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2020箱根駅伝(復路)

本日無事に51歳と225日目、無職45日目を迎えることが出来ました。感謝!

駅伝三昧最終日は、第96回東京箱根間往復大学駅伝競争(復路)です。区間新記録連発の往路に引き続き、風もなく最高のコンディションです。

第6区 20.8㎞ 芦ノ湖〜小田原

8時に箱根町芦ノ湖畔をスタート。前日往路優勝を飾った青山学院大学は四年生、初出場の谷野航平選手を起用。着実な走りで合格点の58分18秒の区間3位で責任を全うしました。

逆転優勝に向けて追いかける東海大学は、故障に苦しんでいた主将の館澤亨次選手を当日変更で起用。前を走る東京国際大学を前半の上りまでにかわし、トラックの1500mで鍛えた豊かなスピードと持ち前の爆発力を存分に発揮。昨年青山学院大学・小野田選手の樹立した区間記録を大幅に上回る区間新記録をマークし、7区中継ではトップの青山学院大学と2分21秒差の3位まで縮めてきました。

島﨑慎愛選手が力走した國學院大学が2位を死守。4位は東京国際大学、5位は明治大学と予選会からの出場組が健闘。往路出遅れの駒澤大学は二年連続出走の中村大成選手で6位に浮上。東洋大学は三年連続出走の今西駿介選手が区間新記録の走りで4人を抜き、シード権内の7位まで挽回してきました。

区間賞 57分17秒=区間新 館澤亨次(東海大学)

第7区 21.3㎞ 小田原〜平塚

青山学院大学は、四年生で初出場の中村友哉選手が、前半から区間新記録ペースで快調に走ります。後半はやや苦しんだものの区間4位と及第点の走りで首位をがっちりとキープしました。

東海大学は期待のルーキー、松崎咲人選手が先行する國學院大学・木付琳選手を抜いて2位に進出。首位との差を更に20秒詰め、8区中継では2分1秒差まで肉薄してきました。

後方では、10000m27分台の記録を持つ明治大学の阿部弘輝選手が本領を発揮。学法石川高校時代の同級生、東京国際大学・真船恭輔選手を抜いて4位に進出。従来の区間記録も36秒更新しました。これで今大会は6区間連続の区間新記録誕生です。

区間賞 1時間1分40秒=区間新 阿部弘輝(明治大学)

第8区 21.4㎞ 平塚〜戸塚

地力のある東海大学にジリジリ詰め寄られている青山学院大学の8区は、三年生の岩見秀哉選手。昨年4区でのブレーキの借りを返すべく、前半から積極的に走ります。

東海大学は、昨年同区間で区間新記録を出して優勝の立役者になり、大会MVPにも輝いた小松陽平選手が必死に追走しますが、コース後半難所の遊行寺の坂を越えても差が殆どつまりません。

岩見選手は区間賞こそ逃したものの、二年連続区間賞を獲得した小松選手に1秒負けただけの区間2位で走破。いい仕事をしました。小松選手は二年連続の区間賞は獲得したものの、東海大学の優勝争いには厳しい状況です。

3位は國學院大学、4位は明治大学、5位は東京国際大学と続き、復路に強いメンバーが揃う帝京大学が鳥飼悠生選手の力走で駒澤大学、東洋大学を抜き、じわりと6位まで上がってきました。

区間賞 1時間4分24秒 小松陽平(東海大学)

第9区 23.1㎞ 戸塚〜鶴見

優勝争いは青山学院大学と東海大学に絞られた形になりました。逃げる青山学院大学は原監督が復路のキーマンと言う三年生の神林勇太選手、追う東海大学は四年生黄金世代のひとりでロードの長い距離に強い松尾淳之介選手。

10000mの持ちタイムに優る松尾選手がどこまで差を詰めるかが焦点でしたが、ダイナミックに走る神林選手が前半から区間記録ペースで飛ばし、徐々に差を開いていきます。鶴見の10区中継時で、2位東海大学との差はほぼ安全圏の3分42秒まで開きました。優勝争いは神林選手のこの快走が決定打となった格好です。

10位までのシード権争いでは、中央学院大学の主将、有馬啓哉選手が区間2位の力走で、先行する創価大学を逆転し、チームを10位に押し上げてきました。熾烈な争いは、ゴールまで続きそうです。

