華街も何となく静かに感じます。日々の生活に”quiet life”を実装し易い環境にあるように思います。単身生活ということもあって、この静けさには100%馴染んでいるとは言えません。無性に音楽を聴きたくなったりするのはそのせいかもしれません。

山をフラットに受け止める

今の所、私の「山の見える生活」はプラスイメージが大幅に勝っています。とはいえ、天気のいい日に、遠目から山を見ているから、そのような暢気なことばが吐けているだけかもしれません。

以前、「海が好き」と言う人の大半は、穏やかな凪状態で、エメラルドグリーンと白い砂浜のある美しい「海」だけを受け容れ、荒れ狂う波や津波やゴミまみれの「海」には目を背ける、という記事を書きましたが、山を深く知れば知るほど同様のダークサイドがあるような気がしています。

実際に山に分け入っていくと、森林内にはにゴミが散乱していたり、倒木や廃木だらけの森があったり、凡そ美しいとは言えない光景も目にすることになりそうです。山生活を送る人からは、地滑りや野生動物や、倒木といった災害に備え、大雪に閉ざされる苦労や不便とも隣り合わせなので、綺麗ごとだけで片付けられない、と言われるかもしれません。

それでも、これまであまり向き合ってこなかった「山」や「山生活」について、もっと知識を増やしていきたい、そしてフラットに判断できる下地を作りたい、と今は考えています。

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