トップ通過から20分の制限時間に間に合わず、日本体育大学、筑波大学、関東学生連合が繰り上げスタートとなりました。

区間賞 1時間8分13秒 神林勇太(青山学院大学)

第10区 23.0㎞ 鶴見〜大手町

青山学院大学は盤石のリードを保って最終区へ。当日変更で起用されたアンカー、湯原慶吾選手も前半から区間記録ペースで走り、隙を与えません。好調が伝えられている昨年歓喜の優勝テープを切った東海大学の郡司陽大選手も好走しますが、なかなか差がつまりません。

このままリードを守った青山学院大学が、大会新記録で大手町のゴールに飛び込み、二年振りに王者を奪還しました。東海大学は往路、復路とも大会記録を更新しながら、悔しい2位。往路同様復路でも大きなブレーキこそなかったものの、予想以上の強さを示した青山学院大学の前に力負けした格好で完敗となりました。

3位争いは熾烈。東京国際大学の主将、内山涼太選手と明治大学・河村一輝選手の並走に、後ろから國學院大学・殿地琢朗選手、帝京大学・吉野貴大選手が割り込み、4校で大激戦を展開しました。残り1㎞の日本橋からスパートした國學院大学が同学の史上最高順位となる3位を確保しました。以下、帝京大学、東京国際大学、明治大学と続き、7位には駒澤大学との接戦を制した、名門早稲田大学が入り、2年振りのシード権を確保しました。

鶴見での中継ではシード権外の11位でタスキを受けた創価大学・嶋津雄大選手が圧巻の走りを見せ、先行する中央学院大学、東洋大学を抜き去り、9位でチーム初のシード権をもたらしました。優勝候補の東洋大学は10位で辛うじてシード権は得たものの、区間二桁順位の不振区間が響いた格好。11位の中央学院大学は5年連続守ってきたシード権を喪うこととなりました。

区間賞 1時間8分40秒=区間新 嶋津雄大(創価大学)

最終結果

【総合】
① 青山学院大学 10時間45分23秒=大会新
② 東海大学 10時間48分25秒=大会新
③ 國學院大学 10時間54分20秒
④ 帝京大学 10時間54分23秒
⑤ 東京国際大学 10時間54分27秒

【復路】
① 東海大学 5時間23分47秒=復路新
② 青山学院大学 5時間24分7秒
③ 帝京大学 5時間27分8秒
④ 明治大学 5時間27分35秒
⑤ 早稲田大学 5時間28分55秒

総評

青山学院大学・原監督が戦前公表した「やっぱり大作戦」が大成功した形となりました。青山学院大学は全区間で選手が力強く走り、区間新記録連発の高速レースの中でも手堅い強さをアピールしました。チームで獲得した区間賞は4区と9区だけながら、それ以外の区間で二桁順位が一つもなく、チームの力を結集した快心のレースだったのではないでしょうか。

往路復路ともコンディションに恵まれ、全10区間中、7区間で区間新記録が誕生するハイレベルなレースとなりました。今後、20㎞を超える距離でも前半から突っ込んで、そのままスピードで押し切ってしまうスピード持久力を強化することが不可欠になってくると思われます。

2位に敗れた東海大学も、復路優勝を果たすなど、貫禄と底力を発揮したものの、ところどころうまく流れに乗れなかった印象です。國學院大学の3位は、実力で捥ぎ取ったもので、完全に駅伝強豪校の仲間入りを果たしたと言えるでしょう。主力の四年生が抜けても、各学年に核となる選手が残る来シーズンも楽しみなチームです。

4位の帝京大学は実力通りのレースを展開、5位の東京国際大学と6位の明治大学は、往路を好位置につけ、復路のいい流れに繋げました。学生トップクラスの大エース阿部選手の7区新記録の活躍が光りました。7位の早稲田大学は復路で粘りを見せて、伝統の力を発揮しました。9位の創価大学は選手の強化がかなり進んでいることを証明しました。

優勝候補に上げられながら、8位と10位に低迷した駒澤大学と東洋大学は、個々には額面通りの走りをした選手もいたものの、脇を固める準エース格の選手や繋ぎ区間を任された選手にプラスの上積みがありませんでした。連続シードを逃した中央学院大学、順天堂大学、拓殖大学、法政大学は、もう一段のレベルアップが求められそうです。

2019年のレース経過は以下をご覧下さい。



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